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首長新党 自治のかたちを問い直す
2011年3月7日 11:01 カテゴリー:コラム > 社説
来月に迫った統一地方選で、新たな地域政党が脚光を浴びている。
その代表格は、橋下徹大阪府知事が率いる「大阪維新の会」と、河村たかし名古屋市長の「減税日本」である。
全国組織の既成政党とは一線を画し、地域固有のテーマで地域に根差した政治活動を展開する。そんな政治団体を地域政党と呼ぶとすれば、1950年に結成された沖縄社会大衆党のような「老舗」を含めて全国各地にある。各種の選挙で一定の存在感も発揮してきた。
これに対し、大阪維新の会と減税日本に共通する最大の特徴は、抜群の知名度と圧倒的な支持を集める首長が主導する地域政党であることだ。まさに「首長新党」と言えるだろう。
あれもこれもという網羅型ではなく、公約や主張を絞り込む争点提起型のスタイルも似通っている。
減税日本は、読んで字のごとく、10%の市民税減税を旗印とする。河村市長の持論であることは言うまでもない。
大阪維新の会は「大阪都構想」の実現を目指す。大阪府と大阪、堺両政令市を解体し、特別区と都に再編する構想だ。
いずれも大胆な政策提言である。首長のリーダーシップだけでは実行できない。もし議会が反対すれば、何らかの手段で味方に引き入れる必要がある。
そこで、首長が音頭を取って独自の政治団体を旗揚げし、その趣旨に賛同する候補者を議員選挙に大量に擁立して議会で多数派を形成しようというわけだ。
地方自治体の首長と議員はそれぞれ、別の選挙で有権者から選出される。ともに地域の民意を代表しており、二元代表制と呼ばれる。首長と議会が互いに抑制を利かせて均衡を図る仕組みだ。
首長新党の試みは、こうした「自治のかたち」に一石を投じる意味を持つ。
突出した影響力を誇る首長がもし事実上、議会もその勢力下に収めたら、どんな地方自治になるのか。健全な批判勢力は生き残れるのか−。そんな危うさを懸念する意見も、当然あるだろう。
これに対し、有力な首長とオール与党の議会がなれ合う「古い地方政治」こそ決別すべきであり、どんな争点設定であっても、選挙で決着をつけるのが議会制民主主義の原則ではないか−との反論もあるだろう。
首長新党の華々しい登場は、既成政党の地盤沈下を雄弁に物語る。既成政党の側では、首長新党の人気にあやかって連携を模索する動きもあるという。「○○維新の会」を名乗る政治団体も、続々と誕生している。
中央政党や国政との政治的な間合いをどう取るか。悩ましいが、それも地域政党の重要な課題と言えるだろう。
首長新党が、地方から巻き起こる新たな政治の潮流となるのか。それとも、一過性のブームで終わってしまうのか。
いずれにせよ、審判を下すのが有権者であることには変わりはない。
=2011/03/07付 西日本新聞朝刊=
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