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(回答先: 小沢一郎公判 投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 3 月 10 日 08:38:45)
http://plaza.rakuten.co.jp/atsushimatsuura/diary/201101180001/
2011.01.18
伊藤博敏 暴力団関連ニュース解説 [ 気になったニュース ]
伊藤博敏「ニュースの深層」
(いとう・ひろとし) ジャーナリスト。1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。 著書に『「カネ儲け」至上主義が陥った「罠」』 、『トヨタ・ショック』(井上 久男との共著)、『 金融偽装―米国発金融テクニックの崩壊』 (いずれも講談社刊)など
http://gendai.ismedia.jp/category/news_ito
● 警察庁「山口組壊滅作戦」で地下に潜りマフィア化する暴力団の恐怖 安藤隆春警察庁長官への期待と不安/伊藤 博敏
現代ビジネス 1月13日(木)7時5分配信
年頭所感は、誰しも気負いがちだが、1月6日、安藤隆春警察庁長官が記者会見で述べた次の言葉にはインパクトがあった。
「今年は暴力団対策が最重要課題だと位置づけている」
「さらに暴力団対策を進めることで、日本の治安の風景を変える覚悟でやりたい」
安藤長官は、1972年、東大法学部を卒業して警察庁に入庁、警視庁公安部長、警察庁長官官房長、警察庁次長を経て、09年6月、警察庁長官に就任した。
就任以来、最も力を入れてきたのは暴力団の影響力排除であり、特に、山口組6代目の篠田建市(通称・司忍)受刑者(銃刀法違反で服役)の出身母体である弘道会(本部・愛知県名古屋市)に目をつけており、愛知県警に「弘道会特別対策室」を設置させるなど、徹底摘発の方針を貫いてきた。
全国警察の本部長集めた会議で、こんな言葉を残している。
「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化はなく、山口組の弱体化なくして暴力団の弱体化はない」
弘道会を山口組=暴力団の中核とみなしているわけだ。全国約8万人の暴力団の構成員、準構成員のうち過半近い約3万7000人が山口組である。そのナンバー1の篠田組長とナンバー2の高山清司若頭(弘道会会長)の2人が、ともに弘道会出身で、同会が組織、資金力ともに急成長しているところに安藤長官の危機感はあった。
既に、弘道会を軸として「山口組解決作戦」は10年からスタートさせており、「直参」と呼ばれる直系組長の逮捕は、昨年1年で21名に及んだ。襟をつかむなど粗暴行為を行った、他人名義でマンションを借りた、無免許で宅建業を営んだ、など「なんでもあり」の逮捕が続いたが、起訴に持ち込めたのは三分の一の7名に過ぎなかった。
従って、「今年は」ではなく「今年も暴力団対策」に勢力を注ぎ込む、というのが正しい表現だが、そうした強権発動が、「日本の治安」を良くするかどうかは別問題だろう。
*** 横行する「偽装破門」や「企業舎弟」隠し ***
暴力団排除は、警察だけが行っているわけではない。行政官庁は、公共工事から「反社会的勢力(暴力団周辺者も含む)」の完全排除を決めたし、金融機関は証券口座も銀行口座も開かせず、「反社」と見なされた人物の情報は、警察当局から即座に金融機関に伝えられるようになった。さらに暴力団排除条例の施行も急ピッチで普及、みかじめ料、事務所の提供など暴力団に便宜を図った人も罰せられるようになった。
すべては、ここ4~5年の出来事である。指定暴力団の活動抑制を目的に、92年3月、暴対法が施行されたが、抜け道が多く、企業活動は封じ込めなかった。その穴を塞ぐ、細かい法律や制度が整備され、暴力団、反社と見なされると銀行口座が開けず、事務所(自宅)も借りられないなど、生存権が脅かされる事態となった。
警察の組長クラスを逮捕する「頂上作戦」は、そうした行政・監督官庁とのセットで行われているだけに、影響は甚大。「暴力団員と見なされるとシノギができない」と、組を離れ、暴力団周辺者となるものが激増した。
「今のままで締め付けが強化されれば、暴力団を名乗る人間は、冠婚葬祭の『義理事』を行う幹部クラス数千名だけになってしまうんじゃないか」といった声が上がるほどだ。
実際、あの手この手の偽装工作が進行している。
「破門状」を出して企業活動に専念させる「偽装破門」が流行、改名はもちろん妻と偽装離婚、名義を借りた人間と養子縁組をして姓を変えることもある。企業なら、商業登記地の場所を変え、社名を変え、株主を変更、「企業舎弟」のレッテルを外す。
ひとことで言えば、暴力団のマフィア化である。暴力団の徹底排除は、間違いなく彼らを地下に潜らせ、正体を把握しにくくするのだが、それがもたらす「治安の風景の変化」が、日本にとっていいことかどうかは別問題なのである。
安藤長官が、高山若頭が「篠田組長不在の5年間」に、相当な力をつけ、「弘道会方式」を山口組全体に行き渡らせていることに、危機感をつのらせたのは理解できる。
高山若頭は「強圧」の人である。
警察に情報を売らず、つきあいもせず、事務所にも入れない「3ない主義」を貫いているのはよく知られている。弘道会は、県警捜査員の自宅を割り出し、小動物の死骸を送り、家族に脅しの電話をかけるなど、挑戦的な態度を取り続けている。
「強圧」は、「直参」といわれる直系組長に対しても同じで、参勤交代よろしく月曜日から金曜日までのウィークデーは、神戸市の本部に詰めさせて勝手な行動は許さず、上納金を徴取する。その一方で、高額の「水」のペットボトルを売りつけて「第二の上納金」としている。刃向う組長がいれば、容赦なく処分、後藤忠政後藤組組長のような5代目時代の大物は、次々に除籍処分となった。
*** 「司法取引」を含めた捜査体制の強化が必要 ***
その高山若頭を昨年11月に逮捕できたのは、「京都同和のドン」と呼ばれる上田藤兵衛氏への恐喝を上田氏に告訴させたからだ。いろんな条件が重なった幸運によるもので、上田氏のように24時間、京都府警のガードがつくような生活を望む人はおらず、本気でこれ以上の頂上作戦を進めるなら、「司法取引」など新たな法整備が必要だろう。
それ抜きに、「山口組壊滅作戦」を進めれば、弘道会=山口組は地下に潜って先鋭化、愛想のいい隣人、行きつけのパン屋、宅配の運転手、といった普通の人が、水面下で非合法活動をしている時代になるかも知れない。
これまで安藤長官は、個性と信念で暴力団排除に走ってきたが、これ以上、踏み出せば、「国の在り方」にまで直結する。「治安の風景を変える」とまでいうのなら、マフィア化にどう対処、前述の「司法取引」も含めて、捜査体制をどう強化するかまで考えておく必要がある。
● 弘道会系ヤミ金融業者を一斉捜索…札幌、東京など
無許可で貸金業を営んだとして北海道警捜査4課などは18日、指定暴力団山口組2次団体「弘道会」の関係者が運営する東京都新宿区や札幌市中央区などの事務所数か所を、貸金業法違反(無登録)容疑などで捜索し、男ら4人を逮捕した。被害総額は10億円を超えるとみられ、道警は弘道会がヤミ金融を資金源にしていたとみて実態解明を進める。弘道会を巡っては、同会出身の山口組6代目組長が4月に出所するのを前に、警察庁が全国の都道府県警に取り締まり強化を指示していた。
捜査幹部によると、逮捕されたのは、札幌を本拠地とする弘道会系暴力団の関係者の男ら。2009年から10年にかけ、北海道旭川市と余市町内の中小企業の社長にそれぞれ数十万円の現金を無許可で貸し付けた疑いなどが持たれている。
男らは「東海商事」や「Kプランニング」「アクティブ」といった実体のない金融業者名を名乗り、多重債務者の名簿をもとに電話で融資を持ちかけ、借り手が返済できなくなると、「別の金融業業者を紹介する」などと言い、違法な融資を繰り返していた。
紹介業者も男らが運営しており、2年間で計約5000万円を借り、約8000万円を返済させられた被害者もいた。融資資金を確実に返済させるため、担保として小切手を郵送させることもあったという。
東京や札幌以外に、仙台市や函館市などにも事務所があり、計30人ほどが働いていたとみられる。
(2011年1月18日 読売新聞)
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