http://www.asyura2.com/11/senkyo109/msg/894.html
Tweet |
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-fc95.html
福島原子力発電所で発生した事故の影響で、東京電力の電力供給力が大幅に減少する。この供給力減少に伴い東電が計画停電を実施する方針を定めた。
政府や電力会社の発表では電力の供給能力が3100万キロワットに低下すると発表したが、この数値は前日までに示された数値を大幅に下回る。
電力会社の発電は、原子力、水力、火力の方式によるが、電力会社は原子力による発電が最も大きな経済的利益をもたらすため、原子力発電を何よりも重視してきた。
米国のスリーマイル島事故、ソ連のチェルノブイリ事故以来、原子力利用の危険性が強く認識され、原子力利用の限界を主張する見解が有力になったが、経済的利益を優先する電力業界と巨大な原子力産業は、原子力利用が安全であると強弁し続けて、原子力発電を拡張してきた歴史がある。
日本でも中越地震での柏崎原子力発電所の事故、関西電力の美浜原子力発電所事故、筑波の原子力施設事故などの経験を背景に、原子力利用縮小の意見が強く提示されてきたが、経済的利益を優先する電力会社と原子力産業の意向が、こうした慎重論を抑えつけて、原子力利用を拡大させてきた経緯がある。
CO2発生を主因とする環境問題の流布も、巨大な原子力産業の意向を背景にしたものだとの指摘が根強く存在する。
こうしたなかで、今回の重大事故が発生しているわけだが、地震大国である日本における原子力利用の限界を鮮明に示す事象である。直ちに全国の原子力発電所の運転を中断し、抜本的な検査を実施することも不可欠である。
菅直人政権の対応は、あまりにも遅すぎ、手ぬるすぎる。
原子力問題の最重要な点は、事故が起こる際に、その規模と程度が甚大になることだ。最悪のケースを想定して、前倒しに警戒態勢を取ることが不可欠であるが、枝野氏が指揮する対応は、すべてが後手後手に回り、対応が「兵力の逐次投入」という最悪のものになっている。
計画停電の発表があったが、原子力以外の発電能力をフル稼働する前提での計画になっているのかという疑問が浮上する。
もっとも限界的な発電方法は火力発電になるが、火力発電は、原油価格が高騰しているため、もっとも高コストの発電方式になる。この高コストの発電を抑制するために、計画停電するというのなら、これは許されない本末転倒ということになる。
まさか、そのような計画になってはいないと思われるが、電力供給能力の数値が1日で大幅に引き下げられたことなど、不自然な点が多いのも事実である。原子力発電所の必要性をアピールするためのデモンストレーションという側面が、万が一にもあったなら、まさに言語道断のふるまいである。ぎりぎり強制停電の措置を取らずに済む需給見通しが存在したとの疑いも払拭はできない。
また、政府が節電を呼び掛けるなら、まず、政府部門内での節電を率先して実施するべきである。記者会見の会場も照明を半分程度に落とすべきであるし、首相官邸も必要不可欠な場所以外の照明は行わないなどの対応を取るべきだ。政府が電気を使い放題に使用して節電を呼び掛けても説得力はない。
政府は、電力会社の方式別電力供給能力を明示したうえで、今回の計画停電の数値を分かりやすく説明する必要がある。計画停電であっても、市民生活に重大な悪影響を与える可能性が高い。電力会社は原子力発電で事故を発生させ、電力供給に支障を来している以上、水力、火力については、フル稼働を前提に供給体制を構築する責務を負っている。
電力会社のネット上の公式サイトへの接続が困難な状況が生じているのに、政府は詳細な説明を明示していない。計画停電の根拠に関する数値を明示しての説明、計画停電の詳細についてのきめ細かい説明を政府広報サイトにも明示することが不可欠であり、政府の対応の不備が際立っている。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK109掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。