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木語:市川房枝は会派の人=金子秀敏 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20110224ddm003070073000c.html
木語:市川房枝は会派の人=金子秀敏
<moku−go>
市川房枝氏は無所属クラブ、第二院クラブという参議院の会派で活動した。党派には属さなかった。会派の政治家である。その市川氏を政治の師と仰ぐのが菅直人首相だ。
民主党の衆議院議員16人が、所属会派「民主党・無所属クラブ」を離脱して新会派を結成すると宣言した。首相は「まったく理解できない行動だ」とコメントした。理解できないとは摩訶(まか)不思議だ。市川房枝門下なのに。
会派と党派は同じようでも違う。会派は、議長の指揮に従う「議会人」の集団。党派は党の決定に従う「党人」集団である。
ドイツの憲法「基本法」第38条は「独連邦議会の議員は、……全国民の代表者であって、委託及び指図に拘束されることなく、その良心のみに従う」。議員は「全国民の代表者」であるというワイマール憲法第21条の条文を継承している。(グロセール「ドイツ総決算」社会思想社)
ドイツはナチ党の時代に国会から少数政党を追放した。政党が暴走して議会政治を破壊した苦い歴史である。そういうことがまた起こらないように、議員は政党の党員であろうと究極的には「全国民の代表者」という自覚を持った個人であることを求めている。そのような自覚的個人の議員グループが会派である。団体行動を旨とする党派より会派のほうが上等なのだ。
日本の憲法でも国会議員は「全国民の代表」(第43条)だ。国会法と衆議院規則には「会派」の言葉があり、会派を通じて議員の発言権が保障されている。
多くの議員にとって議会人であることと党人であることに矛盾はないだろう。ところが16人の民主党議員は「国民生活が第一」というマニフェストで当選したのに、そのマニフェストを放棄するという菅首相の方針に従わなくてはならないことに矛盾を感じた。理解できる。
党人としては党に従うべきだが、その結果、民主党に投票した有権者をだますことになる。議会人としては自殺行為だ。次の総選挙までは今のマニフェスト実現の立場で行動する。民主党のマニフェストを守るのだから、離党は筋違いだ。だから新会派を結成する。菅首相はなぜこれが理解できないのだろう。
菅首相こそ率先して「民主党・マニフェスト否定派」という新会派を作ったらどうだろう。自民党から民主党への政権交代はマニフェスト選挙で実現した。自分が選挙で掲げたマニフェストを守ろうとする議員と、それを批判する党首。天上の市川房枝氏はどちらを支持するだろうか。(専門編集委員)
毎日新聞 2011年2月24日 東京朝刊
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