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菅無能は辞めるべきだ もう一度総選挙で政府を作り直せ
(日刊ゲンダイ2011/2/26):「日々坦々」の資料ブログ
http://ameblo.jp/asuma-ken/entry-10814004652.html
「古い政治にはもどらない」などとエラソーだが支持率わすか17%
民主党内から16人が会派離脱の動きを見せ、政務三役までが辞表を叩きつけた菅政権。地方では「菅首相では統一地方選は戦えない」という悲鳴が上がり、首相のカミさんを使ってビラを作れば、党内からも「いい加減にしてくれ!」と怒号が飛び交う末期症状。
さすがに最近の菅は「元気がなく、しょぼんとしている」(閣僚経験者)らしいが、だったら、辞めるのかというと、いまだに「石にかじりついても……」と頑張る気らしい。
とはいえ、自公、社民党から見捨てられ、予算関連法案を通すメドも立たない脳死政権が一体、どうやって延命するつもりなのか――と思ったら、こんな作戦を企んでいるのである。
「題して、菅首相のアナグマ作戦ですよ。参院で成立の見込みのない子ども手当法案などの予算関連法案は、衆院で採決せず、参院にも送らないつもりなのです。衆院で採決すれば、修正も利かないし、参院に送られ、否決されたら、衆院で3分の2による再可決しない限り、廃案になってしまう。そうなると、今国会中は同じ法案を出せません。そのために法案をたなざらしにして、持久戦に持ち込む作戦です。そうこうするうちに、国民はしびれを切らし、野党に批判の矛先を向けるようになるし、その間に税と社会保障の一体改革の骨格が整う。野党に賛成を迫り、それでも抵抗するようであれば税と社会保障の一体改革を錦の御旗にして、解散して信を問う。こんなガマン比べ作戦を描いているのです」(民主党衆院議員)
◆自分だけ生き残りという菅の作戦
そういえば、税と社会保障の一体改革について、菅は「世紀の大事業」とか力んでいた。
「どうせ、辞めるにしても、この改革に道筋をつけて辞めたい。そのためには民主党が統一地方選や衆院選で負けても、関係ない。そんな心境じゃないですか。もちろん支持率1割台の首相が予算関連法案も通せないまま、消費税増税とセットの社会保障改革案を出したところで民主党は惨敗する。しかし、自民党が勝っても参院はねじれたままだから、政界再編になり、自民党も同じような社会保障改革を持ち出してくる。そんな読みもあるのでしょうね。そうなれば、菅首相は“言いだしっぺ”として自民党政権にも協力する。自分だけ生き残る作戦を考えているのかもしれません」(政治評論家・浅川博忠氏)
いやはや、ブッタまげるような話ではないか。
身内からも総スカンのスッカラ菅が「世紀の大事業」を持ち出すこと自体がマンガなのに、そのための時間稼ぎで、予算や国民生活を「人質」にし、なおかつ、ひとりだけ生き延びようとしているのだ。こんなトチ狂った権力亡者がかつていたか。あきれ果てた亡国首相だ。
◆求心力ゼロの首相が「世紀の大事業」を力むマンガ
菅は最近、周囲に98年の金融国会で自民党が野党案を丸のみしたことや、クリントン米大統領が財政法案をめぐる野党との攻防に勝って、再選への求心力にしたことを盛んに解説している。いずれも少数与党の政権運営の成功例である。
先日の「税と社会保障」の会議では、2度の政権交代を経て、年金改革が可決されたスウェーデンの例を持ち出した。「だから、俺でもできる」と勝手に思い込んでいて、それが“アナグマ持久作戦”の背景なのだが、「フザケンナ」と言いたくなる。支持率17%のレームダック首相のくせに、何が「一体改革」だ。誇大妄想狂と言うしかないし、ヘソが茶を沸かすというものだ。
スッカラ菅が、どんな理想を掲げ何をどう力んだところで、国民はソッポを向く。保身のために付け焼き刃で、思いつきで出してきたプランなのはミエミエではないか。
自分が首相に居座るために、予算関連法案をたなざらしにし、社会保障では与謝野経財相を使い、自公案を丸のみにして、生き延びようという魂胆。小沢元代表はこうした菅について「あいつだけは許さない」と息巻いているらしいが、当然だ。あまりにも国民を愚弄した話である。
◆何の努力もしないで野党を批判する無神経
もはや、与党の矜(きよう)持(じ)も責任感もないスッカラ菅首相は、先日の党首討論で「(自民党が予算の修正を求めるのであれば)私たちが丸のみできるような案をもってこい」などと、ブチ切れていた。この言い草にも周辺は顔を見合わせたものだ。とてもじゃないが、マトモな神経とは思えない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「菅さんは自分が関わっていた金融国会のことばかりを強調しますが、与党として何の努力もしていないくせに、野党が協力するのが当たり前のような言い方はあまりにも虫が良すぎます。小沢さんが自民党幹事長だった時のPKO法案や、自民党が公明党と連立を組む時にどれだけの水面下の工作があったのか。議員だけではなく、政党職員や支援団体にも協力してもらって裏交渉をしたものです。なかでも重要なのは、そうやって、あらゆるチャンネルで交渉を続けながら、党派を超えた信頼関係を築き上げていくことです。菅政権がそうした努力をしたのか。何もしないくせに、『野党が悪い』と責任転嫁しているのはおかしなことです」
辞表を提出した松木前政務官は、「予算を通すことが与党の最大の責任なのに野党に責任転嫁するのはお門違い」と批判したが、これがマトモな感覚というものだ。それなのに「古い政治には戻らない」とか格好をつけて、根回しすら「しない」「できない」菅政権。そんな首相が「税と社会保障」で歴史に名前を残そうなんて、吐き気を催すような悪い冗談なのである。
◆このままでは年金支給も滞る最悪事態も
予算関連法案が通らないくせに菅が辞めずに粘ったらどうなるのか。1カ月、2カ月も政治空白が続き、恐ろしいことになる。元経産官僚で政策研究大学院大学客員教授の石川和男氏はこう言った。
「予算関連法案が通らなければ、国民生活は大変なことになります。赤字国債を発行する特例公債法案が通らなければ、年間予算の半分近くを占める40兆円の資金繰りがショートすることになる。真っ先に影響が出るのは年金です。基礎年金の2分の1は国庫負担ですから、年金が半分しかもらえなくなる恐れも出てきます。外国の格付け会社は、いよいよ日本を信用しなくなり、日本国債の格付けが下がるかもしれない。国債の価格が下がり、金利が上昇すれば、住宅ローンは言うに及ばず、企業の資金繰りにも重大影響が出るのです。いずれにしても、こんなことは前代未聞で未知のことですから、実際にはどんなことが起こるのか、やってみないと分からない怖さもあります」
すでに中東情勢の混乱で原油や鉄鉱石などの資源価格や小麦などの食料価格が高騰している。中東の反政府デモは、お隣の中国にも飛び火し、こちらも日本企業の活動に影響が出始めている。ニュージーランドの大地震では、菅は小沢処分に明け暮れ、救援に出遅れる失態を演じた。ただでさえグローバルな危機にスッカラ菅政権が、時間稼ぎで居座るなんて許されるわけがないのである。
◆民主党A、Bに分党して総選挙で信を問え
もはや、有権者は一分一秒も待っていられないのがホンネだ。予算も通せないような無能首相はただちに辞めるべきだ。民主党は代表選をやり直し、そのうえで総選挙で信を問い、一からやり直すしかない。国民の信を得ていない政権が、「消費税だ」「社会保障」だなんて、冗談じゃない。言うまでもないことだが、こうした一大改革は国民の審判を経た本格政権が一気に進めることなのである。
代表選で菅を選んだ民主党議員は総ザンゲすべきだ。そのうえで、もう分党したほうがいいのではないか。TPPと消費税増税に突き進む菅一派と、愚直に無駄を削り、マニフェスト回帰を訴える小沢一派が分かれればいい。原口前総務相が月刊誌に書いていたように、増税にくみしない「民主党A」と、古い自民党政治の焼き直ししかできない「民主党B」に分かれて、国民の審判を受ければいいのだ。
これ以上の政治の停滞と時間の浪費は、国民生活を破綻に導くことになる。
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