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菅政権、終末へカウントダウン 首相周辺「これで終わっちゃうのか…」
2011.2.15 22:37 :産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110215/plc11021522390026-n1.htm
菅直人首相は、民主党の小沢一郎元代表処分という政権浮揚の「最後のカード」を切ってしまい、完全な手詰まりに陥った。小沢氏に対する「党員資格停止」という一番軽い処分は「甘すぎる」と野党を勢いづけて不発。社会保障と税の一体改革も平成23年度予算案の円満成立も展望が立たず、民主党内の対立も激化するばかり。頼みの国民からはそっぽを向かれて内閣支持率は低落している。首相官邸内からも黄昏(たそがれ)を迎えた政権の前途を悲観する声が漏れだした。(阿比留瑠比)
「これで菅政権が終わっちゃうのか、という感じだ…。十数年前の菅さんは輝いていたんだが」
首相周辺はこう率直に語る。報道各社の直近の世論調査で、内閣支持率が産経新聞20・7%(前月比7・6ポイント下落)、NHK21%(同8ポイント)、共同通信19・9%(同12・3ポイント)と軒並み過去最低を記録しているからだ。支持率は、鳩山由紀夫前首相が退陣する直前の数字とほぼ一致する。
もともと小沢氏のように党内に手足となる勢力を持たない首相にとって、国民の強い支持は政権運営上、不可欠だった。支持率が低迷すれば、党内もまとまらず、野党の姿勢もより強硬となるのは必然だった。
「小沢氏の党員資格停止は民主党としての一つのけじめだ。いろいろと言われることではない」
首相は15日の衆院本会議でこう強弁し、処分が不徹底だとする自民党の坂本哲志氏の質問を一蹴した。1月4日の記者会見では「(小沢氏は)裁判に専念されるなら、そうされるべきだ」と述べ、小沢氏に離党や議員辞職を促していたが、これもお得意の「大風呂敷」だったようだ。
首相はその後、実際の対応は岡田克也幹事長にほぼ「丸投げ」し、指導力を見せる場面はなかった。10日には小沢氏と会談して自発的離党を「ぼそぼそと」(小沢氏)求めたが、拒否されると、予算関連法案再可決に必要な衆院3分の2議席の人数が不足することを恐れて腰砕けとなった。
小沢氏の秘書ら3人が、小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反で起訴されたのは昨年2月、小沢氏自身の強制起訴が決まったのが昨年9月のことだ。いたずらに時間をかけておいてこの結果では、国民が評価するわけがない。
公明党を味方につけずに小沢グループを追い詰めると、法案再可決が難しくなることは最初から分かっていたはずだ。今になって「数合わせ」のために、慌てて軽い処分で取り繕う首相の姿からは、先見性も判断力もうかがえない。
「運転席に座っている人(首相)が、どっちにハンドルを切っていいのか分からない。どのテーマで暗礁に乗り上げるというよりも、すべてのテーマに対応力を失ってきている」
これは平成20年8月、民主党代表代行だった菅首相が政権末期の福田康夫首相(当時)に投げつけた言葉だ。因果はめぐり、菅政権の「終わり」に向けたカウントダウンの音が聞こえてきた。
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