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菅首相余命いくばくも無し 民主政権は自民末期より無残
(日刊ゲンダイ2011/2/19):「日々坦々」の資料ブログ
http://ameblo.jp/asuma-ken/entry-10806566825.html
余命いくばくも無し 菅首相
ようやく国民を裏切りつづけた男を葬り去る時がやってきた。16人の民主党議員が「首相退陣」を要求し、決起したことで、もはや菅首相の退陣は避けられない情勢だ。
首相に近い有力議員までが、公明党幹部に「総理のクビを替えてもいい。なんとかならないか」と、首相退陣と引き換えに予算関連法案成立への協力を求めたという。
「民主党内は一気に首相退陣を前提に動き始めています。これまで首相を支持してきた仙谷由人も、派閥の会合で『我々が行動するときには、考え抜いて行動しよう』と“ポスト菅”の擁立に走りだした。もはや、首相を本気で支えようという議員はほとんどいない。閣僚までが菅首相が辞めた後、すぐに解散・総選挙があるとみて、選挙用ポスターの印刷を発注しています。もう、首相退陣に向けた動きは止まらないでしょう」(民主党関係者)
政権にしがみつく菅首相は「総理のクビを替えたら賛成するとかしないとか、そういう政治に戻る気はない」と退陣要求を拒否し、強気を装っているが、悪あがきをしてもムダだ。
民主党議員16人が「本来の民主党の姿とかけ離れたいまの菅政権にはもう黙っていられない」と蜂起したことで、衆院の3分の2で再可決して予算関連法案を成立させるという道は完全に閉ざされた。将棋で言えば、首相は“詰んだ”状態だ。
◆わざわざ内紛引き起こす愚かさ
民主党が国民の期待を集め、政権交代を実現させたのは、ほんの1年半前のことだ。まさか、こんな短期間で党内に修復不能な亀裂が走り、身内から「倒閣」の火の手が上がるなんて、誰が想像したことか。
これでは自民党政権の末期と変わらない。
麻生政権の末期も、国民の支持を失った麻生首相がポストにしがみつき、「麻生降ろし」に走る中川秀直や武部勤などと醜い“内紛”を繰りひろげた。ただでさえ自民党は有権者に嫌われていたのに、国民生活を放置し、内ゲバにうつつを抜かす姿をさらしたことで、完全に国民から見放された。
「国民生活が第一」の公約を破棄し、内紛に明け暮れてきた菅民主党は、あの頃の自民党とまったく同じだ。いや、自民党の末期よりヒドい。
「党内に亀裂が走り、首相退陣を求める声が上がっているのは麻生政権と同じですが、麻生政権と菅政権では決定的な違いがあります。菅首相の場合は、自分から内紛を仕掛けたということです。小沢一郎は、一貫して『挙党態勢が大事だ』と党内融和を訴えていたのに、菅首相は『証人喚問だ』『離党勧告だ』『除名だ』と、わざわざ小沢一郎にケンカを売って、党内を分裂させた。政権トップは、頭を下げてでも党内をまとめ、協力を求めるのが当たり前なのに、平地に乱を起こすなんて正気じゃない。しかも、肝心の政策はそっちのけです。その結果、党内16人の決起を招き、自分で自分のクビを絞めているのだから、話になりません」(政治評論家・本澤二郎氏)
どうせ大新聞テレビの政治部記者あたりに「小沢を切れば支持率が上がりますよ」とたきつけられたのだろうが、バカなことをしたものだ。自業自得というしかない。
◆なぜ小沢一郎の経験と知恵を借りなかったのか
民主党政権は、国民の圧倒的な支持で誕生したが、もう終わりだ。期待が高かっただけに、ここまで期待を裏切ったら、二度と国民の支持を取り戻すことはムリだろう。いま解散すれば100議席にも届かないのではないか。
それもこれも、スッカラ菅首相や仙谷代表代行が、権力を握るために小沢元代表を排除したからだ。小沢一郎という大黒柱を失ったら、民主党という“発展途上政党”が機能しなくなることは、最初から分かっていたことだ。未熟な菅首相や仙谷代表代行では、政権を担えないことはハッキリしていた。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「民主党のなかで、政権の動かし方、官僚の使い方、野党対策、外交、選挙のやり方……など、政権政党として必要なことを熟知しているのは、小沢一郎しかいない。民主党が国民の期待に応え、政権を維持するためには、小沢一郎の経験と知恵が必要なことは明らかでした。小沢さんは『挙党態勢が必要だ』『菅さんにはいつでも協力する』と訴えていたのだから、菅首相も仙谷代表代行も、知恵を借りればよかったのです。なのに、小沢一郎を排除したために、内政も外交も機能せず、右往左往しているのだから最悪です。なにより、小沢一郎は『国民生活が第一』という民主党の理念を体現する政治家です。その小沢一郎を否定したら、政党としての軸を失い、迷走するのは当たり前です」
小沢一郎を排除すれば、民主党は溶けてしまうと懸念されていたが、いよいよ現実となってきた。
◆総辞職も解散もしない菅首相
この先、政局はどう進んでいくのか。
政権復帰の絶好のチャンスがやってきた自民党は、ここが勝負どころだとみて「不信任案」と「問責決議案」を突きつけるつもりだ。民主党内も「ポスト菅」の動きが加速するのは間違いない。
追い詰められた菅首相は総辞職するのか。それとも、破れかぶれで解散に打って出るのか。政治評論家の有馬晴海氏はこうみる。
「常識で考えれば、予算関連法案の成立と引き換えに菅首相が総辞職するのがスタンダードな見方です。首相に近い有力議員が公明党幹部に、首相のクビと引き換えに協力を要請したのもその発想でしょう。その一方で民主党内では、政権にしがみつく首相が、イチかバチか解散に踏み切るという見方が強まっています。しかし、菅首相は“総辞職”も“解散”もしない可能性がある。たとえ予算関連法案が成立しなくても、国会会期末の6月まで居座りつづけるシナリオです。一見、常識外ですが、小心者のくせに権力欲が強い首相は、このシナリオを選択する可能性が高い。自分の責任を棚に上げて『予算関連法案が成立しないと国民生活に影響が出る』『野党はどう責任を取るのか』とチキンレースに持ち込み、公明党の譲歩を引き出そうとする作戦です。しかし、このシナリオだと国民生活は大混乱に陥ります」
「脱官僚」「政治主導」「国民生活が第一」という理念を捨てたら、民主党は民主党でなくなり、政権が崩壊することは分かっていたはずだ。なのに、なぜ民主党議員は参院選で惨敗し、国民からノーを突きつけられた男を再び代表に担いでしまったのか。
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