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菅ぶち切れ解散だ! 小沢潰しへ“討ち死に”覚悟
2011.02.18 :夕刊フジ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110218/plt1102181556001-n1.htm
支持率が退陣水域に入ってもどこ吹く風だった菅直人首相(64)だが、今度こそ本当の窮地だ。民主党の小沢一郎元代表(68)に近い衆院比例単独議員16人が会派離脱を表明したことで、2011年度予算関連法案の成立は絶望的。タイミングを合わせるように、原口一博前総務相(51)は「倒閣」を宣言した。こうした中、菅首相が「小沢壊滅」のためのぶち切れ解散に打って出るとの見方が急浮上している。
「まったく理解できない行動だ」
菅首相は17日夜、「小沢親衛隊」ともいえる議員16人の会派離脱表明について、記者団に何度もこう繰り返した。いらだちと不愉快さが表情ににじみ出ていたが、戦闘意欲は衰えていなかった。
同日午後、菅首相は官邸に、仙谷由人代表代行や江田五月法相を呼び込んだ。今後の対応を相談したものとみられる。
衆参ねじれの中、菅首相周辺は、強制起訴された小沢氏に厳然とした処分を下すことで内閣支持率を上げ、社民党の協力を得て「衆院3分の2」を確保、予算関連法案を成立させる戦略を立てていた。
ところが、鳩山由紀夫前首相による「米海兵隊抑止力は方便だった」という大失言もあり、社民党はソッポを向く。その直後のタイミングで、小沢親衛隊16人に「衆院3分の2」の希望を断ち切られたのだ。
菅首相に残された道は、「退陣」か「解散」か「政権居座り」の3つしかない。内閣支持率が20%以下の「退陣水域」にある中で、政権を失う可能性がある「解散」の選択肢は取りにくいのが普通だが、菅首相の特異な性格から、官邸周辺は「解散になるのではないか」と身構えている。
小沢氏も1回生議員らとの会合で、「菅首相は『やぶれかぶれ解散』をするのではないか」と語り、選挙準備を急ぐようハッパをかけている。永田町事情通はこの背景を次のように語る。
「菅首相と小沢氏は昨年12月20日と2月10日、直接会談している。菅首相が小沢氏に自発的離党を迫り、小沢氏が『このまま活動する』と拒否したと伝えられているが、この会合で菅首相は『じゃあ、解散して決着を付けようか!』とすごんだという。負け必至の衆院選は常識では考えられないが、菅首相は『小沢潰し』の執念がすごい。小沢氏は子飼いの新人・若手議員が大量落選する可能性が高いため、押し黙ってしまったらしい」
今年1月の施政方針演説で、菅首相は、自らの国づくりの理念の1つに「不条理をただす政治」を掲げ、「政治改革への不断の努力」「政治資金の一層の透明化」を訴えた。
この背景は昨年11月、2009年分の政治資金収支報告書が公表されたことにさかのぼる。報告書には、小沢氏が09年の衆院選で、資金管理団体を通じて、自分に近い公認候補ら91人に計4億4900万円もの“軍資金”を配っていたことが書かれていた。
これを知った菅首相は周囲に、「カネ集めで主導権を握る政治手法は終わりにしなければならない」「(私は)ルビコン川を渡った」と語り、小沢氏への戦闘意欲をあらわにしたという。
追い込まれた菅首相を精神的に支えるのは伸子夫人。昨年9月の代表選でも、「小沢さんに付いてはいけない」「ここは格好よく討ち死にしなさい」とハッパをかけたとされるが、現在も気分の上がり下がりが大きい首相を励ましているとみられる。
山口県出身の菅首相は、郷土の英雄・高杉晋作に心酔しており、昨年6月に組閣した際、「奇兵隊内閣」と名付けた。最後の最後に奇兵隊ばりのゲリラ戦法−「解散」が飛び出すのか。
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