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http://jp.wsj.com/World/Europe/node_181344
「革命」や「蜂起」と呼ぶのはたやすい。しかし、エジプトの人々が求めているのは、ムバラク大統領政権を倒すだけでなく、女性の行動範囲を拡大する、言論の自由など、実に多くの権利の向上や改善が含まれている。
「もしかしたら、私たちは、自由、正義、名誉、人間としての尊厳を持つことができるのかもしれない」
エジプト人女性政治活動家アスマ・マーフーズさん(26)のフェイスブックのビデオはこう始まる。私たちのように民主主義社会に生まれ、生活していると、正義や人間としての尊厳が何たるか、漠然としか考えたことがないが、彼女には恐らくそれが何か、明確な定義がある。
彼女は、デモの引き金となった「4月6日運動」(若者が中心の草の根グループ)の創立メンバーの一人。これまでも、フェイスブックで自分のメッセージを発してきたが、自分の顔を映したビデオを出すのは、さすがに不安だったという。
エジプトでは、女性では男性の家族に服従し、目立った行為をしないように育てられるという。ビデオを出すことで、家族が危険にさらされる可能性もある。
しかし、マーフーズさんは、4人のエジプト人が家族を養えない貧困と屈辱の中で焼身自殺を図ったのを見て、「今は躊躇(ちゅうちょ)するべきときではない」と思い、1月25日の大規模デモにタハリール広場に行こうと若者に呼び掛けるビデオを作成した。
「私は自分独りでもプラカードを持って広場に行きます。家にいてフェイスブックで情報を待っているのは罪です。広場に行って変化を起こしましょう」
実は、エジプトでデモが始まった初期、報道写真やテレビ映像に、女性がほとんど映っていないのが気になっていた。写真が多いニューヨーク・タイムズも2月3日朝刊まで、ほとんど女性が映ったデモの写真がない。1月31日、ニューヨークのエジプト国連代表部前で開かれた在米エジプト人のデモの女性参加者に、真相を聞いた。
ハンナと名乗る子供二人連れの女性は、周囲の様子を気にしながらこう話した。
「エジプトで、女性がデモに行って、プラカードを持ったりするのは難しいと思います。父親や夫や男兄弟の言うことに従わないといけないので、一般的にはデモに行くことは許されないでしょう。でも、今は少しずつデモに参加する女性は増えています」
また、エジプト系アメリカ人の政治活動家ムスタファ・オマール氏もこう語った。「男性が多い場所に女性が行くと、セクハラがつきまとう。言葉による侮辱もあるし、交通機関では触られたりすることは当たり前」
マーフーズさんのビデオがいかに勇気あるもので、政治体制だけでなく、人権に及ぶ変革を起こそうという意気込みのものだったことが分かる。しかし、オマール氏は最近ラジオで、マーフーズさんがタハリール広場のデモに行って、生まれて初めてセクハラに遭わなかったと話しているのを聞いた。
ウォール・ストリート・ジャーナル米国版も2月2日に「デモが女性や家族連れ、富裕層、宗教者まで広い層を集めるようになった」という記事を載せている。
一方、2月5日の国連本部前の在米エジプト人のデモでは、コンピューターエンジニアのモハメド・エルタハム氏(26)が、雨の中、メガホンを握り、こう語った。「エジプトにいたとき、ずっと勉強がしたかったけどできなくて、米国に来た。貧乏だったし、希望もなかった。ただ、人間になりたかっただけだ・・・今、エジプトに行けば、人間になれるかもしれない」
彼らの証言を聞くとき、エジプトが目指す「革命」がとてつもなく幅広いものであると同時に、男女平等や言論の自由という言葉の意味を思い知らされる。
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