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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2192
まもなく菅政権は消滅する。というより民主党自体が四分五裂する。誰が誰を殺って潰すのか、この無法地帯を制するのは悪党≠セ。荒業では誰にも負けない剛腕男に、また出番が巡ってくるのか。
「お前の顔が気に入らない!!」
「政変」は、雪崩のように起きる。雪原に走った小さな亀裂は瞬く間に広がっていき、あっという間に斜面全体が崩壊し、すべてを呑みこんでしまう。菅首相は、その「亀裂」に気付くのがあまりに遅すぎた。
国会運営で立ち往生した菅政権は、崩壊への秒読み段階に入った。追い詰められた菅首相は、精神までも崩壊したのか。首相のメンタル面の異変で、近頃の官邸内には、殺伐とした空気が漂っているという。
官邸スタッフの一人が証言する。
「首相の執務室から、しょっちゅう、怒鳴り声が聞こえるのです。部屋には本人しかいないので、何事かと慌てて職員が駆けつけると、『テレビで評論家がおかしな解説をした』『この番組はなんなんだ!』などと、一人、大声を上げて怒鳴り散らしているんです」
別の官邸スタッフも、首相の精神的異変についてこう語る。
「ある日、菅さんが執務室から『誰かいないか。すぐに来い』と呼ぶので、若手の職員が駆けつけました。すると菅さんは、『お前、いつもオレのことをバカにしているだろう!』『だいたい、オレはお前の顔が気に入らない!』と、一方的に怒鳴りつけた。もちろん、その職員に何の落ち度もありません。まったく無意味に、菅さんの癇癪が爆発したのです」
もともとイラ菅≠フ異名をとった首相だが、少し常軌を逸している。さらに、激怒していたかと思えば、いきなりにこやかになって、スタッフに愛想を振りまいたりするという。いろいろな意味で、症状はかなり深刻だと思われる。
「それでも菅首相本人は、『絶対に辞めない』と言い張っています。内閣特別顧問の笹森清元連合会長と頻繁に話し合い、『(通常国会会期末の)6月までは石に噛り付いても辞めない。税と社会保障の一体改革を成し遂げる。何もなかった政権≠ニは思われたくない』と、何かの呪文のように自分に言い聞かせている」(別の官邸関係者)
首相周辺は、手詰まり状態であるのを否定しようと躍起だ。首相の側近、寺田学首相補佐官は、菅首相が「引きこもり」になり、昼食を一人で食べているという『朝日新聞』の報道に激怒。「そんなの大ウソだ! 総理は秘書官と打ち合わせをしながら飯を食うんだから、一人で食っている時間なんて、あるわけがないじゃないか!!」などと報道陣にぶちまけた。
ただ、側近だけがいかに頑張っても、政権の雪崩現象は、もうどうにも止まらない。閣内の良識派と見られている藤井裕久官房副長官までもが、菅政権の行く末について、こう洩らすようになっている。
「(政権の3月危機について)そういうムードは出てきているねえ」「みなさん(記者)はこういう時期にいるというのは貴重な体験ですよ。(宮沢内閣が崩壊した)平成5年とか大変だったんだよ。今回、どうなるかは分からないけどね」
谷亮子が菅をバッサリ
露骨に怪しい動きを始めたのは、仙谷由人・民主党代表代行だ。2月18日夜、東京・西麻布の料理店に、意外な面々が顔を揃えていた。民主党側は、仙谷氏と前原誠司外相。相手は自民党の石破茂政調会長と、小池百合子総務会長らだ。
この日は『朝日新聞』が夕刊で「民主党幹部が首相のクビを交換条件に、予算成立を公明党に打診した」との記事を掲載し、この「幹部」が仙谷氏であるとして物議を醸していた。それもあってか、同夜、首相公邸では菅首相に仙谷氏、枝野幸男官房長官、岡田克也幹事長、玄葉光一郎国家戦略相らが顔を揃え、国会運営の善後策を協議していた。
仙谷氏は午後10時前になって公邸に入っているが、それ以前に、お忍びで自民党幹部との会合に臨んでいたことになる。
この民自極秘会談≠ノおける仙谷氏の目的は、公明党に依頼した「取引」と同じだったという。
「自民党さんのおっしゃるように、菅首相は消費税の引き上げを決断します。そして社会保障の一体改革を行います。(国会運営に協力してもらえれば)その後≠ノついては、ご相談させていただきますから・・・」
傍らには、仙谷氏が近未来の総理候補として推している前原外相がいた。
「つまり『菅はまもなく終わり。次はコイツがやります』と自民サイドに打診したのです。予算成立に自民党が協力してくれるなら、前原政権≠ナ借りは返しますよ、と。ただ、公明党と同様、この交渉も失敗に終わった。野党はすでに、菅政権を倒すのではなく、民主党政権そのものを倒す目的で動いているからです」(民主党幹部)
つい1ヵ月半前までは首相の片腕として内閣を切り盛りしていた仙谷氏が、あっさりと首相を見限り、そのクビを材料に野党と駆け引きを行っている・・・。完全に政権は、末期的症状を呈しているといっていい。
公明党に振られ、自民党に振られ、最後の頼みの綱だった社民党にも見限られ・・・。まさに剣が峰まで追い込まれ、七転八倒している菅首相らを見て、ほくそ笑んでいる者は誰なのか。
それは言うまでもない。小沢一郎元代表である。
菅首相は小沢氏を、民主党政権に対する逆賊∴オいし、4ヵ月以上にわたって叩き続けてきた。しかし、ついに止めは刺しきれなかった。小沢氏に対し、民主党執行部が下した処分は「党員資格停止」という中途半端なもの。虎はケガを負ったが、手負いのまま、野に放たれてしまった。
その危険な猛獣は、自分を陥れた菅首相ら現政権幹部らの喉元に再び食いつき、食い破るチャンスをひたすら窺っている。そしてそれを示すように、小沢グループの議員たちは、これまでの沈黙を破って、一斉に「反菅」の声を上げ始めた。
「本来、党の規約では党員資格停止は6ヵ月までと決まっているのに、小沢先生の処分は、『裁判で無罪が確定するまで』になってしまいました。党の規約すら守れない。こんなところに(支持率低下の)原因があるのだと思います」
そう語るのは、「ヤワラちゃん」こと谷亮子参院議員である。
「国民の生活どころか、党内の規約も守れない。これが、国民の皆さんに不信感を与える原因になっているんだと思います。小沢先生がいない民主党というのは、本当に心配です。でも(菅首相は)分かっていない。小沢先生の素晴らしい見識とご経験を活かすことが大事なのに、まったく分かっていません」(谷氏)
「これでカオスになるぞ」
小沢派の議員は、これまで菅政権や党執行部に対し、鬱憤を溜めつづけてきた。「小沢一派」は党内で干され、大臣や党三役などの重要ポストから大半の議員が遠ざけられ、首相や仙谷氏ら主流派≠ゥらは、「出て行け」と言わんばかりに冷遇されてきた。
ところが、いまや首相にとってそれが完全に裏目に出てしまった。恨みを募らせた小沢一派の反乱が、菅政権に引導を渡そうとしているのだ。
菅政権の凋落を決定付けた小沢派反乱軍「16人」の一人、笠原多見子衆院議員(比例東海ブロック選出)は、菅首相や岡田幹事長ら、民主党執行部に対する不満をこう露にする。
「菅さんは代表選のとき『(民主党全国会議員の)412人内閣で』と言ったので信じていたのですが、そうではありませんでした。私たち比例選出の議員は、おカネの面での待遇で、選挙区選出の議員と差を付けられています。その不満を岡田幹事長にぶつけたら、『(選挙区の議員には)次があるから』と言い訳され、ビックリしました。じゃあ比例の私たちは、次がなくてもいいってことですか? 同じ政治家なのに、よくそんな死刑宣告みたいなことが言えるものです」
表向き、彼らは口を揃えて、「小沢氏の指示はない」と強調する。与党の会派からあえて離脱するという壮挙≠ヘ、あくまで自分たち16人だけの意思によるものだという。
だが、そんな話をまともに信じている国会議員は、永田町にひとりもいない。これは、小沢氏によって周到に準備された「大復讐劇」の始まりに過ぎないのだ。
民主党中堅議員は、こう説明する。
「小沢グループ内では、『小沢氏の意向は反映していない、関係ないと外部には言え』とのお達しが出ています。もちろん、実際には小沢氏の意を受けて行動を起こしている。今回の16人は、それを公言するようなことのない、かなり選ばれた議員が参加しています。そして、これはあくまで『一の矢』に過ぎません。今後『二の矢』『三の矢』も用意されていますよ」
2月23日。さっそく二の矢≠ェ放たれた。小沢氏側近の一人で、同グループの若頭的立場の松木謙公代議士が、菅政権の国政運営に対する不満を理由に、農水政務官の辞任を表明したのだ。政府の中核メンバーとも言える政務三役が、首相に対する不信感から離脱するなど、前代未聞に近い椿事。菅政権には「16人の乱」以上の大打撃となった。
そしてこの松木氏の行動こそが、三の矢≠ヨの布石となっているという。
別の民主党中堅議員は、「松木氏はこれで自由に動ける」として、こう話す。
「いよいよ『小沢新党』への布石です。2月8日に小沢氏は、名古屋市長の河村たかし氏と、愛知県知事の大村秀章氏と会談しましたが、これをセッティングしたのは松木氏。さらに松木氏は、『日本維新の会』構想を立ち上げて菅政権批判を始めた原口一博前総務相とも盟友関係にある。松木氏が政務官を辞任したことで、小沢派の逆襲に向けた態勢が整ったということ」
小沢氏は2月22日、自身に対して党員資格停止の処分を下した民主党倫理委員会に対して、「検察審査会による起訴を通常の起訴と同視することはできない」などとする文書を提出し、身の潔白を表明した。
小沢氏は子飼いの議員らに、こう言って警告を発しているという。
「菅はおかしくなっている。普通の状態なら解散・総選挙なんてするわけがないが、たぶん菅は、追い詰められて自分で解散に踏み切る。だから準備を万全にしておけ。もしも選挙になれば、どの党も過半数を取れず、カオス(混沌)になるぞ」
だが、このカオスこそ小沢氏の土俵なのだ。党員資格停止を喰らった小沢氏は、選挙になれば党の公認も得られず、本来は影響力など失ったも同然。しかし、政界に解散風が吹き始め、混乱が広がれば広がるほど、小沢氏の持つ神話≠ェ、再び注目を集める。政党を破壊し、作り変える「剛腕」と、「とにかく選挙に強い」という小沢神話が。
石原を引っ張り出す
小沢氏と会談し、「嫌われ者同士」と、意気投合している様子をアピールした河村たかし名古屋市長は、周辺にこう語っている。
「小沢さんは裁判があるから、自分では動けないわな。でもそれでも構わん。小沢さんは接着剤≠ネのよ」
河村氏の率いる地域政党「減税日本」は、3月13日の名古屋市議選や4月の統一地方選で大躍進を果たすことが確実だ。その勢いを利用して、「減税日本」は中央政界への進出を目論む。国政を担う大政党が地方を支配する構図を覆そうというのだ。
そのため河村氏は、小沢派の反乱軍16人を吸収し、「3月中旬までにさらなる新党を結成する準備を進めている」(民主党愛知県連関係者)とも言われている。
「河村氏の『減税日本』、さらには原口氏の『佐賀維新の会』や『日本維新の会』。こうした地方勢力がうまく連携するには、強力な接着剤≠ェ必要になります。河村氏曰く、その役目を果たせる剛腕政治家は、現役ではもはや小沢氏しかいないということ。それに、解散・総選挙になれば、そうした政党同士の微妙な選挙区調整が必要になってくる。それができるのも、全国の選挙区情勢を熟知する小沢氏だけなんです」(小沢グループ中堅議員)
河村氏と同様、小沢氏の使い方≠熟知した上で、動き出したのが亀井静香・国民新党代表だ。亀井氏は最近、小沢叩きにひたすら熱中する菅政権について、「連合赤軍のような内ゲバをしている」と公然と批判して注目を集めた。
この亀井氏がぶち上げているのが、「救国内閣」構想である。なんと、次の東京都知事選への不出馬も取り沙汰されている石原慎太郎氏を、国政のトップに担ぎ上げようというのだ。
「亀井氏は周辺に、『もうすぐ民主党は消えてなくなる。その後にできる救国内閣のトップは石原しかいない。石原だったら自民党の連中も文句がない。総選挙になったら、石原には東京1区(海江田万里経産相、与謝野馨経財相の地元)から出てもらえばいい』などと語っています。そしてその際には、小沢氏とも連携すると。石原-小沢-亀井連合で、次期政権争いの主導権を握るつもりでいる」(全国紙政治部記者)
内閣不信任案、可決へ
とはいえ、実質的に民主党から追放されたに等しい小沢氏には、「軍資金」がない。小沢グループのヒラ議員が、菅政権に不満を抱えつつも表立って反旗を翻せないのは、党から支給される政党交付金や選挙資金を、当てにせざるをえないからだ。小沢氏が影響力を維持するには、これに対抗する、相応のカネが必要となる。
その点、これを一挙に解決すると思われるのが、鳩山由紀夫前首相の存在だ。
「鳩山氏は常日頃、『菅さんはボクと小沢さんを消したくて仕方ないんだ。でもそうはさせない』と語っています。鳩山氏からすれば、菅、仙谷氏ら左派的勢力に、自分が作った可愛い民主党を乗っ取られたと思っている。最近は小沢氏としょっちゅう連絡を取り合い、真・民主党≠フ結成に向け善後策を協議しています」(鳩山グループ議員)
さらに、鳩山一族にはもう一人、由紀夫氏の弟・邦夫氏という財布役≠烽「る。邦夫氏は「新党改革」の舛添要一元厚労相と同盟関係にあり、兄や小沢氏との連携は表向き否定している。今回、本誌の取材に対しても、邦夫氏は「平成の保守合同を目指す」としつつも、「現在、小沢一郎さんと一緒にやるつもりはありません」と語った。
だがその一方で、こうも話している。
「小沢一郎という人は、稀有な天才政治家だと思います。昨年の民主党代表選では、私も小沢さんに勝ってほしいと願っていた。小沢さんは菅さんに比べれば国家観があるし、国が良い方向に向かうだろうと。ただ、負ければその力が、政治を混乱させる方向に向くことは分かっていましたから、いっそう『勝ってほしい』と思ったのです」
つまり邦夫氏は、小沢氏の力量自体は評価しているというのだ。含み≠持たせたということだろう。
歴史を振り返ると小沢氏の立場は、後醍醐天皇に反旗を翻し、「朝敵」扱いされた足利尊氏と似ている。
後醍醐天皇が掲げた「建武の新政」の理想は高かった。だが、社会の実態に即さない机上の空論で世は治まらず、情実人事や政策の朝令暮改が頻発し、武士たちは不満を高めていった。
そうした不満分子が担ぎ上げたのが足利氏だった。尊氏は1336年2月、いったんは天皇方の新田義貞・楠木正成らの連合軍に敗れ、九州に落ち延びる。しかし、現地の地方豪族の勢力を結集し、再び東上。5月には「湊川の戦い」で新田・楠木連合軍を打ち破り、6月には京都を占領した。
中央政界で一時的に失脚するも、地方で態勢を立て直し、リベンジする—。まさに、いま小沢氏が進めている戦略そのものだ。
小沢派ベテラン議員の一人は、この「復権シナリオ」についてこう語った。
「3月中に、野党は菅政権に対して内閣不信任案を提出する。これに、我々のうち70人程度が同調すれば菅政権は倒れる。そして総選挙になったら、小沢派+減税日本など地方連合+国民新党+自民党の一部などで大連合を果たし、石原氏を迎える。小沢氏は裁判が終わるまでは石原政権≠フ裏方で政権を支え、無罪が確定したら、晴れて小沢総理≠目指せばいい」
かつて楠木正成は、世の不満分子の象徴に担ぎ上げられた足利尊氏と戦う不利を説き、後醍醐天皇に和睦の道を勧めたという。
しかし、天皇はこれを聞き入れようとせず、結果的に大敗を喫し、正成は奮戦の後に自刃、やがて失意のうちに病没してしまった。
日本を北朝≠ニ南朝≠ノ二分する決戦の時は近い。菅か、小沢か、それとも新たな勢力が勃興するのか。刀槍で雌雄を決した中世と違い、現代の政治決戦でその勝敗を決するのは、有権者の意思である。
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