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菅首相延命に動く大マスコミ報道 「政局緊迫」と煽るメディアへ重大疑問
(日刊ゲンダイ2011/3/3):「日々坦々」の資料ブログ
http://ameblo.jp/asuma-ken/entry-10819638310.html
本予算は衆院を通過したが、予算関連法案の成立は絶望的――。
前代未聞の事態を受けて、大マスコミは盛んに「関連法案が通らなかった場合の混乱」を書き立てている。
子ども手当法案や特例公債法案、税制改正法案が通らないと、子ども手当が吹っ飛び、中小企業の法人税が上がる、石油石炭税もアップする、航空燃料税も優遇が切れる、とまあ、国民生活への影響を「これでもか」と強調するのだ。
もちろん、こうした混乱がなければそれに越したことはない。混乱の責任はひとえに与党の最高責任者、スッカラ菅首相にあるのだが、大新聞はそう書かない。「だから、与野党は歩み寄りを」と書くのである。朝日はきのう2日の社説で「修正こそ民意に応える道」とこう書いた。
〈この不正常な事態を解消するのは与野党双方の責任である。予算案の修正を協議し、ぜひ合意してもらいたい>
同じ日の毎日新聞はもっと露骨だ。
〈与野党は関連法案の修正と向き合わねばならない。(自民党は)修正合意を経て主張を予算に反映させる実績を残すことが「責任野党」にふさわしいのではないか>
早い話、民主党には「一致団結せよ」と迫り、自民党には「譲歩しろ」というわけだ。これには菅は「ニンマリ」だろうが、これほどおかしな話はない。
菅政権は政権交代による国民のための政治を実行しているのか、裏切っているのか。「民主党分裂」「自民公明の思惑」ばかり流す彼らの意図は国と国民のために有用なのか??
そもそも、予算関連法案が通らない事態に至ったのは、単に「ねじれ国会」のせいではない。こんなことは去年の夏から分かっていたのに、支持率がまだ高かった去年の秋からなーんにもしなかったツケである。小沢切りに血道を上げ、野党と真摯に向き合おうとせず、揚げ句が党内混乱で支持率急落。気がついたら、落ち目の政権には誰も見向きもしなくなった。絵に描いたような「バカ丸出し」である。その結果、予算が執行できないという事態に至ったのだから、普通ならば、総理辞任だ。それでも菅がしがみつくのであれば、メディアが「辞めろ」と引導を渡す。これが当たり前なのである。
◆与野党が一時的妥協したところでどうなるのか
それなのに、大マスコミの大甘報道は奇々怪々というしかない。法大教授の須藤春夫氏(メディア論)はこう言った。
「昨今の大新聞の報道姿勢には強烈な違和感を覚えますね。菅内閣が国民のための政治を行っているのであれば、いざ知らず、国民の政権交代への期待を裏切り続けているではないですか。国民が新政権に期待したことは、小泉構造改革で広がった格差是正であり、生活が第一の政治への転換です。ところが、菅政権は自民党政治に逆戻りのようなことばかりをやっている。その結果、支持率が下がり、国会運営も行き詰まった。だとしたら、メディアがやるべきことはハッキリしている。与野党にその場しのぎの妥協を促すことではなく、国民が期待した政治を実行できるリーダーの資質を論じ、交代を迫ることなのです」
大マスコミは与野党の妥協を促す理由として、国民生活への影響や総理が代わってもねじれが解消しないことなどを挙げているが、どれも説得力がない。
菅の予算案で国民生活が良くなるのか。菅は国民のための政治をやっているのか。菅を続けさせれば、どこかで与野党が合意し、ねじれが解消するのか。すべての答えが「ノー」ではないか。
予算案の衆院本会議の議決では先に民主党の会派離脱を表明した16人の衆院議員が欠席した。彼らの会派離脱の理由は「菅政権が国民の生活が第一の政治理念を守らず、国民への約束を捨て去ったから」である。「菅政権は本来の民主党政権ではない」とも言う。この主張はその通りなのに、大マスコミは彼らを「無責任」と罵倒、「権力闘争ごっこだ」と非難し、とにかく、「予算と関連法案は通せ」と言う。
ムチャクチャな論法で、その裏には怪しい思惑が見え隠れするのである。
◆大マスコミがヨタヨタの無能首相を応援するわけ
大マスコミが、誰が見ても無能な菅政権を応援するのはなぜなのか。
欠席議員16人へのエキセントリックな批判の裏には、当然、彼らが小沢系だという事情がある。大マスコミが菅に肩入れする理由の「その1」は、小沢嫌いの裏返し。アホな菅でも小沢切りだけはしてくれるという期待である。政治ジャーナリストの野上忠興氏が言う。
「大マスコミと対峙し、取材にも応じない小沢氏に対して、大メディアは“コノヤロー”と思っている。同時に、そんな小沢氏が政権中枢に復権することが恐ろしいのです。小沢氏ならば、大マスコミが持っている既得権益を容赦なくぶっ壊すかもしれない。そうした恐怖感が小沢批判報道をエスカレートさせ、その小沢氏と敵対する菅政権への応援につながっていくのでしょう」
本をただしていくと、執拗な小沢バッシングは民主党政権誕生前からだ。イチャモンのような疑惑で小沢を叩き、代表の座から引きずり降ろし、政権交代を妨害したのも既得権益を守りたいのと小沢に対する恐怖だろう。それが今も続き、スッカラ菅へのエールになる。身勝手極まりない話だが、他にも裏の思惑「その2」がある。
「菅政権は鳩山政権と違って、日米同盟を重視し、消費税増税を打ち出し、TPPにも積極姿勢を見せる。これらのことは沖縄県には負担をかけ、庶民の暮らしにはマイナスになる。誰が得するのかというと、財界、大企業です。そこから広告を得ているのが大マスコミ。だから、菅政権になびくのです。その証拠に菅政権に対して甘いのは大手メディアだけですよ。大企業の広告なんか入らない地方紙は手厳しい。TPPにも批判的なところばかりです。大マスコミだけが国民と違う方を向いている。こんなことを続けて信頼を得られるのか。一時的な利益のために本質を見失うと、自分で自分の首を絞める結果になると思います」(須藤春夫氏=前出)
◆消費税とTPPだけ菅にやらせて大連立か?
もっと腹黒い魂胆、「その3」も見え隠れする。自民党議員は平然と菅批判をやりながら、「でも、嫌われ者の菅さんに消費税増税とTPPはやって欲しいな」などと言う。自分たちがやりたくないからだ。大マスコミも同じ思惑で、面倒くさいことは菅にやらせて、その後は自分たちと長年なれ合ってきた自民党政権に戻す。あるいは大連立でもいい。こうした魂胆があるからこそ、今すぐ、「菅辞めろ!」とは言わないわけだ。
そのために無能政権が長引き、国民不在の亡国政治をやられる国民はたまったもんじゃないが、大マスコミは平気だ。「偽りの二大政党」の著者で政治解説者の篠原文也氏はこう言う。
「新聞は与野党協議を呼びかける理由として、国民生活の混乱を挙げますが、妥協が成立したところで根本的な解決にはなりません。ここ数年の政治の混迷は、ねじれ国会という現象面の理由だけでなく、政治に対応力がなくなってしまったことにあるのです。自民党は耐用年数が切れ、民主党は賞味期限が切れてしまった。こんな2党が予算で妥協してもその場しのぎにしかなりません。メディアの役割は、政界再編も含めた大変革を促し、根本解決ができる政治体制を求めることです」
身勝手なメディアが自分勝手な思惑で菅を応援し、いい気になった無能首相が権力にしがみつく。うなされるような悪夢が現実になりつつあるのだから恐ろしい。
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