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http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110227/stt11022718010003-n1.htm
菅直人政権は週明けから、平成23年度予算案の衆院通過をめぐって、野党との対決に臨むことになります。野党はすでに反対の方針を固めていますから、攻防が激化するのは必至です。さらに民主党内からも衆院比例代表選出議員16人の会派離脱騒動、松木謙公農水政務官の辞任と、火の手が上がっています。
菅政権は新年度から予算を執行できるかどうかの瀬戸際に立つわけですが、首相に近い関係者によると、「菅首相は6月に税と社会保障の一体改革案をまとめるまでは、どんな状況になっても首相を辞めないという腹を固めた」そうです。今回はこの首相の「腹」をどう考えるかをテーマに書きたいと思います。
衆院の議決が優先される予算案は3月2日までに衆院を通過し、参院に送付されれば新年度までに自然成立しますが、予算を執行するための関連法案は参院で否決されれば、衆院で3分の2以上の賛成によって再議決されなければ成立しません。しかし、それは野党の反対に加えて、民主党内から菅政権に造反の動きが出ていることを考えると、絶望的な情勢です。
おそらく野党も国民生活に最低限必要な予算関連法案は成立させると思いますが、成立しない法案はいくつも出てくるとみられます。新年度から執行されない予算が出てくれば、国民生活への支障や混乱は避けられません。
予算関連法案だけでなく、その後も野党が反対する法案は成立しない状況が続きますから、政権運営は完全に行き詰まることになります。それでもどうやら菅首相は「仕方がない」と開き直って、首相を続けるつもりのようです。
菅首相がそこまで思い詰めているのはなぜでしょうか。菅首相は21日の衆院予算委員会で、消費税を含む税と社会保障の一体改革について「避けては通れない重大な課題だ。この時期に政権を預かった歴史的使命を感じて、頑張り抜きたい」と表明しました。
確かに税と社会保障の改革は、日本の現在の財政状況と将来を考えれば政治が取り組まなければならない課題です。しかし、政権運営の最低条件である予算さえまともに執行できない首相に、こんな大改革ができるはずはないと思いますし、まずは予算をきちんと執行して国民生活の安定を確保してから、取り組むべきでしょう。
菅首相の発言から類推すると、菅首相は「首相になった以上、歴史に名を残す仕事をしたい」という一心なのだと思います。そのためなら、ある程度国民生活に支障や混乱が出るのはやむをえないということでしょうか。そうだとすれば、菅首相は国民のためではなく、自分のために首相を続けているということになります。
政権を取り巻く情勢が極めて厳しいのに、菅首相ひとりがここまで強気になっている理由は、いくつか考えられます。第1は、菅首相が予算関連法案やその他の法案が成立しなくても、「それは反対した野党が悪いのであって、自分の責任ではない」と思い込んでいることです。
しかし、法案を成立させるために野党の協力が必要なら、何としても野党を説得して協力を取りつけることは、まさに首相の仕事です。法案が成立しなければ政権を運営できないことになるのですから、それができなかったとなれば、その責任は野党ではなく、首相にあります。
私は予算関連法案が成立せず、国民生活の支障や混乱が現実のものとなれば、野党ではなく、やはり菅首相の政権運営能力が批判されると思います。しかし、菅首相はどうも状況を甘くみているようです。
第2は、民主党内で16人の衆院議員の会派離脱騒動、松木謙公前農水政務官の辞任と、菅政権に造反する動きが相次いでいますが、菅首相や首相周辺が「離党はできないだろうから、大した造反もできない。動きも広がらない」とみていることです。
しかし、私が民主党を取材していると、本音では「菅首相では政権はもたない。早く代えなければいけない」と考えている議員は大勢います。その声は非主流派だけでなく、中間派、さらには菅政権を支えている主流派にもあります。したがって、菅政権への造反や菅首相をおろそうという動きは今後、菅首相や周辺の見通しとは逆に、どんどん出てくると思います。
第3は、菅首相が「いまのところ次の首相になれる人物はいないから、自分がおろされることはないだろう」とみていることです。確かに民主党内でポスト菅候補といっても、それぞれ一長一短があって、いまのところ抜き出た存在はいないのが現状です。
菅政権がこれほど危機的な状況に陥っていても、菅首相をおろす動きが激化していないのは、そのためでしょう。しかし、私は今後、さらに菅政権の危機が強まって、有力なポスト菅候補がいないという消極的な理由を上回れば、状況は一変するとみています。つまり、菅政権ではもはや局面を打開できないから、とにかく菅首相はおろして、次の首相は堂々と民主党代表選をやって決めようじゃないかとなるのではないかと思うのです。
いずれにしても、菅首相は自らが現在置かれた状況や今後の見通しを的確に把握できておらず、何が何でも首相を続けようという意志を固めているわけです。しかし、国民生活を二の次にして、自分自身のために首相を続けようとする姿勢がはっきりすれば、国民は許さないと思います。
世界に目を移すと、チュニジア、エジプトでは長年独裁政治をしてきた大統領が市民の反政府デモで辞任に追い込まれ、リビアでも最高指導者のカダフィ大佐が退陣の危機に直面しています。
それに比べて、日本はどうでしょうか。日本は民主主義国家ですから、首相は独裁者でもなく、首相を代える法的手段、政治的手段はあります。日本の場合は首相を国民が直接選ぶのではなく、国会議員が選ぶ制度になっていますから、菅首相を続けさせるのか、辞めさせるかは、国会議員が責任を負っています。
日本も国家的危機に直面しているのに、国会議員の意識が低すぎるのではないでしょうか。民主党をはじめとする与党議員、そして野党議員は、国家、国民のためにどちらが良いのか、よくよく考えて、行動に移してもらいたいと思います。
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