http://www.asyura2.com/11/senkyo109/msg/675.html
Tweet |
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5615
(2011年3月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
前原誠司氏の辞任で、民主党政権は3人目の外相を探すことになった〔AFPBB News〕
おっと、また日本の大臣が辞任した。この1年半足らずの間に、日本の民主党政権が擁した首相は2人目、財務大臣は3人目だ。
そして今、小さな政治資金スキャンダルで前原誠司氏が外務大臣を辞任したことで、政権は3人目となる外相を探している。
政治評論家が確かな後任候補の名前を挙げられないことは、民主党内の人材不足を示す嘆かわしい証拠だ。
忘れないでほしいが、これは政治主導と官僚支配からの脱却を公約に掲げた政党の話だ。舵を取るリーダー不在の状況で、政治家たちはこれまで以上に、(保守志向が強すぎるとはいえ)専門知識豊富な官僚に頼っているというのが悲しい現実である。
もし官僚組織に恵まれていなかったら・・・
訓練を積んだ官僚組織に恵まれていなかったなら、日本は本当に深刻な事態に陥っていただろう。内政も外交も、危険なまでに迷走していた恐れがある。ありがたいことに、政治家がメトロノームのような規則正しさで就任と辞任を繰り返しても、政策の眼目は概ね一貫性を保っている。
では、指導者が次々代わることは問題なのだろうか?
外交政策の面では、確実に影響がある。リーダーシップの欠如は、日本の信用低下を意味する。一貫性が保たれているとはいえ、日本は漂流する危険に直面している。日本政府は今、新しい状況に適応しようと苦闘しているからだ。
民主党は米国および中国との関係を等距離に保つという原則を掲げて政権の座に就いた。これは、日米間の防衛同盟関係と新たな日中関係との間のバランスを取ることが求められる微妙な概念だった。
この政策は暗礁に乗り上げてしまった。中国との関係は、むしろ後退した。その顕著な例が、日本の施政下にあるが、中国も領有権を主張する尖閣諸島(中国名は釣魚島)で昨年起きた外交騒動だ。
両国間の緊張をヒートアップさせたのは、中国側の姿勢によるところが大きかったかもしれない。
だが、当時やはり政権を揺るがす危機に見舞われていた日本の政治体制も、問題に対応できる状況になかった。その結果、「尖閣ショック」は必要以上に長引き、日中関係がさらに悪化する事態を招いた。
前原氏は、菅直人首相の有力後継候補と見られていた。菅首相自身も就任わずか8カ月にして辞任の圧力にさらされている(こうなることは必然だったのかもしれない)。
日本の首相など誰も気にしなくなる?
前原氏は、辞任要求を断固としてはねのけることもできただろう。今回の政治資金問題は、前原氏が日本で長く暮らす在日韓国人から3000ドル相当の献金を受け取ったというものだ。これは日本の偏狭な法律では違法に当たる。
前原氏の早々の外相辞任は、首相として政権に復帰する可能性がわずかながら残されたことを意味している。問題は、その頃には、日本の首相がどうなるかなど誰も気にしないのではないかということだ。
© The Financial Times Limited 2011. All Rights Reserved. Please do not cut andpaste FT articles and redistribute by email or post to the web.
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK109掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。