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国民は「スキャンダル合戦」にうんざり。「ポスト菅」「解散総選挙」は政策で戦え! 前原外相に続き、菅首相にも献金疑惑 {長谷川幸洋「ニュースの深層」 現代ビジネス [講談社]}
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2238
先週のコラムで「政局が膠着状態に陥ってきた」と書いた。
その後、前原誠司外相が在日外国人から献金を受領していた責任をとって辞任し、専業主婦らの年金救済をめぐって細川律夫厚生労働相に対する問責決議もとりざたされている。
加えて、民主党の土肥隆一衆院議員が日本政府に竹島の領有権を放棄するよう求めた日韓の共同宣言に署名した問題も発覚した。いずれも菅直人政権に大きな打撃であり、従来なら「これで政権の命運が尽きた」とみられても不思議ではない。
ところが、これだけ連打を浴びながら、どうも政権が揺らぐ気配がない。誤解を恐れずに言えば、菅政権は何発食らっても平気な顔で、心底からこたえた様子が感じられないのだ。これは、いったいどうしたわけなのか。
国民がとっくに愛想を尽かしており、外相辞任くらいは重大事態と思わないようになってしまったからだろうか。どうも国民が足の引っ張り合いにあきれて、「スキャンダル不感症」になっている感じもある。
だからと言って、菅政権がこのまま続いてほしいと思っているわけでもなさそうだ。各種世論調査で内閣支持率は10%台に落ち込み、とてもじゃないが国民の支持が高いとは言えない。
菅首相がテレビ朝日の報道ステーションに登場したら、前4週平均で14.7%だった視聴率が6.9%にガクッと落ちた、というのは1月初めの話だった。そのころから国民のうんざり感は募っていたのだ。
ずばり独断と偏見で言えば「いい加減で菅首相には退陣してもらいたい。でも、じゃあ、退陣した後はどうなるのか?」。このあたりが普通の国民の感覚ではないか。ようするに「ポスト菅」となると、ちっとも具体的な顔も形も見えないから、先の展望が開けず、しらけてしまうのである。
政権に対する評価は「これではダメだ」ととっくに分かっている。だから、いまさら外相辞任くらいでは驚かない。問題はここから先にある。
国民は自民党がダメだったから民主党に政権交代させた。ところが、その民主党も自民党そっくりになってしまい、これもダメとなると、また自民党に戻るのか。それじゃ元の木阿弥だ。それはダメと分かっているが、他に選択肢はないのかという気分である。
そう状況を整理すれば、先の展開も目鼻がついてくる。永田町の政治家たちがいくら権謀術数を弄しても、結局のところは国民の支持がなければ、大きな政治潮流にはならないからだ。
「減税印」を利用する小沢一郎
まず、民主党内での政権たらい回しで内閣支持率は回復しない。国民は民主党自体にうんざりしている。
ポスト菅について、マスコミは次は岡田克也幹事長だ、野田佳彦財務相だ、いや若くて新鮮な玄葉光一郎国家戦略相だなどと書きまくっている。だが、表紙を変えたくらいで支持率が劇的に改善するとみるのは甘すぎる。
一度代表を務めた岡田は「旬を過ぎた感」がある政治家であり、野田も人柄は良さそうだが、では「政治家としての実績は?」と考えると、首をかしげてしまう。「財務省の振り付け通りに動いていたよね」と思い出すだけだ。玄葉となると、仙谷や与謝野、菅の間に立って右往左往していたような感じである。
なにより、次から次へと出てくる意外なスキャンダルは民主党政治家たちの未熟さを如実に物語っている。
小沢一郎元代表はどうするのだろうか。
仙谷由人代表代行が主導する実権派から疎まれている小沢は、それゆえ逆に絶好の位置にいるという見方もできる。小沢はうんざり感がある菅・仙谷ラインでないから「かえって新鮮」と感じられるかもしれない。
永田町のプロたちから見れば、小沢は旧自民党経世会以来、古い政治の象徴である。カネのスキャンダルにもまみれている。だが、菅や仙谷とは違う。
小沢が河村たかしの「減税日本」に接近しているのは、小沢ならではの嗅覚で、古い政治家のイメージを脱ぎ捨て「減税印」を武器に再デビューを果たそうとしているのではないか。「小沢印」から「減税印」への転換である。
芸能界では、ひと昔前に売れて旬の過ぎたタレントが新たなブランドイメージを引っさげて再デビューし、成功した例はよくある。政治の世界も人気商売という点では芸能界と似ている。そう考えれば、小沢と河村の動きは目が離せない。河村が目下、風雲児の一人であるのは間違いないからだ。
孤立を恐れるな
自民党はと言えば、1月28日付けのコラムで指摘したように、谷垣禎一総裁がいきなり国会冒頭で「解散総選挙か内閣総辞職か」と大上段に振りかぶってしまい、ここへきて、さすがに弾切れ感が出てきた。敵失で相手のスキャンダルが続いているから、なんとかもっているが、政策論議は乏しい。
それどころか、2月9日の党首討論では総選挙後の大連立まで示唆してしまった。こうなると、見ている国民の側は「なんだ、やっぱり自民党も民主党と同じじゃないか」とあきれてしまうのである。
うんざり感が募る民主党と自民党が連立するのでは、うんざり感が二乗になって「ダメダメ」になるだけである。
渡辺喜美は政策を鍛えあげて、じっと状況を見ているようだ。公務員制度改革や日銀改革など、もっとも先鋭的である。マスコミは渡辺とみんなの党を取り上げるたびに「永田町での孤立」を冷やかす風潮が強い。先鋭的であれば孤立するのは当たり前である。
孤立を恐れる必要はまったくない。国民は永田町の予定調和的、あるいは歌舞伎的対立にすっかり飽き飽きしている。問題は、その先鋭さが国民の潜在的な期待を上手にすくい上げられるかどうかである。
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