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民主党が小沢一郎元代表の「党員資格停止」処分を決定した。小沢氏をめぐる民主党の動きについて、ある種の現象として観察してみると、興味深いことに気づく。
念のため、この民主党における「小沢一郎処分問題」の経緯を、簡単に振り返っておこう。昨年1月、資金管理団体「陸山会」の土地取引事件にからむ政治資金規正法違反の罪で東京地検特捜部が事務所などを強制捜査。元秘書の3人が逮捕されたものの、同2月には小沢氏は不起訴処分に。ところが、同4月には検察審査会の議決をうけて、小沢氏は強制起訴される。
その後は、民主党内がまっぷたつに割れ、菅首相をはじめとする「小沢おろし」派と小沢氏に近い議員らによる論戦が、現在まで続いている。いまは「小沢おろし」派が優勢、といったところか。そんな論戦と平行して、マニュフェストが実行されないことや予算成立が難航していることから、民主党の支持率は急落。そして、「党員資格停止」処分である。
日々、マスコミで報じられるこの「小沢現象」を観察していて感じることがある。それは、小沢氏の処遇がどうこうというより、組織における排除の論理を目の当たりにしているような感覚だ。もはや小沢氏の罪がどうこうというのは二の次であり、民主党を存続させることのみのために、小沢排除の儀式がおこなわれているように思える。
フランスのルネ・ジラールという文明批評家は、『身代わりの山羊』(法政大学出版局)という本のなかで、内部の差異が消失して危機に陥った社会の特徴を、こう説明する。無実の人間を身代わりの山羊に仕立て、その人間に全員で暴力を加える。そうすることにより、社会に対する不平や不満もその山羊に集中し、社会の秩序は回復する……。
まだ有罪かどうかわからない小沢氏を「山羊」という言葉に、民主党という言葉を「社会」に入れ替えてみると、民主党がジラールのいう排除の理論を実行しようとしているように見える。身近なところでは学校や会社でのいじめ、国際レベルではアメリカの対外政策などに見られるのが、この排除の論理である。
残念ながら社会や組織には、必然的な現象なのかもしれない。ただし、現象が起きないよう、未然に防ぐことは可能だ。そのためには、ある社会や組織に排除の論理が駆動すると、どうなるのかを知っておく必要がある。小沢排除により民主党がどうなっていくのか。私たちはその経緯を注意深く見守っていく必要がある。
(谷川 茂)
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