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民主党国会議員16名、会派離脱宣言の意味。 民主党衆議院議員で比例単独当選一回生が民主党会派の無所属クラブ離脱を宣言した。理由は、選挙時のマニフェストを実現する動きが出てこないからだとしている。 今回の会派離脱宣言にはいくつもの狙いがあると思う。 1.菅直人政権の打倒を必ずしも目指してはいないと言うメッセージ。 2.岡田克也の退任を暗に迫っていること。 3.今国会議員が本来向き合うべき課題は小沢一郎氏の処分ではないこと。 4.現在の民主党の行き詰まりの原因を明らかにして、自分たちの再選をより確実にすること。 5.予算関連法案への反対の可能性を表明しても執行部が処分できないことを見越して、反対の可能性を表明し、執行部の弱体化を狙っている。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<350>>
マスコミでの解説は小沢一郎氏の裏での動きがあるとしているが、自分はあくまで総選挙を意識した動きだと考える。菅直人政権に対する支持率だけでなく、民主党への支持率そのものがどんどん下落しているからだ。民主党支持率は11.9%で、12%を割り込み、自民党支持率よりも3%も低い。この数値を見て危機感を抱かない議員はいないだろう。
予算審議で反対をするとは明言をしていない。あくまで総選挙でのマニフェストを守ってほしいと言うメッセージだ。具体的には公務員人件費の削減だろう。今のまま財政改善が進まなければ、今年末から来年には財政破綻が表面化する。税制改定がどうしても必要だが、消費税増税だけでは世論の納得は得られないだろうし、現実に財政が改善しない。多分、10兆円から数十兆円程度までは海外で買いが入る可能性が高いが、これは、より本格的な税制改定、つまり公務員を含んだ全人口に対する重税か、または、徹底的な公務員待遇の切り下げ圧力となって行くしかない。つまり、高金利での発行はそのまま金利負担の増加になり、財政状況を悪化させるだけだし、国内金融機関にとっては逆ザヤの発生につながるからだ。みんなの党を除いた野党の多くも公務員給与切り下げをあまり言い出していないが、公務員待遇の大幅切り下げか、または、高額所得者へのかなりの課税強化しか、今の財政悪化を切り抜ける道はない。もっとも全体的にいい結果に結びつくのはこの両方をやることだ。
今回会派離脱を表明した議員は衆議院比例単独での当選一・二回生だ。ただ、比例単独で当選した民主党議員は44名いて、その内三回以上当選は5名いる。つまり、今回行動した議員と同じ立場の議員は39名いることになる。当然、民主党無所属クラブという会派に属する議員ばかりではないだろう。ところが、今回の16名は全員無所属クラブ所属の議員だ。そして、無所属クラブの代表者は岡田克也だ。岡田克也の承認がないと会派離脱ができない。つまり、今回の動きは、今の民主党の行き詰まりの原因は岡田克也であると世間に明かす狙いがある。
岡田克也は小沢氏処分が国民の声だと言っているが、実態は全く異なる。国民の関心はあくまで自分の生活だ。小沢氏問題はマスコミと検察、そして一部国会議員が作ってきたものだ。小沢一郎氏の問題を使って本来の課題から目を背けるのをやめようと言うメッセージを送っている。
議員としてはごく当然の行動だが、現在のような民主党支持率では再選が危うい。選挙での市民への約束、つまりマニフェストを自分たちは守ると言うメッセージを発することで現在の党執行部への決別を宣言し、自分たちへの支持率回復を狙っている。同時に、岡田克也の下では選挙を戦えないと言う意見を明白に表明したことになる。同様に考えている議員は多くいるだろうし、小選挙区選出議員の多くは地元で現状の民主党への不満を聞かされているから、実際に行動に移していない議員の内心に訴える力は大きいはずだ。
現在の民主党の政策は明らかに小泉純一郎政権の政策に似てしまっていて、「国民の生活が第一」というスローガンとはかけ離れつつある。だから、採決で反対をしても、選挙で自らの行動の理由を選挙民へ説明することが出来る。納得も得やすいだろう。特に政治にある程度関心のある後援会関係者には充分に賛成をしてもらえる。民主党執行部は処分をすることが出来ない。なぜなら、党内のもめ事を執行部自体が作り出すことになってしまうからだ。これも、今の民主党の政策が新自由主義に近いものになっているからだ。執行部は今回の動きを黙認するしかなく、結果的に執行部の弱腰を印象付け、他の議員が彼らに同調することを促している。離党しないことを明言することで、政権与党の座を降りることはないと同僚議員に安心感を与えることに成功している。結果的に、今の執行部の無理筋な政権運営が印象付けられることになる。
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