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今の我が国の危機的状況は、過去の自民党による官僚社会主義に戻されるという意味で最もひどい状況にあると言っていいだろう。これまでは自民党という官僚の傀儡政権内での政権交代が続けられてきた。それが1年半前の選挙により民主党による政権交代となった。戦後64年を経ての始めての本格的な政権交代が実現したのである。そのために既得権側の政権非難は、実現前からの小沢一郎に対する「政治とカネ」という捏造非難や、政権交代後の辺野古問題、子ども手当に代表される国民支援政策への「ばら撒き」という造語によるマスコミを使った世論操作など枚挙にいとまもないほどの酷さであった。さらに小泉政権から加速された赤字国債の増発による900兆円にもなっていた財政赤字という、一般会計だけの偽の情報を使った操作による新しい政策への巧妙な干渉も続けられている。冷静に考えれば、これほどひどい赤字ならば公務員の縮小や給与などの大幅な減額、既存の重複事業の見直し、等々の大規模な制度の変革が必要なはずであった。現実はどうなのか、予算は何事もないかのように赤字国債が発行されて従来通りに進められようとしている。根本的な議論はなされずに、過去のやり方をなぞるように一般会計だけを見た財政の問題、米国一極主義に立った外交、安全保障政策、等々、うんざりするほど何も変化のない方向に変えられようとしている。
これらの事を変えようとして政権交代を起こそうとしたのが小沢一郎の本当の意図するものであったのだろうが、大多数の国民の意識は違っていたことは間違いないだろう。それは小泉・竹中路線が突っ走った「リバタリアニズム」に基づく米国と同じの利益追及だけに走る国民生活無視の数々の政策への怒りであった。社会保障費は政権交代まで毎年2200億円も削られ続けた結果、国民生活はズタズタにされただけでなく、非正規雇用を解禁したことにより年金制度などの数々の社会保障は制度までおかしくなるほど財源がなくなった。逆に社会保障などの負担も減り、正規雇用を減らした大企業の利益だけが急増し、GDP世界第2位の国にありながら貧富の差は拡大し、過去にないほど貧しい人々が激増したのだ。
小生は、この国のマスコミ、評論家、知識人と言われる人々の正確な分析のなさにあきれている一人であるが、考えれば考えるほど、これらのマスコミや評論家たちの殆どが官僚側の手先に成り果てている結果である事にも驚いた。記者クラブ制度とか、税金による補助金という制度の怖さは、それらが「制度」という国民に見えない形で行われているから余計に怖いものであると気が付いた。さらに検察による証拠の捏造という問題が発覚するに及んで、この国の行政と司法の癒着までもが公にされ、大問題になっているが、時間がたつにつれてこの問題もうやむやにされつつある事にも危機感を感じる。その意味で「制度改革」が必要と言う事で、閣法制度、特別会計、判検交流に代表される三権分立違反などの制度の廃止を訴えてきた。
逆に言うと、問題が出れば出るほど「小沢一郎」という個人に対する官僚側(自民党などを含む)という既得権のある勢力と、それを変えるという政権交代側の争いが、国民に対して問題を明確にしたという皮肉な結果になっている事が見えて笑ってしまったのである。始めは国民生活の圧迫という問題が、本当は既得権を変えたくないという勢力と、それを潰そうという勢力の権力闘争である事が明確になったと言う事なのであろう。問題は、変えようという与党民主党側にその事が分かっていない菅直人やその同調者たちという多数の議員がいる事であった。また小沢一郎側にいると言われている議員たちについても、本当に政権交代の意義が分かっているのかという疑問が出ている事にも注目するべきである。これらの議員たちは何となく今の嵐が過ぎ去るまで静観を決めて、自己の保身だけを考えている節がある。もしそんな考えなら、それは菅直人の変節よりも醜いものだと言わざるを得ない。国民の事を考えない議員なぞに議員の資格は断じてない。
いずれにしろ本当の意味での政権交代とは何であったのかを我々国民も考えなければならないし、当事者である民主党議員たちにも求めるとともに、それに従った行動を求めたい。今ほど民主主義国家になれるのか、なれないのかという危機的状況にある事を本気で認識してもらいたい。これは過去とは本質的に違う意味での「危機」なのだ。
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