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「谷垣は狂っている」 と亀井氏、えせ挙国態勢を批判
2011年 3月 16日 21:17
高橋清隆
国民新党の亀井静香代表は16日、菅首相に進言していた挙国態勢について「やってない」と不満を漏らすとともに、自民党の谷垣禎一総裁が首相に求めた地震税について「気が狂ってる」と批判した。
余震の来る党本部で、一刻も早い救援を訴える亀井代表(左)と田中代表(2011.3.16、高橋清隆撮影)
「救国内閣」による政権運営を提唱してきた亀井氏は、13日には4項目からなる東日本巨大地震への緊急対応策を菅首相に申し入れている。税収にとらわれず「挙国体制」による被災者救済を最優先する内容だが、菅首相は谷垣氏が提案する時限的な増税を含む「災害復興支援立法」の検討を党内に指示している。
16日の国民新党議員総会の冒頭、亀井氏は4項目の緊急対応策を読み上げた。各党から災害対策本部に参画させ、避難民の衣食住の手配をすぐに始めるなどを盛り込んだもので、ヘリコプターによる食料医療品の投下や数万戸単位の仮設住宅の建設を強調した。
統一会派を組む新党日本の田中康夫代表は「(例外規定のある)財政法5条を活用して国債を日銀に引き受けさせ、100兆円規模の復興資金に充てるべき」と主張。亀井氏も「20、30兆円ではとても足りない。今度の国家予算を上回るくらいにやらないと」と同調した。
総会後の会見で亀井氏は「こういう事態のときに、まず財源ありきじゃ対策にならない。何をなすべきか、金勘定は後から付いてくる話」と述べ、財務省の勝栄二郎事務次官に「おまえが国家存亡のときに財布を握っている。おまえの判断一つで国家の命運が決まる」と財政出動を迫ったことを明かした。
その上で、「財源など簡単な話。復興国債の形で発行して、お金を持っている人やタンス預金抱えてる人に『買ってくれ』とやればいい。あるいは日銀引き受けでもいい。そうやってお金を集めて、誰が困る。御用学者先生がワーワー言うだけ。長期金利が上がるのか」と、この期に及んでまでの緊縮策を批判した。新発10年物国債の利回りは15日、1.165%まで低下している。
一方、谷垣氏が「東北復興ニューディール政策」と呼ぶ震災復興を目的とした増税案について、「谷垣は狂っている。痛んでいる人たちから取るのか」と怒りをあらわにした。
亀井氏は「消費税を上げるため、金があるのにないように見せるのが仕事」と財務省を批判。「谷垣も何かに取り付かれたようだ、こんなときに。やれることをやらないでいたら、助かる人も助からない」と嘆いた。
会見では、マスコミ記者にもかみ付いた。各社の記者は日曜日から亀井氏を追いかけ回しているが、提案内容を報じた社は1つもない。「出ていけ。冗談で言ってるんじゃない。総理に申し出た4点は大事なこと。希望を与えていくために、雇用の問題も盛り込んだ」。提案では、自治体に被災者の雇用も求めている。
菅首相は亀井氏の提案に「自分も挙国態勢でやらないといけないと思う。さらに考えてみたい」と同調しながら、2011年度補正予算について野党側に譲歩しつつある。「10兆円規模」(与党幹部)といわれる補正予算の財源を、子ども手当や高速道路の無料化の撤回で賄おうとし、国債発行に頼らない姿勢を見せる。
高橋清隆記者のプロフィール
反ジャーナリスト
著書:『亀井静香が吠える--痛快言行録--』(K&Kプレス)
『偽装報道を見抜け!―世論を誘導するマスメディアの本質』(ナビ出版)
ホームページ:
「高橋清隆の文書館」
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