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鳩山前首相の「抑止力は方便だった」発言は、マスコミが批判するように「軽い」発言だったのだろうか。筆者はそうは思わない。インタビューの中の片言を捉えて、揚げ足をとるマスコミの報道姿勢が「軽い」のであって、鳩山氏のインタビューでの発言内容は決して軽くはない。さらに言えば、マスコミには鳩山発言を批判する資格はない。社民党福島党首も、怒るべき相手を間違えている。
鳩山前首相が、普天間基地の移転先として、「最低でも県外」「出来れば国外」と叫んだ気持ちに偽りはなかった。そして、国内では徳之島など、海外ではグアム・テニアンなどへの移転の可能性を模索した。だが、当時の岡田外相・北澤防衛相・前原沖縄担当相など、平野官房長官を除く閣僚は、首相の方針に従わなかった。インタビューの中で、協力したのは平野氏だけだったと、鳩山氏ははっきりと述べている。
関係閣僚の協力もなく、辺野古への移転を譲らないアメリカに屈した鳩山前首相が、沖縄県民や国民にどう説明するか悩んだことは容易に想像できる。鳩山氏はインタビューの中で「徳之島も駄目だ、辺野古だとなった時に理屈付けしなければならない。その中で抑止力という言葉を使った」と述べている。鳩山氏は、方針転換に当たり、心にもない「海兵隊は抑止力」との言葉を使わざるを得なかったのである。
1月31日にこのような話が交わされた後、2月8日にインタビューアが、本音ベースで見つからなかったというのではなく、「抑止力」という方便が必要だったのか、と問うた。これに対して、鳩山氏が「それは方便と言われたら申し訳ないが。確かに海兵隊自身の役割からすると、一朝有事の時に危険な場所から米国人を救出するなどの役割で、存在が戦争の抑止、攻撃の抑止というわけではない」と答えたのだ。
インタビューアが聞き出したかったのは、ことの真相。当時その真相を語ることが出来なかったから、抑止力を「方便」として使ったのかと訊いたのだ。誰が考えても、海兵隊は抑止力ではない。だからインタビューした琉球新報は、鳩山発言が照らし出した核心=真相を下記3点だと述べている。だが、菅政権や自民党はこの核心を隠したい。だからマスコミは、鳩山発言を「方便」に矮小化して批判しているのである。
琉球新報は鳩山氏の話の内容を、次のようにまとめている。
(1)沖縄に新たな海兵隊航空基地を押し付ける論拠とした「抑止力」は虚構。
(2)(鳩山前首相は)公約に掲げた「県外移設」実現を目指したが、自らの戦略、指 導力の弱さを突かれ、対米追従を断ち切れない閣僚と官僚の軍門に下った。
(3)沖縄に基地を押し付ける差別的構造は温存されている。
そして新報は、「県外移設」を期待した県民を裏切ったことへの反省と謝罪を基に、鳩山氏は驚くほど赤裸々に証言した。その内容は真実性、迫真性に富む。(中略)沖縄はもう騙されないという意思を強固にした点で、鳩山証言の意義は極めて大きい。海兵隊の抑止力が虚飾に彩られていることを確りと国内外にアピールし、普天間の県外移設を切望する声を一層明確に打ち出す好機到来と位置づけたい、と結んでいる。
この新報の記事を読んで、鳩山発言が「軽い」と言えるのか。処で、去年の5月に沖縄県民は、隷米マスコミに煽られて鳩山前首相を「怒」の声で追い詰めたが、もし、沖縄県民が「鳩山頑張れ」とシュプレヒコールしていれば、事態は変わっただろう。マスコミは鳩山前首相が言う「最低でも県外。出来れば国外」に協力しなかっただけではなく、沖縄県民と鳩山前首相の間に、楔を打ち、溝を掘っていたのだ。
鳩山氏ほど沖縄県民のことを考えた閣僚は居なかった。それが証拠に、連帯責任を負うべき岡田・北澤・前原の3人は、菅内閣で幹事長・防衛相・外相の要職に留まり、辺野古移設を平然と言っている。今、新報のインタビューを通して、鳩山氏の口から菅以下の閣僚とマスコミの隷米的、売国行為の一端が、国民の前に明らかにされた。だから、鳩山発言を「方便」と矮小化して、「軽い」としか報道しないのだ。
最後に何度でも同じことを書くが、マスコミは真実を報道しない。琉球新報のインタビュー内容を正確に報道した後での、鳩山批判ではない。同じことが、16人の会派離脱議員についても言える。新聞各紙は離脱声明の全文を報道しないで、社説で彼らの行動を批判した。マスコミは政治家の言動について批判するなら、真実を伝えてからにしろ。我々国民は、真実を踏まえ自らの頭で考えて、判断する。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=104346
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