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日本が長く停滞している原因は何かと聞かれて、それを誰も納得のいく説明をしていないように思える。その原因は、社会に重くのしかかっている沈滞した制度ではないのだろうか。ちょうど中国の歴史の中で、儒教という原理により国を納める事により、国家が清朝まで長い沈滞が続いた事が重なって見える。もちろん彼の国の2千年という長い期間に比べれば、我が国の沈滞と言われているものはたかだか2〜30年にすぎないが。
しかしながら制度としては、官僚制度として身分を問わずに「科挙」という試験を受かるだけで皇帝の官吏となり、国土の全土に絶大な権力を持って存在する事が出来た事は、今の我が国の国家公務員制度に酷似している。一旦、I種試験に合格すれば、それだけの資格により他のII種などと比較して自動的に有利な昇格が行われているような制度であり、身分保障が非常に特殊になっている。これは事務次官のようなトップになれずとも、特殊法人などの天下りや、それを転々とする事で得られる退職金などによる生涯給与が莫大になっている事にも見られる。これが上から下まで、大なり小なり同じ形で続けられている事に大きな問題が存在するのであるが、不幸な事に議論そのものが封殺されているのである。
上記の問題の根源は、何度も投稿しているように、「民主主義」と「法治国家」というものを悪用して、見えない形で運用しているからに他ならない。法律を自分たちの都合の良い形で作る事を可能にしている、議院内閣制に従った「閣法制度」を最大限利用し、国家のあらゆる部分を自分たちの権力下に置いている。司法制度も骨抜きであり、行政府である検察機構の権限を強化し、国民の代表である国会議員や一般国民は検察官の恣意的な運用を許す「起訴便宜主義」というやり方で自分たちに都合の悪い者たちを裁判所に送り込む。裁判官と検察官は「判検交流」という人事制度により癒着し、さらには裁判官の天下り先までが検察のお膳立てで行う事による抱き込みによって司法までもをコントロールする事で権力が完全に行政府である官僚側に一元的に集約させられた状態になっている。
従って、国家の運営は見えざる中央集権という形になっており、国民の自由な経済活動や、本来あるべき地方自治も何もすすめられず、一旦は成功したかに見えた経済が落ち込んでも何も回復できない。予算の配分までもが官僚の運用でなされているため、省庁間の配分比率が長期間にわたりほとんど同じという事実だけを見てもこれが分かる。これでは停滞すると言う事が当たり前であろう。世界は大きく動いているのに、国内の制度も予算の配分も時代にあっていないのだから実質的に変わりようがない。
以上の理由が本当の我が国の停滞の理由だと考えるのだ。その意味で、これまで何度となく同じ趣旨の投稿を繰り返している。打開するためには「官僚社会主義」を根底から壊し、本当の意味の「民主国家」に変える以外にない。今存在している「官僚制度」そのものを変えるとともに、権力の源泉になっている三権分立の分断は急務なのだ。これは政権交代したから変えられるものではない。我々国民が政治家に対して要求し、政治家が制度を変えるしか方法がないのだ。官僚によるマスコミを使った国民への不当な世論操作に惑わされる事なく、「本質」を変えるために我々は声を上げなければならない。
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