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産経新聞 3月7日(月)22時39分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110307-00000613-san-pol
次期首相の有力候補者だった民主党の前原誠司氏が外相を辞任した。小沢一郎氏の政治資金問題では、小沢氏に厳しい立場を取るなど、クリーンな印象を打ち出してきた前原氏。一転して、自らが“政治とカネ”に関する問題で、国政を混乱させる立場に。だが前原氏をめぐっては、在日外国人からの献金問題以外にも、巨額脱税事件の関係企業などからの資金提供や北朝鮮への渡航など、不可解な事象がちらつく。
■入閣後も受領
辞任の引き金になった在日外国人からの献金受領。献金していたのは焼き肉店を経営する、京都市山科区の在日外国人の女性(72)だった。国会でこの問題を指摘した自民党の西田昌司参院議員の事務所によると、焼き肉店には、前原氏と事務所で撮影したツーショット写真が誇らしげに飾られていたという。
政治資金収支報告書によると、前原氏の関係政治団体「まえはら誠司後援会連合会」は平成17〜20年の間に計4回、この女性から各5万円の個人献金を受けていた。前原氏によると、報告書が未公表の22年にも5万円の献金を受けたといい、献金受領は入閣後も続いていた。
政治資金規正法では、外国人から政治献金を受けることを禁じている。政治が外国からの影響を受けるのを防ぐための措置だ。
女性は、前原氏が中学時代からの知り合いで、「違法とは知らなかった」としている。前原氏も「献金を受けていたことは知らなかった」と故意性を否定している。しかし、日本の外交の責任者としての立場も考えれば、「知らなかった」では済まされない。
■よど号犯と写真
前原氏と北朝鮮との不可解な関係を指摘する声も出ている。
前原氏は野党時代の11年6月、国会の会期中であるにもかかわらず、北朝鮮に工場を展開していた地元・京都市の織物会社経営者の誘いで訪朝していた。
その際、平壌市内のホテルで、昭和45年に日航機「よど号」を乗っ取って北朝鮮に渡った実行犯のうちの4人と写真撮影していたことが、自民党の稲田朋美衆院議員の国会での指摘で発覚している。
前原氏は「玄関でばったり会った」「偶然だった」と釈明。ここでも「故意性」を否定した。
だが、前原氏には安倍晋三政権時代に北朝鮮の核開発に関連して国会で「拉致問題にこだわり過ぎている」と北への重油支援を訴えた過去もある。
「北訪問」と「北寄りの質問」。その政治姿勢に、拉致被害者家族からは不満の声も出ていた。
■パー券「頼んだ」
約3億4千万円という巨額脱税事件で有罪判決を受けた男性の関係企業とのつながりも発覚した。前原氏はこの企業からパーティー券代として50万円を受領。同事件で逮捕された別の男性(処分保留で釈放)が代表の会社からも、50万円を受け取っていたことが産経新聞の調べで分かっている。
有罪判決を受けた男性の関係するグループ企業4社は民主党本部にもパー券代として平成18〜20年の間に計270万円の資金を提供していた。しかし、岡田克也幹事長は7日の記者会見で、男性が関係する企業はさらに2社あり、総額は計390万円に上るとの調査結果を公表するなど、広がりを見せている。
前原氏は3日の会見で、党本部のパー券購入の経緯について「調べてみないと分からない」と答えていたが、4日の参院予算委では「(男性に)私がお願いした」と答弁。自らの関係政治団体への資金提供についても自らが直接男性に対し、パー券購入を願い出ていたことを認めた。
前原氏の説明だと、男性とは6〜7年前からの知人を通じて知り合ったといい、グループ会社から同じく資金提供を受けていた野田佳彦財務相、蓮舫行政刷新担当相にもこの知人を紹介。前原氏は男性について「事件との関係を知らなかった」としているが、結果として前原氏が、問題の企業側と民主党との橋渡しをしていた可能性が高い。
政治とカネに詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は「小沢氏の問題を糾弾した際、なぜ自分の足元をきちんとチェックしなかったのか。知らなかったでは済まされず、脇が甘いとしかいいようがない。幾度となく問題化してきた政治とカネで、また辞任という政治的混乱を招いた責任は重い」としている。
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