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政府はなぜ避難所に食料やガソリンを届けられないのか
2011年3月18日 掲載 :日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/syakai/129460
大地震や津波災害の場合、国や県が物資を確保し、各市町村に送るのが一般的だ。今回の地震でも、農水省は岩手や宮城など東北5県に対し、計273万食分の食料と計178万本の水を断続的に運んでいると説明している。しかし、現地には満足に届いていない。一体どこに“消えた”のか。
「物資は市町村に運ばれた後、各避難所に渡る仕組みでした。しかし、今回はあらかじめ決めていた運搬ルートが混乱し、計画通りに進まなくなったのです。道は廃材でふさがり、避難場所だった公民館なども津波で流されたため、自主的な避難場所がアチコチにできて、手が回らなくなった。さらに運搬車のガソリンも尽き、人手も不足。物資はあっても『届けられない』状況になったのです。釜石港や花巻空港などに物資は届いているのですが……」(福島県のNPO法人ボランティア)
大地震で道路が寸断されることくらい、危機管理のイロハなのに、対応がまったく前進しないのだ。陸路がダメなら空路があるじゃないか。現地には災害派遣では過去最大となる約7万6000人もの自衛隊員がいるのだ。ヘリや偵察機を飛ばして避難場所を特定し、集中投下すればいいじゃないか。軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「小松基地にあるC130輸送機を飛ばして、食料などの物資をパラシュートで投下すればいい」と提案する。山間地で輸送機が難しいならヘリでもいい。日本は文明国、経済大国だ。やりようはいくらでもあるのに、このブザマは何なのか。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏がこう言った。
「地震発生から1週間も経って救援物資が届かないのは異常です。本来は政府がもっと素早く『ガソリンはこのくらいを確保しろ』『医薬品は何々を用意しろ』と指示し、輸送ルートを決める。その上で、避難場所まで誰がどう運ぶのかといった細部に落とし込む。それが明確でないから、個々人が勝手に『これを送ろう、あれを送ろう』と動き、道路は大渋滞、ガソリンも足りない事態になるのです。要するに政府の統制が取れていないのです」
石油連盟の天坊昭彦会長は17日の会見で、政府の指導で緊急用車両に無制限供給してきたガソリンを一般に振り分けることを明かした。菅首相の命令で警察や自衛隊にばかり燃料を回していたから、一方ではダブつき、被災地が深刻なガソリン不足なのだ。何をやってもダメな菅首相。天災に人災が加わっているのだから、被害が底なしになっていくのも当然だ。
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