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小沢系「離脱願」 問われる菅首相の統治能力(2月18日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110218-OYT1T00093.htm
小沢一郎元代表の処分問題を機に、民主党の内紛が顕在化してきた。
小沢氏に近い衆院議員16人が、民主党の衆院会派からの離脱願を岡田幹事長に提出した。
いずれも比例選出の当選1、2回議員で、「民主党政権交代に責任を持つ会」という新会派を結成する、としている。
小沢氏の党員資格停止処分をめざす岡田氏ら執行部を牽制(けんせい)しようとしているのだろう。
だが、執行部が受理しない限り実現不可能な会派離脱を一方的に表明するのは、姑息(こそく)な印象がぬぐえない。いっそ集団離党する方がすっきりするのではないか。
記者会見した渡辺浩一郎衆院議員らは、「無原則に政策の修正を繰り返す菅政権に正当性はない」などと、事実上の倒閣運動とも言えるような激しい政権批判を繰り返した。
来年度予算関連法案の採決での造反の可能性にも言及した。16人が造反すれば、関連法案が参院で否決された際、衆院で再可決するのに必要な3分の2の議席確保が絶望的になる。
渡辺氏らは、小沢氏の処分問題は無関係と言うが、この時期に造反を示唆したことを見ても、関連なしとは言えまい。
岡田氏ら執行部が、ここで小沢系議員の揺さぶりに屈するようでは、民主党の統治能力のなさを露呈させるだけだろう。
渡辺氏らは、菅政権が前向きな姿勢を示している衆院選政権公約(マニフェスト)の見直しや消費税率引き上げについて、「国民との約束を捨てた」などと強く非難している。
民主党の内紛は今後、政権公約をめぐる路線対立の様相を深めることが予想される。
しかし、予算の無駄を洗い出せば、子ども手当などに必要な財源を簡単に捻出できるとした政権公約が破綻しているのは、誰の目にも明らかだ。
毎年1兆円ずつ増える社会保障費を賄いつつ、危機的な財政を立て直すには、消費税率の引き上げしかないことも明白である。
にもかかわらず、小沢系議員が「マニフェストを守れ」などと教条的に振りかざすのは、与党議員として無責任過ぎよう。
菅政権は、政権公約を大胆に修正すべきだ。財源を含む社会保障と税の一体改革の具体案作りも急ぐ必要がある。
それこそ、小沢系議員が掲げる「国民の生活が第一」にふさわしい姿勢である。
(2011年2月18日01時20分 読売新聞)
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