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仲間だけで固めた政権は強いようで実は大変脆い。なぜなら反対の立場の意見が耳に届きにくく、周りで囁かれるのはイエス・マンの選別された意見だけになるからだ。そのため事態への即応力に欠け、似たような意見を聴いているうちに根拠のない安心をしてしまうのだ。
その格好の例が「ネジレ国会」に対する不感症だ。去年の七月参議院選挙結果が判明した時からネジレたのは分かっていた。それからどれほど時間が経過したというのだろうか。その間、菅政権はネジレのままなら国会運営に行き詰まるのは承知していたはずだ。事ここに到ってはネジレ解消のハードルは高くなり、野党はおいそれと乗ってこないだろう。しかも党内から16人の反乱も起こった。
予算関連法案が通るのは絶望的だが、官邸では「ひょっとすると成立するかも知れない」との根拠なき楽観論すらあるそうだ。昨夜も政権運営幹部が官邸に集まったそうだが、片翼政権の幹部が集まっても意見は片翼のままだ。挙党一致体制を敷いていればそれなりに政権はゴタゴタし続けるかもしれないが、首相が国家と国民のために働いている限りは支えるだろう。
菅氏は民主党支持者を裏切った。2009マニフェストを襤褸雑巾のように放擲して、増税・高負担路線へ転換してしまった。大きな政府は官僚による官僚のための政府の実現だ。足らないお金は国民から搾り取れば良い、政府事業はどれも必要で制度事業の体系を変える必要もない、というのなら国民はタダ漏れのバケツで水を汲むようなものだ。
時事ネタのテレビ番組を視れば、出て来るコメンテータは既得権益擁護応援団ばかりだ。かといって元新聞記者や元テレビ局アナウンサーが大手マスコミを批判するのは至難の業だろう。それは大手マスコミに遠慮しているからではない、知らないうちに垢のように大手マスコミ的体質が身に備わっているからだ。だから彼らをコメンテータに使うのはフェアではない。同じようにヤメ検を小沢氏に関する捏造事件でコメントを発言させるのも適当でないのは論を俟たない。
かつて讀賣新聞社のしかるべき立場にある人と話したことがある。その時は日本の高コスト体質が話題になっていたが、たとえば運輸コストに関して米国から日本へ家具を輸入した場合、太平洋横断運輸費よりも国内の輸送コストの方が数倍もするのはおかしいではないか、と指摘したところ、読売新聞社員は「高コストによって日本国民は暮らしている」と言ってのけたものだ。
つまり既得権益のすべてを是認して、それを擁護しているに過ぎない。そんなジャーナリストなら現在の国の仕組みを変えようとする問題意識が希薄でも仕方ないだろう。
だから大幅に官僚による政治から国民の代表たる政治家による政治へ転換すべく小沢氏が「国民の生活が第一」の旗を掲げれば、寄って集ってその旗を引き摺り下ろし破ってしまうのも大手マスコミの体質として当然なのかと理解するしかない。しかしそれならこの国の情報を独占している悪しき寡占体制を解体するしかないだろう。
菅政権も悪しき寡占体制だ。小沢派を排除した(申し訳程度に数人入れているが)片翼体制は政権として致命的だ。似た者が官邸に集まって協議しても気心の知れた者による愚痴のこぼし合いと、根拠のない強気しか存在しない。報道によると菅氏は読売新聞の主筆とも会ったそうだ。いよいよ断末魔を迎えて、菅氏も大手マスコミの盟主に「約束が違う」と文句を言ったのか、それとも「何とかしてくれ」と泣きついたのか。
出発した時点から菅氏はおかしかった。突如として消費税10%を打ち上げたり、国民目線とは明らかに違う、官僚目線の政策へ舵を切っていた。彼こそが民主党の名に値しない政治家なのだ。ここまでくれば官主党たる自民党へ移って十数年前の新党さきがけ・社会党の裏切りを再現するしかないのだろうか。それとも潔く退陣するのか、いや、彼に最も欠落しているのが「潔さ」だろう。
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