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2011年3月12日 掲載
都民はトコトンなめられている
都民も甘く見られたモノである。78歳の石原慎太郎都知事が4選出馬を表明した。破綻寸前の新銀行東京に1400億円を投じたり、失敗した東京五輪の招致に150億円を使ったりと、都民の血税をドブに捨ててきた男だ。普通の感覚なら、恥ずかしくて知事を辞めている。隠居して、好きな小説でも書いていればいいのだ。
都民が払ってきたカネもハンパじゃない。報酬はボーナスも含めて2600万円超。その上、1期目で4700万円、2期目で4500万円の退職金まで渡している。3期目の4300万円と合わせると、12年で4億5000万円超のカネをポンと与えるのだ。それに見合う働きがあったとも思えないが、もう十分だろう。
それなのに、まだやるというのだ。11日の都議会本会議では、「国家破綻への危機感だ。東京が混乱すれば国家の喪失につながりかねない」と出馬理由を並べていたが、本音は違う。引くに引けない理由があったのだ。
「息子の伸晃幹事長が窮地に立たされてしまったのです」というのは都議会事情通。石原親子と秘書たち“ファミリー”は、既得権益を守るため、勝手に神奈川の松沢知事擁立に動いた。これに都議会自民党が猛反発。「都連会長のくせに、われわれの頭越しで出馬表明とはどういうつもりだ」と、伸晃を突き上げたというのだ。
「都議会自民党は、出れば勝てる慎太郎ならイエスだが、知名度が低く勝ち目の薄い松沢はノー。負ければ“与党”でいられなくなるから当然で、勝手に候補者を決めた伸晃は、都連会長はもちろん、党の幹事長も辞めざるを得ないムードになった。それで母親に泣きついたのです。キャリアに傷が付けば、手に届くところまで近づいた総理総裁の椅子が遠ざかる。その話を伸晃の母=妻から聞かされた慎太郎は、出馬で息子の尻拭いをしてやったわけです」(前出の事情通)
呆れた話である。都政を何だと思っているのか。息子を総理にするための出馬など、許してはダメだ。
慎太郎は周囲に、「オレも年を取った」「辞めたい」と漏らしていたという。それなら、そのまま辞めればいいではないか。都民は全く困らない。困るのは、権力欲にまみれた連中だけである。
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