http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/167.html
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原子力行政への信頼は地に落ちたと評価されよう。現在も、福島第一原発事故は継続中であり、爆発で放射性物質が風に流され関東各地で放射能値が上昇しつつある。1号機2号機3号機に続き4号機でも火災事故が発生し、第一原発は壊滅状態にある。主たる原因は、地震による停電が起きたが、補助電源は長く持たないから、非常用のディーゼル発電機が稼動するはずが2台ともに動かず、原子炉が長時間制御不能になったことが挙げられている。
イメージを云うなら、ガスボイラーが燃えているがその制御は電気制御系で行なっているところ、その制御系が停止し、ガスボイラーが燃え続けているようなものである。
この2式の非常用ディーゼル発電機が稼動しなかったことから、ECCS(非常用炉心冷却装置)が働かず、炉は一次冷却水の供給制御が出来なくなり、ポンプも稼動せず、圧力容器内が所謂空焚き状態になり、冷却材である純水の水位が下がり、燃料棒が露出し、被覆を形成しているジルコニウムと水蒸気が化合し、そこから水素が出てその水素が圧力容器から、格納容器に出て、更に格納容器から外部に漏れ出てそれが爆発に至ったと云うものである。
しかも急遽配備された電源供給車50台のうち1台しかまともに動かないなど、危機管理(アクシデントマネジメント)自体が破綻している現状が見えて来る。そもそも2式のディーゼル発電機が動かなければどうなるかと云うシナリオもなく、複雑な原子炉システムが運営されていたと云う杜撰な実態が露呈した。
冷却材に水を使う原子炉では、炉心を冷やす冷却系統の配管が破断するなどして冷却水が喪失すると、炉心の熱密度が高いため、制御棒の一斉挿入による原子炉の緊急停止を行なっても、炉心の余熱と放射性物質の崩壊熱による高熱で炉心が破損・溶解する危険性がある。
そのためECCSは、原子炉を緊急停止し、冷温停止状態に管理する重要なシステムであるにも係らず電源がないため動かないという状況に置かれた。恐らく1号機2号機3号機ともに同じ条件(停電状態)に置かれたものと考えている。しかしながら、現実にディーゼル発電機を運転し始めても、炉への冷却水供給がままならず、最終的には1号機3号機ともに、最終手段としての炉(圧力容器内)への海水注入が実施されることとなった。
3号機からは今も水蒸気が立ち上っており、これが何処から出ているのか分からない。経済産業省は、今後は冷却水系を考える、と釈明するが、国民はそれを受け入れてくれないだろう。
2号機では、格納容器の一部損傷も云われており、事はスリーマイル事故よりレベルが高いと判断している。原発付近では、1000ミリシーベルトと云う高い放射線量が観測されている。そうこうするうちに4号機でも、燃料棒が露出し、冷却水の水位が下がり、水素爆発が起きたのではないかと報じられている。
最大の事故の問題は、東電が所謂アクシデントマネジメントを超える想定事態の出現に困惑し、炉の冷温停止を目指しながらどれも失敗し、海水注入(廃炉)へと向かっている現実である。海水を注入するのは、「万が一、非常用炉心冷却系及び崩壊熱除去系が作動せず、炉心が溶融するような苛酷事故に至った場合」であり、是は沸騰型原子炉に関わる特許公報にも記載されている。
それが福島第一原発1号機2号機3号機4号機全てに連鎖したと云うことは、皆さんも本当に政府や経済産業省が云う「非常用ディーゼル発電機不稼動」なのかと思われるだろう。
現在の福島第一原発周辺の状況は、右上掲載の写真画像とおりであり、是を見て新規原子力発電所建設の正当性を語るのは困難ではないかと昨日延べたのである。皆さんのご意見もお待ちする。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=105253
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