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http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51762205.html
2011年03月09日13:50
メアのクビを取れ征服者が被征服者を尊敬することはありません。宗主国の人間は植民地の人間を軽蔑しかしません。このくにの、ついこのあいだの歴史を思い起こせばわかることです。
植民地支配や侵略の記憶は、孫やひ孫の代になって嫌韓、嫌中といった言葉が発明され、それが定着するほどに、この社会の獲得形質を、ごく一部ではあれ不健全にゆがめています。かつて下に見て痛めつけた相手が痛手を乗り越えて立ち直ってきた時、「向こうは仕返しをたくらんでいるに決まっている」と考える、おのれの悪意や敵意を相手に反映させた防御反応が、そうした病理的な心理を生むのでしょう。
過去の悲惨を胸に、なにくそでがんばってきた韓国や中国の人びとが、時に怒りや悲しみをこちらにぶつけてくるのは、いかんともしがたい、自然なことです。
こちらがするべきは、それを受け止めること、その悲しみや怒りは正当であることを何度でも肯うことです。謝ることです。お互いにとって取り返しのつかない過去の悲劇は、そうやって克服していくしかありません。火事を出したら3代謝り続ける、それがこのくにの伝統だったはずです。
のっけから話があらぬ方へと飛んでいってしまいました。言い訳すれば、私にとってはそのくらい考えさせるできごとではあるのです。
ケヴィン・メア。80年代から駐日大使館に勤務し、06年から09年までは在沖米総領事をつとめ、今は米国務省日本部長の座にあるアメリカの高級官僚です。この人の昨年末の発言がメディアに出た、なぜこの時期なのか、とまずは首を傾げました。ニュースのタイミングにはなにかしらの意図が隠されている、と考える癖がついてしまったからです。
ブログ「地元紙で識るオキナワ」さん
(こちら http://michisan.ti-da.net/e3382967.html)が、連日にわたって網羅的に紹介してくださるメア関連記事によると、沖縄研修旅行を控えたワシントン・アメリカン大学の学生14人を対象に、昨年の12月3日、メアサンが講義をした、そこに沖縄出自の日系4世の学生がいた、この学生をはじめとする4人がノートを持ち寄って講義録をつくった、ということのようです。
12月18日から高江をふくむ沖縄各地を回って、米軍基地に苦しむ沖縄の現実に衝撃をうけた学生たちは、メアサンの言説と照らし合わせて、その外交官としての資質を「悲しい」と評しています。はたちそこそこの学生たちの感性はまっとうです。沖縄の現状も人びとも、メアサンから「聞いた話と違う」、ヘリパッドに反対している人びとは「勇敢だ」、「(辺野古の)現行案は米国と沖縄の関係を壊すだけだ。普天間は間違いなく危険だった。国務省や外務省だけでなく、沖縄を入れた議論を始めないといけない」(3月8日付「沖縄タイムス」、元はこちら)と堂々と持論を展開して、すばらしいと思います。 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-08_15170/
メア語録を追いながら、私は奇妙な既視感にとらわれていました。
守屋武昌元防衛事務次官の「ぼやき」調の述懐(拙ブログ「ぼやいてみせる守屋サン」10年4月27日 こちら)と、メア日本部長の高飛車発言、立場や資質の違いからくるニュアンスを除けてみると、中身は驚くほど似ているのです。守屋サンとメアサンは、(たぶん沖縄のゴルフ場でまっ黒になりながら)辺野古新基地建設をおしすすめようと、ともに汗をかいた仲です。メアサンは任期中、基地を容認する沖縄の財界人としか接触しなかったそうですが、守屋サンの『「普天間」交渉秘録』(新潮社)を読むかぎり、守屋サンもそうでした。そして、かれらにきりきり舞させられ、いっぽうは沖縄に「手玉にとられた」とぼやき、いっぽうは沖縄は「ゆすりの名人」と軽蔑もあらわに言い捨てた。
つまりふたりとも、それぞれの政府からうけた厳命をまっとうできなかったどころか、1ミリも前進させることができなかった。上司から無能、使えないと烙印を捺されてもしかたなかった。沖縄の、かれらと交渉にあたった財界人ではなく、基地に出て行ってほしいと粘り強く行動し続けた沖縄の人びとの勝利です。でも、だから、ふたりは自分の不首尾を沖縄の人の不誠実のせいにして、役人としての保身にこれ努めているのです。人は失敗した時に本性をあらわすものです。ふたりは卑怯で小心なところがバレてしまいました。表向き、どんなに権力の中枢にいて肩で風を切っていようとも、しょせんは手柄に汲々とする小役人でしかないことがバレてしまいました。守屋サンは収賄の罪で服役中です。
だからと言って、メアサンに憐れをもよおす必要はありません。断乎、クビを取りに行くべきです。そうしない内閣は、植民地の下請け政庁であり、どんなにばかにされてもこちらからは波風をたてたくない、「へいこら」姿勢をとり続けたいと公言することになります。メアサンは沖縄を侮辱したと、沖縄のメディアは主張しますが、よく読むと、日本の和の文化はその実ゆすりの手段だとか、日本人は本音と建て前を使い分けるとか、このくにを丸ごと軽蔑したうえで、なかでも沖縄の人びとはそういうことに長けている、としています。県内外のウヨクさん、こぞって怒っていただきたい。いま怒らないで、いつ怒ります?
アメリカの国益を、アメリカの国益のみを追求する正直と言えば正直なメアサンの今回の発言、これからアメリカの外交を観察するのにおおいに役だってくれるでしょう。とくに、9条改憲してもらっては困る、あれがあるから米軍基地を沖縄などに置けるのだし、集団的自衛権は別の話として進めていけばいいし、そうできるのだから、自衛隊はどんどんアメリカにとって使い勝手のいいものにしていけばいい、という主張は、9条護憲を唱える県外の人びとの弱点をみごとに突いています。改憲して戦争のできるくにになるのはいや、かと言って米軍に居座られるのも拒否したいとする立場からこれに対抗するなら、辺野古・高江でがんばっている人びとと連帯することがますます重要になってきます。でもその前に、メアのクビを取れ、と政府に迫ることでしょうね。
なぜこの時期に報道されたのかは、いまだわかりません。メア発言、各論についてもいろいろ思うところがありますが、きょうはここまでにしておきます。
(エントリのタイトル、「メアのクビを取れ」は表現としておかしいですね。正しくは「メアのクビを差し出させろ」です。タイトルを訂正すると、すでにツイッターやあちこちのサイトに出回っているので混乱を招くと思うので、ここに訂正しておきます。16:06)
ウェブ版「沖縄タイムス」紙(3月8日付)の「メア日本部長発言録全文(日本語)」を以下に貼りつけます(元はこちら)。「沖タイ」はウェブに英語全文も載せています。気合い、入ってます。ジャーナリズムの気概を感じます。
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アメリカン大の学生らが作成したメア日本部長発言録全文は次の通り。
× ×
私は2009年まで駐沖縄総領事だった。在日米軍基地の半分が沖縄にあるといわれているが、この統計は米軍専用基地だけ勘定している。もし、米軍基地と米軍と自衛隊が共用している基地のすべてを考慮に入れれば、沖縄の基地の割合はもっと小さくなる。沖縄で問題になっている基地はもともと水田地帯にあったが、沖縄が米施設を囲むように都市化と人口増を許したために今は市街地の中にある。
沖縄の米軍基地は地域の安全保障のために存在する。基地のために土地を提供するのが日米安保条約に基づく日本の責務だ。日米安全保障条約に基づく日米関係は非対称で、日本は米国の犠牲によって利益を得る。米国が攻撃されても日本は米国を守る責務はないが、米国は日本を守らなければならず、日本の人々と財産を保護する。
集団的自衛権は憲法問題ではなく、政治問題だ。
1万8千人の米海兵隊と航空部隊が沖縄に駐留している。米国が沖縄に基地を必要とする理由は2つある。既にそこに基地があることと、沖縄は地理的に重要な位置にあることだ。(東アジアの地図を見せながら)、在日米軍の本部は東京にあり、そこは危機において、補給と部隊を調整する兵たん上の中心に位置する。冷戦時に重要な基地だった三沢はロシアに最も近い米軍基地であり、岩国基地は朝鮮半島からわずか30分だ。さらに、沖縄の地理的位置は地域の安全保障にとって重要だ。
沖縄は中国に朝貢していたが、独立した王国だった。中国の一部になったことはない。米国は1972年まで沖縄を占領した。
沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄とのコミュニケーションのパイプを持っていない。私が沖縄の人と接触しようと提案すると、民主党の関係者は「はい!はい、お願いします」という。自民党の方が現在の民主党政権よりも、沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解している。
3分の1の人は軍隊がない方が世界はもっと平和になると思っているが、そんな人たちと話し合うのは不可能だ。
09年の選挙が民主党に政権をもたらした。これは日本では初の政権交代だ。鳩山首相は左派の政治家だ。民主党政権下で、しかも鳩山首相だったにもかかわらず、米国と日本は2+2(外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会)の声明を(昨年)5月に発表することができた。
〈メア氏は部屋を退出し、彼の2人の同僚が日米の経済関係について講義。メア氏が戻ってきて講義を再開すると、2人の同僚は部屋を出た〉
米国は普天間飛行場から海兵隊8千人をグアムに移し、米軍の存在感を減らすが、軍事的プレゼンス(存在)は維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。
(米軍再編の)ロードマップのもとで日本は移転費を払う。これは日本による実体的な努力のしるしだ。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。日本の民主党は日本本土への施設移設も言ってきているが、日本本土には米軍のための場所はない。
日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。
しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。
沖縄の主産業は観光だ。農業もあるが、主産業は観光だ。沖縄ではゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。
沖縄は離婚率、出生率、特に婚外子の出生率、飲酒運転率が最も高い。飲酒運転はアルコール度の高い酒を飲む文化に由来する。
日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。
沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ。
日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。
米軍と日本の自衛隊は違った考え方を持っている。米軍はありうる実戦展開に備えて訓練しているが、自衛隊は実際の展開に備えることなく訓練をしている。
日本人は米軍による夜間訓練に反対しているが、現代の戦争はしばしば夜間に行われるので夜間訓練は必要だ。夜間訓練は抑止力維持に欠くことができない。
私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている。憲法9条が変わるとは思えない。日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。
もし日本の憲法が変わると、米国は国益を増進するために日本の土地を使うことができなくなってしまう。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常に得な取り引きをしている。(共同)
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