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2011年2月19日3時4分 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0219/TKY201102180596.html
1990年代末に外務省から国立国会図書館に出向していた職員が、国会議員から頼まれた調べ物のテーマをひそかに一覧表にまとめ、外務省に伝えていたことが、18日に公開された外交文書でわかった。国会議員がどんな問題に関心を持っているかを把握するためと見られる。
国会図書館は国会の付属機関。議員の調査活動を補助する部門は、不偏不党と秘密厳守が厳しく求められている。図書館側は「あってはならないことだ」(総務課)として、組織的関与の有無などの調査を外務省に求めた。
今回明らかになった文書は、98年1月7日付の「国会議員等からのレファレンス状況報告について」。「秘 無期限」の扱いになっていた。
表書きには「議員の関心事項を知る上で有益と考えられますので、参考までに供覧します」「取り扱いについては、十分御注意願います」と書かれており、外務省官房総務課から省内の関係部署に回覧された記録が残っている。
付属の一覧表には97年12月19日から25日までの間に国会議員や政党などから寄せられた計17件の調査依頼について、日付と具体的な内容が記されていた。当時国会図書館に専門調査員として出向していた外務官僚がまとめたとみられる。専門調査員のポストには現在、中央省庁から2人が出向しているが、外務省からの出向はないという。
国会図書館の山田敏之総務副部長は「信用にかかわる問題だ。部外者に知らせたということは厳重に受け止めている」と語った。外務省官房総務課の担当者は「適切とは言えない。今はやっていない」と話している。
共産党の緒方靖夫・元参院議員は当時、論文執筆のために国会図書館に調査を依頼していたという。朝日新聞の取材に「けしからん話だ。国会議員の国政調査権を侵す行為で、国会図書館は外務省に厳しく抗議してもらいたい。出向先で仕入れた情報を通報するのは許されない。大変驚き、あきれている」と語った。
(金子桂一、土佐茂生)
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