http://www.asyura2.com/11/senkyo109/msg/544.html
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3月7日、参院予算委員会で、社民党福島党首の質問は原則論をふまえ、聞きごたえがあった。参議院インターネット審議中継(www.webtv.sangiin.go.jp/)で見られます。
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「菅政権は新自由主義」=福島氏と菅首相が応酬−参院予算委 (時事ドットコム 2011/03/07 21:59)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011030700904
「新自由主義だ」「レッテルを貼られるのは極めて不本意だ」。社民党の福島瑞穂党首が7日の参院予算委員会で、菅直人首相の経済政策を厳しく批判、首相がやり返す場面があった。2011年度予算関連法案の年度内成立に向け、社民党との連携を模索する首相だが、この日の論戦は2人の距離を浮き彫りにした。
福島氏は「小泉構造改革の新自由主義は間違っていた。市場原理主義で国民の雇用と生活を壊した」と批判し、消費税引き上げに意欲を示す首相を「やっていることはその新自由主義だ」と切り捨てた。
これに首相もかちんときたのか、「成長路線に戻らなければ、社会保障も財政健全化も果たせない。決して強い者を助けるための政策を進めていない」と興奮気味に反論した。
(引用おわり)
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菅のいう「第三の道」については、2010年6月の施政方針演説の前後、その経済ブレーンである小野善康(大阪大学教授・当時は内閣府参与・現内閣府経済社会総合研究所長)の論が話題になった。
これについては当時、エコノミスト、経済ジャーナリスト、阿修羅の上でもおおいに紹介、批判された。
今でも各ブログなど多くが参照可能ですが(すみません、引用省略します)、この際あらためて振り返ってみます。
1. この先生の理論
当時の、『インタビュー:失業率3%へ消費税上げも=小野・阪大教授』を要約しておきます。
(ロイター/朝日 2010年6月21日9時35分 http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201006210014.html)
↓
(これまでの政策とどう違うか?)
「第一の道は、過去の自民党政権下で取られた。これは、消費者にお金をばらまけばいいというオールド・ケインジアンの発想であり、無駄な公共事業や減税、補助金を指す。
第二の道は構造改革そのもので、・・・小泉・竹中改革。
第三の道は、人に働いてもらうことが目的。そのために資金が必要なら、増税しても構わない。雇用が増加してデフレも雇用不安も緩和されるため、消費が刺激され、経済も成長して税収が増え、財政も健全化していく。そうすれば当初の増税分は家計に所得として返る。」
(大きな政府になるのではないか?)
「日本の公共部門の対GDP比の財政支出、人口1人当たりの公務員数は、OECD加盟国中でも最低水準。その意味で1990年代から最小政府だった。
そもそも私が言っているのは・・・余った労働資源を活用するということであり、民間へのサポートを政府がするということ。
たとえば介護士の待遇をよくして雇用を増やせば、若い福祉職員の所得が上がり、デフレも緩和され消費も増えて税収も上がる。
逆に民間に任せきりで政府が活動を減らせば、かえって失業者が増える。それは小泉構造改革で明らかになった。
財政支出を行う際、お金を渡すだけでは家計に埋もれて需要に結びつかない。また、必需品を供給しても、それまで買っていた分を減らすだけ。
必需品ではなく、政府が何もしなければ十分に供給されないが、全くの無駄ではない分野に配分する。例えば介護や教育、壊れそうな橋の修繕や自転車道の整備など社会資本整備がよい。
・・・人を働かせて雇用と新しい需要を創ることこそが重要だ。」
(具体的には?)
「雇用などの助成金・・・。政府が必要施設を作って無償で提供し、あとは民間で自由に競争してもらってもいい。介護ロボットの支給でもいい。
どれも公務員を増やさず、民間の需要や雇用を増やすことができる。
子ども手当の現金支給は愚策。必需品を配るのも意味がない。あったらいいが、(政府が)何もしなければ買われない物やサービスなら、その分の便益が増え、新たな雇用も生まれる。
消費税は・・・すぐにでも上げたほうがいい。数字については示せないが、失業率を3%に引き下げるまで人を雇えるお金が必要で、そうであればかなりの増税が必要となる。
私は消費税が特にいいと言っているのではない。本来なら所得税を引き上げ、特に最高税率を上げて累進性を高めればいい。高所得者はお金を使わないからだ。また相続税の増税でもいい。
要は増税分を借金返済ではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすということだ。それによって増税分の雇用が生まれる。低所得者の収入が増えれば、消費も増えて税収も上がる。」
(後略)
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2. この理論の評価(評判?)
各エコノミストのブログ等をご覧ください(引用略)。
実績がない、学界でも特異な論(少数派?)だ、イギリス労働党で一時提唱されたがその後引っ込めた、スウェーデンが成功例だ・・・いやスウェーデンは特別の事情があったにすぎない、などの評判のようですが、
総じていうと、実績のない机上の論だ、(第一と第二の「道」の)いいとこ取りにすぎない、というところのようです。
3. しかしこの理論そのものでなく、菅のやろうとしていることは、いいとこ取りどころか、第一と第二の「悪いところ取り」というしかありません。
この論から、官僚どもが、自分たちに都合の良いところをつまみ食いすれば、こうなります。
すなわち、
・公共部門支出をふやす。(なぜなら、日本の公共支出、公務員は多くない!)
・そのために増税。(しかも小野センセイはそういわないのに、官僚はこれを消費税増税としている。)
・その支出は民間にまかせず、政府主導でおこなう。(官僚の利権のもとがそれだけ増える。)
4. 要するに、@国家財政逼迫のもと赤字国債政策はとれないから増税政策をとって(この点がケインズ流とちがう)、A大きな政府でいく(この点が新自由主義とちがう)、Bそうすれば自分たち官僚の権益がますます維持拡大される、ということです。
昨年6月、多くのエコノミスト、経済ジャーナリストたちの批判したところがますます明らかになってきました。
「雇用、雇用、雇用!」、の意味も、納得がいきました。
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