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ムバラク・エジプト大統領は、退陣を求める市民の声に抗しきれなかった。エジプトの事態が、今後どうなるかは分からないが、日本の新聞は外国の出来事であるから、事実を淡々と報道している。だから、アメリカCIAの活動などが報道されて、面白いことがいろいろと分かる。オバマ・アメリカ大統領がムバラク大統領に速やかな退陣を求めたとのニュースが流れてから、事態が微妙に変わったと思うのだが・・。
ムバラク大統領が30年前に政権を手にした時、アメリカの後押しを受けた。そしてリビアなど反米勢力の強いアラブ世界の中で、数少ない親米政権としてイスラエルと国交を持ち、中東の平和維持に貢献した。その過去30年間に、アメリカが経済的にエジプトを支援したとしても、どうしてオバマ大統領が、エジプト憲法に従って国民から選ばれたムバラク大統領に「辞めろ」と言えるのだろうか。不思議な話である。
オバマ大統領は、エジプトの民主化とエジプト国民の人権を守る大義のために、ムバラク大統領に退陣を求めたのではない。ムバラク後に、反米・反イスラエル政権が成立するのを怖れたのである。そこで親米派の誰かと早く「代われ」と云う、アメリカの国益を考えて発言したのだ。アメリカが、自国の国益を考えて外交を進めるのは当然であり、外交とは本来そう云うものなのだろう。だが、おかしな話だろう。
相手は5千年の歴史を持つ誇り高いエジプト人。オバマ大統領の発言に反発して当然である。ムバラク大統領は外国に言われて辞めたくないと述べた。その為かオバマ大統領の発言も、その後「われわれは歴史を目撃している」とトーンダウンしている。日本のマスコミはオバマ発言やCIA情報、そしてエジプト市民や軍の動きを報道しているが、少し見方を変えると日米関係を映し出しているようなものである。
多くの日本人は、エジプトという日本から遠く離れた国の出来事だとしか思っていないだろう。だが、見方を少しだけ変えてみよう。「最低でも県外。出きれば国外」と言い、日米対等外交を謳った鳩山前首相は、アメリカ側から見たら明らかに反米的発言である。そして、親米ムバラク体制打倒を叫ぶエジプト国民は、沖縄にこれ以上の基地は要らないと云う県民集会に集まった人々に重なって見えたはずだ。
日本国民にも、アメリカは国益のためなら、大統領が内政干渉的な発言をする国だと言うことが、分かっただろう。日本人の多くはマスコミの報道しか信じないが、このオバマ発言から、アメリカが日本政府に対しても、同様に内政干渉的な発言をしていることくらいは容易に想像できるはずだ。本来なら、日本外交も国益を第一に考え、そのようなアメリカに対応した戦略を練るべきなのである。
だが、先日小沢氏がBS11で「これまで、日本の政治家、外務省や防衛省の官僚はアメリカの意向どおりに動いていれば、何も考えることもなく、楽だと考えている」と述べたように、日本には、アメリカの言いなりになる政治家や官僚ばかりなのだ。鳩山前首相が「海兵隊は抑止力」と言って退陣せざるを得なくなったのも、そのような対米隷属の岡田前外相と外務官僚に引きずり降ろされたと云うことである。
日本対アメリカだけでは、なかなか見えないものが、エジプトという国を通すと見えて来る。2年前の今頃、日本には政権交代を望む気運が高まってきた。アメリカにとってそれはムバラク打倒運動の市民運動に近いものだったのだろう。エジプトではCIAが情報活動したことが報道されている。北朝鮮のスパイがいる日本。CIAが日本で、野党民主党幹部に係る情報蒐集活動を行ったことは、容易に察しがつく。
また、アメリカが親米政権を支援したとしても不思議ではない。日米対等外交を言う小沢民主党代表を排除することが検討されなかったとは、誰も断言できないだろう。そして3月3日に西松献金事件が起きた。けれども日本国民は政権交代を果たした。その後の鳩山政権の迷走は、何も鳩山氏だけの責任ではない。そして今、菅首相がアメリカに媚を売るのも、わが身大事から来た行為だと見れば分かり易いだろう。
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=104007
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