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谷垣氏に入閣打診 「震災」利用?政権延命図る
2011.3.19 23:28 :産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110319/plc11031923290023-n1.htm
菅直人首相は19日、自民党の谷垣禎一総裁と電話で会談し、東日本大震災に対応する内閣機能を強化するため、副総理兼震災復興担当相での入閣を打診した。谷垣氏は「応じられない」と拒否した。首相の要請には、野党首脳を閣内に取り込むことで、事実上の「大連立政権」樹立をねらう思惑がある。一方、「震災復興」という大義名分を自ら政権基盤の強化に利用しよう意図もみえ、菅政権の“あざとさ”を象徴する行動といえそうだ。
首相が谷垣氏に対し、震災復興担当相での入閣を打診したことは、「国難」に対処する政府の責任を野党に転嫁しようとしていることも意味する。それどころか、震災前には退陣論もささやかれた首相が、逆に国難を利用して、政権維持を図る計算さえ垣間見える。
自民党幹部は17日、「大震災を利用して政権の延命を図っている」と、首相の政治手法に不快感を示した。みんなの党の渡辺喜美代表も記者団に対し「ここで政局的な配慮で『大連立』とか言っていると(大震災への)緊急対応がおろそかになってしまうのではないか」と批判した。
民主党の有力幹部も「閣僚ポストで野党を釣り上げようという魂胆が見透かされてしまった。誠心誠意お願いする姿勢が必要だった」と首相の行動に疑問を呈した。
首相からの入閣要請を受けた谷垣氏は19日、党本部に石原伸晃(のぶてる)幹事長や石破茂政調会長らを集め、要請を拒否する方針で一致。また、首相とは別ルートで非公式に打診があった大島理森(ただもり)副総裁ら他の党幹部に対する入閣要請も拒否することを改めて確認した。
谷垣氏はその後の記者会見で、入閣を要請する首相に対し「あまりに唐突すぎる。今の態勢をいじるときではなく、被災者へ支援、原発の対応に全力を尽くすべきだ」と述べたことを明らかにした。
政府・与党は18日の各党政府震災対策合同会議で、17人が上限の閣僚枠を20人に増やす内閣法の改正を提案した。首相サイドは、公明党など他の野党に対しても入閣を求める構えだが、各党とも応じない意向だ。このため首相は、仙谷由人官房副長官や国民新党の亀井静香代表ら与党からの新閣僚起用を模索している。
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