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倒閣の機、うかがう小沢氏 政局長期化に備え
2011年3月1日22時22分 :朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0301/TKY201103010573.html
民主党の小沢一郎元代表は1日、新年度予算案の採決で賛成票を投じる一方、自らの党員資格停止の処分に不服申し立てをした。民主党内にとどまり、倒閣の時期をうかがう戦略だ。菅直人首相は簡単には退陣しないとみて、政局の長期化に備える。
予算案採決のための衆院本会議が始まったのは1日午前2時だった。小沢氏は約30分遅れて本会議場に現れた。その6時間前にあった中井洽予算委員長の解任決議案の採決には欠席したため、隣の席に座る中井氏に「すまないことをした」とわびた。
予算案に賛成したのは、首相が簡単には退陣しないことを見越し、しばらくは党に足場をとどめて来るべき政局に備えるためだ。1日夕には党常任幹事会が終わった後に党員資格停止処分への不服申し立てを提出。処分への反論をA4の紙8枚に書き連ねた。
首相批判も相変わらずだ。会派離脱に動いた比例単独の衆院議員16人の一人に「これは『一の矢』だ」と理解を示した。周囲には「まんじゅう作って皮だけ食べさせ、あんこを食べさせない状況ではどうしようもならんわな」と、首相がマニフェストの修正に突き進むことへの不満をぶちまけている。
一方で、首相が破れかぶれ解散に打って出ることへの警戒感は強い。最近は親小沢議員の地元へ出かけては「解散論」をあおる。宮城県岩沼市で2月27日に直系議員が開いたパーティーでは「政治、政界は一寸先は闇。解散・総選挙が現実になる可能性も非常に大きいと考えている」と選挙準備を急ぐよう訴えた。
ただ、強制起訴された小沢氏への世論の逆風はまったくおさまらず、倒閣の動きで民主党を混乱させているとの批判も強まっている。側近の間でも「裁判が終わらない限り総理大臣は目指せない」との声が大勢で、小沢氏自身が表舞台に立つ状況にはしばらくなりそうにない。
■16人欠席の中、小沢氏は「賛成」
予算案採決を欠席した16人による「新会派」の会長を務める渡辺浩一郎衆院議員ら8人が1日午後、記者会見した。欠席の理由を列挙した紙を配り、冒頭で「小沢氏に対する党執行部の対応に反対するために行動したのではない」と釈明。小沢氏の影の払拭(ふっしょく)に務めた。
28日の会合では、会派離脱表明の勢いで一気に反対票を投じる意見のほか、「世論の理解を得られない」と賛成すべきだとの声も出た。最後はメンバーの一人が「出番は必ずくる。それまでは静かにしていよう」と議論を引き取り、「欠席」でまとまった。
新会派騒動で民主党内が一枚岩でないことが明らかになり、社民党が予算関連法案への反対を表明。衆院の「3分の2」の再可決が絶望的となり、倒閣に向けた所期の目的は達した。むしろ反対して除名になるよりは、首相退陣後の代表選に備えるためにも党にとどまったほうがいいとの判断もあった。
だが、与党議員なのに予算に反対する説明をする記者会見に出席したのはメンバーの半分。当日は党執行部から本会議出席を要請する電話にも出ず、全議員が比例単独で選挙区もないため有権者に「造反」を説明する場面もない。一方で小沢氏本人は賛成票を投じ、16人と対応が割れた。予算関連法案に反対すれば、今度は除名処分が現実味を帯び、小沢氏と離ればなれになりかねない。
渡辺氏は欠席の理由について、「名古屋では市長選のマニフェスト通り行革を達成した。国政では一向に進んでいない」ことを挙げた。「離党後」の河村たかし名古屋市長との連携を視野に入れているのは明らかだ。メンバーの一人は「もう再編しかない。小沢氏だって、この党ではもう選挙を戦えないってことは分かっている」と語り、小沢氏とやがて行動を共にすることに期待をつなぐ。
■「菅降ろし」決め手欠く
小沢氏支持の議員たちの本音も「倒閣」だ。しかし、退陣に追い込む決め手が見あたらない。「首相の性格を考えると、絶対に辞めない」との見方は強く、小沢氏に近い議員が集う会合では堂々巡りの議論が続く。
鳩山由紀夫前首相の側近である平野博文元官房長官は1日、若手議員十数人を集めた会合で「両院議員総会を開いて党代表を降ろすことはできる」と息巻いた。党規約では代表を解任することはできない。そこで平野氏が披露したのは、両院議員総会を開いて党規約を改正し、「代表の解任規定」をつくったうえで菅代表を解任する――という筋書きだ。
ただ、平野氏は続けた。「民主党代表を辞めさせることはできても、首相は辞めないだろう。困った」
小沢氏の処分問題が佳境を迎えた年明け以降、小沢氏側近ら衆参十数人の議員は意見交換を繰り返し、「菅降ろし」を進めることを確認してきた。「親小沢」でも「脱小沢」でもない中間派との接触を重ねる一方、小沢氏に近い政務三役の引き揚げも検討。実際に松木謙公衆院議員が農水政務官を辞任した。
だが、後に続く動きはいまのところない。会派離脱を表明した16人を除けば、松木氏を含む「親小沢」議員が一致して予算に賛成票を投じざるを得なかった。選挙区を抱え、有権者の厳しい視線にさらされる議員にとっては、「予算案を通すのは与党議員としての最低限の責務」(中堅)との意識からだ。
予算案の衆院通過後、「菅さん、辞めろコールをあちこちでぶちあげる」(中堅議員)との声もあるが、小沢氏が政局の長期化に備え始めた今、3月中に倒閣への動きが加速するかは不透明だ。「結局、小沢氏のメッセージがないと何も動かない」と、小沢氏側近は語る。(蔵前勝久)
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