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経済を成長させたいなら中国から学べ:通貨発行特権の利用(小野盛司)(神州の泉)
http://www.asyura2.com/11/senkyo107/msg/303.html
投稿者 忍 日時 2011 年 2 月 12 日 16:07:03: wSkXaMWcMRZGI
 

経済を成長させたいなら中国から学べ:通貨発行特権の利用(小野盛司)
※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第214弾です


 日本経済は円高、株安、デフレの3重苦に悩まされており、失われた20年の後、これから更に何十年失われるのだろうと危惧される。日本の失敗の原因の一つは、老大国である米国の金融システムをそのまま入れようとしたことである。「進んだシステム」が日本にとって必ずしも良いわけではなく、逆に日本経済を悪化させた原因になっている。

 進化論を知らない人は、進化した生物ほど繁栄すると考えている。もしこれが本当なら原始的な生物は、とっくに絶滅してたはずだが、実際は原始的な生物と高度に進化した生物が共存しているわけで、必ずしも進化した生物が進化しない生物を滅ぼすわけではない。巨大な体に進化した恐竜は環境の変化に適応できず絶滅したが、進化しないで小さいままでいたほ乳類は生き残り繁栄していった。
 日本は老大国米国の金融システムをそのまま導入するのでなく、躍進する中国のシステムをもっと参考にすべきだと主張したい。中国の金融システムについて少し書いてみよう。

@中央銀行である人民銀行の独立性は無い。
A人民銀行が無制限にお金を刷って米国債等を直接買い取ることができる。
B人民銀行の巨額損失にも拘わらず、人民元の信認が失われていない。
C事実上の中央銀行の国債引き受けをやっている。

 中国人民銀行は、独立性をもっていない。人民元の上昇など金融政策の重要な決定は首相や国務院によって下される。日本経済がここまで悪くなったのは、日銀の金融政策の失敗だと言われることが多い。日銀は政府の政策との整合性を取ろうとしないし、デフレからの脱却に失敗しているのにその責任を取ろうとしない。かつて世界恐慌に巻き込まれて日本が昭和恐慌になったときに、見事に経済を立て直すことができたのは、大蔵省と日銀が協力して国債の日銀引き受けを行い、大規模な財政出動ができたからであり、政府と日銀は一体となって政策実行をしなければ、現在のような大不況からの脱却は不可能だ。

 そうであれば、中国のように日銀から独立性を剥奪し、政府の命令に従うようにすべきだ。そうすると、政府が国債を自由に発行するようになれば金利が暴騰しハイパーインフレになり円が暴落すると主張する馬鹿な識者がいる。中国を見ればよい。インフレ率も金利も為替も政府によっては見事にコントロールされている。中国にできて日本に出来ぬ事はない。

 中国の外国為替市場は、市中銀行が人民銀行に外貨を受け渡す場であるに過ぎない。人民銀行、従って政府が圧倒的な価格決定力を握っており、見せかけの柔軟性を示すために値幅制限内で値動きをさせている。実際は市中銀行に集まった外貨を人民銀行が直接引き受け、その替わりに人民銀行がお金(人民元)を刷って渡しているのである。

 人民銀行の資産(バランスシート)が異常に大きくなってきた。2009年10月時点で、22.5 兆元にまでなり、GDP に対する比率が70%近くにも達する。欧米(米連銀、英中銀、欧州中銀)の場合、中央銀行の資産が一昨年以来大きくなっているとはいえ、GDP 比で15−20%だし、日銀の資産はGDP 比25%程度である。資産が大きくなったということは、人民銀行が巨額の資産を、元を刷って買い取っているわけだ。

 日銀も同様に円を刷ってETF、REIT、国債、米国債等様々な資産を大量に買い取れば、デフレ脱却は可能だ。米国債等を政府から買い取るだけで、約110兆円の財源が生まれる。このように主張するといつも次のような反論が返ってくる。

@インフレになる。
Aこのような資産を買い取ると将来巨額の損失が発生し、円の信認が失われる可能性がある。

 しかし、この両方とも中国の現状を見れば間違いであることが分かる。中国政府は過度のインフレを完璧に抑えている。中国では、預金準備率を上げたり、金利を上げたりする事で、インフレは簡単に押さえ込むことが出来ているから@は完全に間違えている。

 05年7月の切り上げ直前を基準時点として、人民銀行が人民銀行債券金利で元を調達して米ドルの買い介入を行い、ドル資金を全て3カ月もの米国短期国債で運用したと仮定すると、05年7月から08年6月末までに、約1兆4000億元の損失を被ったと試算される。これは、約21兆円にも上る損失であり、中国の07年の名目GDPの5.6%にも相当する。今後見込まれる、更なる人民元切り上げにより人民銀行の損失は更に拡大するのは間違いない。しかし、元の信認は全く失われていない。それどころか、近い将来切り上げが確実な元を入手しようと、おびただしい人がその方法を探しており、逆に中国政府はそれを阻止しようと必死だ。

 つまり、「お金を刷れば通貨の信認が失われる」というのは真っ赤な嘘ということだ。もう一つ、中国政府の国債発行の例を書いておく。これは2007年の例である。政府が1兆5500億元(約25兆円)の特別国債を発行した。特別国債なので、市場には出回らず暴落の心配は無い。それをすべて国有商業銀行である中国農業銀行が買い取り、それを直ちに人民銀行が買い取った。要するにこれは事実上中央銀行による国債引き受けにすぎない。国の機関内での取引なので、誰もこれを「国の借金」とは呼ばないだろうし、将来国民の税金で返さなければならないなどと馬鹿なことを言わないだろう。日本もこの方式を採れば「国の借金」の問題は一挙に解決する。そうすればハイパーインフレになると言うのは中国を見れば嘘だと分かるだろう。

 このようにして政府が手に入れた資金の一部は、大幅な赤字を計上している中国農業銀行の増資(約400億ドル)に使われるとのこと。日本では不良債権処理に手間取って貸し渋り、貸し剥がし等の問題が生じ、経済に重大な悪影響が出た。中国流の処理の仕方であれば、お金を刷って銀行を助け、経済を活性化するのだから誰も文句を言わないし、速やかな処理が可能である。

 日米の金融の仕組みを比べて明らかなように、中国が通貨発行特権を十分に活用して経済を大躍進させているのに比べ、日本は自主的にその権利を放棄し、経済を破壊させている。これでは競争にならない。言ってみればサッカーの試合で中国チームだけは、手も足も使うことが許されており、日本は足しか使ってはならぬという自主的に決めたルールで試合をしているようなものだ。これで勝てるわけがない。今からでも遅くはない。中国の金融システムを未熟と言って馬鹿にするのでなく、中国を見習って日本経済を復活させようではないか

神州の泉
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2010/10/post-0ed8.html
 

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コメント
 
01. 2011年2月12日 16:14:54: q1gf0gzNbs
「置き引き」事件で水がさされたが
 過去半年というものは、「政府紙幣」や「無利子国債」の発行の是非についての論争が、白熱化してきていた。周知のごとく、昨年8 (平成20年) 12月ごろから、財務省出身エコノミスト高橋洋一氏(東洋大学教授)が、「政府紙幣」25兆円の発行を提言してマスコミの注目を集め、同氏は、一躍、論壇のスターダムに登場したわけであるが、本年(平成20年)に入ってからは、高橋氏流の「政府紙幣を刷って配れ」といった提言に対する批判論も、声が大きくなってきた。
 『日本経済新聞』の本年(平成21年)2月10日付号で、深尾光洋氏(日経研究センター理事長)が、大論文を書き、「政府紙幣」や「無利子国債」の発行は「打ち出の小槌」にはなりえないと指摘したことが、批判論陣営からの主砲発射となったようである。同じく2月10日には、『静岡新聞』でも佐藤隆三氏が、ほぼ同じ趣旨で、「政府紙幣」と「無利子国債」の発行提言を、「有権者を愚弄する奇策にすぎぬ」とこき下ろしていた。『週刊東洋経済』2月21日付号、3月7日号でも福永宏氏、池尾和人氏が同様な論旨の批判論を書いていた。『週刊新潮』2月19日付号でも、「政府紙幣」発行は「とんでもない劇薬の禁じ手だ!」と解説していた。各種のインターネット論壇でも、同種の批判論が、攻勢に出はじめ、今日におよんでいる。
 このような批判論の高まりに対して、高橋洋一氏は、『産経新聞』の本年2月13日付号で、「日銀が何もしないのならば、政府がやるしかないではないか」と論じて、これまでの同氏の主張を変えずに、「政府紙幣25兆円で危機克服を!」と叫んだ。また、同紙の編集委員田村秀男氏も、同紙同号で、「円高の今が、政府紙幣発行の好機だ!」と力説していた。すなわち、この問題は、一般庶民を対象とする新聞や週刊誌、あるいは、テレビといったメディアを舞台に、未曾有の大論争になった観があったわけである。
 ところが、そのやさきに、高橋氏が「置き引き」の事犯で逮捕され、書類送検されたという思いもよらぬ事態が生じ、この大論争にも水がさされた。しかし、だからといって、この論争の重要性が忘れられてよいというわけではない。事実、「政府紙幣」発行論に対する批判論が、いぜんとして、各種のメディアでアグレッシブに叫ばれているという形で、この論争は現在も続いているのである。私の見るところでは、そのような批判論は、総じて、きわめて大きな誤謬をおかしている。そのような誤謬に立脚して、わが国のマクロ経済政策が立案・実施されるようなことがあってはならない。本稿では、その点を明確に指摘・切言しておきたい。

 高橋氏・田村氏の提言における問題点
 『月刊日本』誌の本年3月号で、すでに私(丹羽)が指摘しておいたことであるが、実は、「政府紙幣」を新規に発行するという高橋氏・田村氏の政策案には、見逃しえない問題点がある。ちょっと考えればすぐわかるように、現行の「日銀券」と併行的に、新規に「政府紙幣」を実際に発行・流通させるためには、国内に無数に存在する種々様々な自動販売機やATMなどを全てやり換えねばならない。このことをとってみただけでも、諸種の社会的トラブルがきわめて数多く発生するであろうということは、明らかなところであろう。しかも、現在の「日銀券」の流通額が約76兆円程度のものなのであるから、それに加えて新規に「政府紙幣」を数十兆円、数百兆円も発行・流通させることは無理である。高橋洋一氏が提言している25兆円でも、かなり難しい。そして、肝心の景気振興政策の規模そのものが、その額に制限されてしまい、しかも線香花火のように短期的に一回だけ実施される施策にすぎないというのであれば、現下の大不況を克服するには、あまりにも非力である。ましてや、800兆円を超す国家負債の処理ということにまでなると、まったく役に立たない。
 私自身(丹羽)は、十数年も以前から、「国(政府)の貨幣発行特権」(seigniorage、セイニャーリッジ権限)の発動によって国の財政危機を救い、わが国の経済の興隆をはかれと提言し続けてきた者であり、いわば元祖である。しかし、私は、「国(政府)の貨幣発行特権」を活用するやり方としては、政府紙幣を刷らないで、しかも、トラブル的な問題も起こさずに政府財政のための「打ち出の小槌」となるような、「スマートで容易な方式があるよ!」と指摘・詳述し、それを採用・実施することこそが「救国の秘策」のための秘策であると、今日まで提言し続けてきたのである(『月刊日本』誌、昨年11月号の丹羽論文、および、紫翠会出版社本年1月公刊の丹羽の著書『政府貨幣特権を発動せよ』を参照されたい)。
言うまでもなく、そのような「スマートでトラブル的な問題も起こさない容易な方式」とは、国(政府)が無限に持っている無形金融資産である「貨幣発行特権」のうちから、所定の必要額ぶん(たとえば、500〜600兆円ぶん)を、政府が(ある程度はディスカウントでもして)日銀に売り、其の代金は、日銀から政府の口座に電子信号で振り込むことにするというやり方である。しかも、このことは、現行法でも、十分に可能なことである。この方式であれば、新規の「政府紙幣」をわざわざ印刷・発行するようなことをしなくても、そして、言うまでもなく、増税をするわけでもなく、政府の負債を増やすこともなく、事実上、政府の財政財源のための無限の「打ち出の小槌」が確保されることになるのである。
私は、「無利子国債」の発行ということについては、ずっと、否定的な意見を述べ続けてきた。その理由は、それが政府の負債(日銀に対する負債であるにせよ)をいっそう大きく増やすことになるので、IMFあたりからの非難をこうむる可能性も高く、国民をますます不安にさせて士気の低下を招き、政府の政策当局のスタンスも姑息で中途半端なものにさせてしまうことになると思われるからである。
また、実は、私自身は、「国(政府)の貨幣発行特権」という「打ち出の小槌」を財政財源として活用するための、私自身が推奨・提言してきたやり方を、単なる緊急処置的な「劇薬」の一回限りの投与だなどとは、毛頭、考えていない。マクロ的なデフレ・ギャップ、インフレ・ギャップの正しく注意深い計測と観察を怠らずに、採用・実施するのであれば、それを長期的に常用することによってこそ、わが国の経済と財政は、きわめて健全化され、活力に満ちて興隆への軌道に乗るはずだと、私は論証し続けてきた。正統派的なケインズ主義的「総需要管理政策」の理論構成からすれば、そう考えざるをえないのである。すなわち、私は、高橋洋一氏や田村秀男氏が提言してきたようなレベルよりも、さらに踏み込んで、はるかにスケールの大きな高次元の財政政策・経済政策システムを構想し、それを実現すべきだと提言してきたわけである(『月刊日本』誌、本年4月号の丹羽論文を参照)。

深尾氏ら批判論者たちの奇妙な誤謬
深尾氏たち批判論者陣営の主張で、共通して見られるところの、きわめて奇妙な点は、「政府紙幣」の発行が、日銀券の発行・流通額をそれだけ減少させることになるとして、それにともなって日銀の収益が減り、日銀からの政府一般会計への上納金も削減されることになるとして、だから政府の財政財源としては「政府紙幣」の発行は役に立たないはずだと強弁してやまないという点である。確かに、「政府紙幣」が発行・流通させられるようになったとき、経済の成長率その他の諸条件が全て不変であると仮定すれば(もちろん、このような仮定は非現実的で不自然であるが)、それだけ日銀券の発行・流通額は減ることになる。しかし、だからといって、日銀の収益が減るという必然性は無い。日銀の収益は、日銀券の発行・流通額に依存しているわけではないからである。
日銀から、「買いオペ」や「市中銀行保有手形の再割引による換金サービス」などを通じて資金が民間経済に注入される場合を考えてみても、日銀券の札束でそれが行なわれるようなことは、まず無い。日銀から、該当の民間金融機関の口座に、電子信号で、それだけの金額が振り込まれるだけのことであろう。日銀が得る収益は、上記の「手形再割引の換金サービス」による稼ぎや、「買いオペ」などで保有するようになった諸種の「金融資産」の運用益であるが、いずれも、日銀券の新規発行を必要条件とするようなものではない。
したがって、政府一般会計の年々の歳入額を見れば、すぐにわかるように、日銀からの上納金は、1兆円前後といった僅かなものにすぎないのが通例である。ところが、「政府紙幣」発行益(造幣益)は、高橋洋一氏の控え目な案でさえも、25兆円と意図されているのであるから、桁違いに大きい。ましてや、上述のごとく、「政府紙幣」を発行・流通させることは避けながら、「国(政府)の貨幣発行特権」の間接的な発動で、数百兆円もの政府財政財源を確保することを提言してきた私(丹羽)の案とでは、まったく比較にならない。すなわち、深尾氏たちの批判論(「造幣益」無効論)は、決定的に誤っているのであり、やはり、「国(政府)の貨幣発行特権」は国家財政にとっての「打ち出の小槌」なのである。
実は、「政府紙幣」発行に対して強く批判している論者たちのなかには、日銀券の発行額それ自体のほぼ全額が日銀にとっての「造幣益」であると思い込んで、それが、毎年、政府に上納されているのだと前提している人もいるしまつである(『月刊日本』誌本年3月号で指摘しておいたように、高橋洋一氏も、このような初歩的な思い違いをしている)。つまり、「政府紙幣」が発行されれば、その額だけ「日銀券」の発行額と政府一般会計への上納額が、ともに減るとして、「政府紙幣」の発行は政府の財源にはならないと叫んでいるのである。もちろん、そのような意見は、無知による滑稽な思い違いの誤りでしかない。日銀券の発行額は、その全額が日銀の負債勘定に計上されるのであり、日銀にとって造幣益は生じない。政府に上納されることもない。このことは、エコノミストにとっては初歩的な常識のはずである。

批判論の最も致命的な欠陥
さて、深尾光洋氏、佐藤隆三氏、池尾和人氏、福永宏氏などの「政府紙幣」批判論の論旨における、おそらく最も致命的な欠陥は、『月刊日本』誌、本年4月号でも私(丹羽)が指摘しておいたように、「政府紙幣」発行によって、ないしは、いっそう本源的には、私自身が提言し続けてきたような、「スマートでトラブルを起こすことも無い容易な方式」での「打ち出の小槌」財源によっても、ケインズ的な有効需要拡大型の財政政策の実施ということが、あたかも、まったく行なわれえないものであるかのごとく頭から決め込んで、そのことには全く言及せずに、批判的な論述がなされているという点である。したがって、ケインズ的なフィスカル・ポリシーでマクロ有効需要政策が実施されることによる経済の成長・繁栄ということも、完全に視野から外されてしまっている。つまり、最重要なメリットを無視して、批判論なるものが書かれているのである。すなわち、ケインズ主義的政策による効果を無視するという新自由主義的・新古典派経済学流の「反ケインズ主義」イデオロギーによる政治的な欺瞞情報キャンペーンの一環として、深尾氏などの論文は書かれているわけである。もちろん、そのようなことでは、科学的な合理的批判論として取り扱うわけにはいかない。
わが国の経済においては、私が幾度も実証してきたように、現在、きわめて巨大な規模でデフレ・ギャップが発生して、居座っている。巨大なデフレ・ギャップが存在しているということは、厖大な生産能力の余裕が有るということを意味している。したがって、政府が、上述したような「国(政府)の貨幣発行特権」の活用という財源調達手段による財政政策の発動により、大規模なケインズ的有効需要拡大政策を実施した場合、何の問題もなく、物財やサービスの生産・供給量が増える。これは、輸入品の供給量も含めて、そうなるのである。したがって、インフレ的な悪性の物価上昇が生じる心配はない。しかも、現行のフロート制(変動為替相場制度)の特性で、貿易収支や国際収支の均衡といった対外均衡も、自動的に保たれる傾向があるのであるから、ますます安心しうるわけである。
すなわち、現在のわが国経済においては、「政府紙幣の発行」という発想の基礎をなしている「国(政府)の貨幣発行特権」という「打ち出の小槌」財源によるケインズ的財政政策で、どんなに大規模な有効需要拡大政策が実施されたとしても、物価が安定したままの高度経済成長という、いわば理想的な経済状況が実現されうるのである。これが、最も重要な、かけがえのない政策メリットである。ところが、深尾氏、佐藤氏、福永氏、池尾氏などは、経済が成長せず、ただ、物価のみが上昇するものと想定して、批判論を展開しているのであるから、まったく問題にならない。深尾氏が、物価の高騰は一種の増税にほかならないと強調してやまないところの、いわゆる「インフレ・タックス」理論も、そのような非現実的なゼロ成長ないし極端な低成長状態で物価のみが上昇するといった、およそありえないような場合についてのみ述べている奇妙な教説にすぎないのである。

ルーカス理論の非現実性
ただし、エコノミスト諸氏にとっては周知のことであろうが、新自由主義・新古典派経済学グループのカリスマ的な指導者ルーカス教授の「ルーカス型総供給方程式」の理論によれば、市場経済では、「自然失業率」に対応した水準のところで、経済は成長しえなくなり、上にも下にも行けない、にっちもさっちもいかない状態になってしまって、総需要が増えただけ、物価が上がるにすぎないという「定理」になっている。つまり、ケインズ的政策によるマクロ的有効需要政策は無効だと、決めつけられてしまっているのである。このルーカス理論は、新自由主義・新古典派のパラダイムで支配されてきた過去四半世紀のわが国の経済学界・経済論壇では、ほとんど神格化されてきた。小泉・竹中の政策路線においても、ルーカス理論のこのようなパラダイムが指導的な役割をはたしていた。だからこそ、深尾氏たちも、上記のごとく、ケインズ的フィスカル・ポリシーの効果を無視した批判論に終始してきたのであろう。
しかし、ルーカス教授のこのような奇妙な結論は、需要が増えても減っても、企業は、そのような需要の変動に応じて生産設備の稼働率を変えて調整・対応するということを、全く行なわないものとするという、おそろしく非現実的な仮定を暗黙のうちに設定したことによって、トリック的に導き出されたミスリーディングな定理でしかないのである。
そのことを見破って、私(丹羽)が、需要の変動に応じて、企業は、雇用量とともに資本設備の稼働率も変化させて対応するものとするという、現実的かつ一般的に妥当性の高い想定を置いて、ルーカス体系を数理経済学的に再構成してみた。そうしてみたところ、総需要が増えれば、それにまさしく応じて経済は成長し(すなわち、実質GDPが成長し)、「自然失業率」なるものも、どんどん低くなって、経済は完全雇用・完全操業の状態に近づいていくということがわかったのである(丹羽著『新正統派ケインズ政策論の基礎』、学術出版会、平成18年刊参照)。つまり、このようなことも考えあわせてみると、上記の深尾氏、池尾氏たちの論文も、新古典派経済学流のルーカス理論の濃密な影響下で執筆された論文であると、見るほかはないのである。

高橋氏も新古典派だ
実は、批判論の陣営ばかりではなく、「政府紙幣を発行せよ」と提言している高橋氏の議論においても、新古典派経済学流の不合理なスタンスを見出さざるをえないのである。すなわち、高橋氏は、新古典派経済学理論における、いわゆる「マンデル=フレミング効果」に言及して、財政政策による公共投資のような有効需要拡大策は、効果があまり無いと断定してしまっている。そして、高橋氏は、同氏が主張している25兆円の「政府紙幣」発行を、マネー・サプライの増加といった金融緩和政策のためだけに使えと提言している。これは、新古典派マネタリズムの政策スタンスであるが、不適切きわまる主張である。金融政策は、景気の過熱を抑えるのには効果的であるが、景気を上向かせる力は弱い。ましてや、100年に一度といった現在の超大不況の危機克服策としては全く無力であろう。
「マンデル=フレミング効果」とは、国債発行を財源とする財政出動ではクラウディング・アウト現象(民間資金が国庫に吸い上げられて、民間の資金不足が生じること)が発生して、金利が上昇し、それによって、対外為替レートの高騰(日本の場合であれば、円高の進行)が生じるので、其の国の産業の対外競争力が失われ、結局、景気の回復は、損なわれてしまうであろうという理論である。しかし、「政府紙幣」の発行ないし「国(政府)の貨幣発行特権」という「打ち出の小槌」財源の発動の場合は、クラウディング・アウト現象が生じないから、「マンデル=フレミング効果」を心配する必要は無いはずだ。高橋氏ともあろう人が、このような初歩的なことに気がつかなかったとは、まことに不思議である。
このような高橋氏による論述を見てみても、現代の新自由主義思想の中核をなしている新古典派経済学流の不合理なイデオロギー的「反ケインズ主義」による思想的汚染の影響を、まざまざと感じ取らざるをえないのである。

ケインズ政策での繁栄はフリー・ランチなどではない!
池尾和人氏は、「政府紙幣」発行ないし「国(政府)の貨幣発行特権」活用を政府財政にとっての「打ち出の小槌」財源と見なす考え方を、「社会的にはフリー・ランチは存在しえない」と強調することによっても、強く批判している(『週間東洋経済』、本年3月7日号)。もちろん、このような批判論も、まったくの見当違いである。
 私(丹羽)が指摘し提言してきたように、「国(政府)の貨幣発行特権」の活用ということが財政政策のための財源調達手段として大規模に行なわれるようになれば、そのことは、事実上、国家財政にとっては「打ち出の小槌」財源を、いくらでも利用することができるようになるということである。そうなれば、在来の意味での国家財政バランスでの「黒字」、「赤字」といったことは無意味になり、それに代わって意味を持つようになるのは、上記でも触れておいたように、マクロ的に、デフレ・ギャップであるか、インフレ・ギャップであるかということである。そのことは、とりもなおさず、マクロ的なフィスカル・ポリシーとしての経済政策が、不合理な「旧来の陋習」の拘束を脱して、大規模かつダイナミックに、本来の役割を果たしうるようになるということである。そのことは、日本の国民が、そして、全人類が、「ケインズ革命」を真に完成し、すばらしい繁栄の黄金時代を実現しうるようになるということにほかならない。
 ただし、そのような経済の繁栄と成長は、人々が遊んでいても、「フリー・ランチ」として、もたらされるわけではない。「打ち出の小槌」財源で政府によるマクロ的な有効需要政策が十分に行なわれるようになれば、ケインズ理論で言う「有効需要の原理」(乗数効果)の働きもあって、遊休していた企業の資本設備が稼動しはじめ、投資による生産能力の拡大もなされ、そして、失業ないし不完全就労の人たちもどんどん働くようになる。だからこそ、経済の繁栄と成長がもたらされるのである。

モラル・ハザード論で真に考えるべきこと
最後に、わが国の経済において発生・累積してきた巨大なデフレ・ギャップのことを、もう一度、考察してみよう。このデフレ・ギャップの発生・累増という形で空しく失われてきた潜在GDP額は、平成不況が発生してからの十数年だけの合計でも5000兆円に達している(1990年価格評価の実質値)。総需要さえ適切に確保されていれば、このような大惨害は起こらなかったはずだ。言うまでもなく、総需要の確保は、政府のマクロ政策の任務である。すなわち、このような大惨害を生起させた主要原因は、ひとえに、わが政策当局の新自由主義・新古典派的スタンスによる陋習のゆえに、ケインズ的フィスカル・ポリシーの実施がほとんど行なわれずに推移してきたということにあったわけである。こういった状況は、まさに、わが政策当局において、財政政策立案における「真の規律」が失われてきたということを、まざまざと示しているのである。しかもそのことが、今日まで、徹底した官製の欺瞞情報オペレーションによって隠蔽・秘匿されてきているのである。そのことを実証的・理論的に、詳細に暴露し指摘してきたエコノミストは、事実上、私だけであった(前掲、丹羽著『新正統派ケインズ政策論の基礎』参照)。
内閣府は、現在の大不況下にあってさえ、わが国経済におけるGDPギャップ(デフレ・ギャップ)の規模を、潜在GDPベースでわずかに4.1パーセント、約20兆円にすぎないと公表(本年3月17日公表)しているしまつである。本ホーム・ページでも示し、また、私の数多くの著作でも詳細に実証してきたように、私が精密に推計したところでは、現在の日本経済におけるデフレ・ギャップ規模は、潜在GDP換算ベースで優に400兆円を超えているはずである。ところが、内閣府のこの公表値では、なんとまた、現在のわが国の経済が、全体として、実に96パーセント近い超高操業度で営まれているというのである。だとすれば、現在のわが国の経済は、不況どころか、はなはだしい景気過熱で沸騰している超好況状態にあるということになってしまう。言うまでもなく、このような内閣府公表の推計値なるものは、まったくの欺瞞である。このような官製の欺瞞情報の発信・流布が、これまでの四半世紀、絶えず続けられてきているのである。こういった状況は、まさに、わが政策当局において、モラル・ハザード状況がきわめて悪質化してきているということを、つぶさに物語っているものであろう。
「政府紙幣」発行ということに対しては、また、私(丹羽)が提言してきたような「政府紙幣」の発行を直接的には行なわずに、間接的に「国(政府)の貨幣発行特権」の発動を財政政策の「打ち出の小槌」的な財源調達手段とすることについても、そのような施策が政策当局のモラル・ハザードを惹起し、財政規律を弛緩させるとして、非難するむきも多い。
しかし、そのようなことをあげつらうのであれば、その前に、まず、上述された5000兆円もの潜在GDPの喪失といった大惨害をもたらした真の意味での「財政政策の規律」の亡失や、それを隠蔽・秘匿することを続けてきた政策当局、ならびに、そのことを無為に看過してきた立法府や諸政党のモラル・ハザード状態を、きびしく批判するべきであろう。
実は、私が提言してきた「国(政府)の貨幣発行特権」の発動こそ、まさに、このような積弊を払拭するのに大きく役立つ施策なのである。

「政府紙幣 発行問題の大論争を総括する 」
http://www.niwa-haruki.com/


02. 2011年2月12日 16:20:56: XpEUgnHBZA
>そうであれば、中国のように日銀から独立性を剥奪し、
>政府の命令に従うようにすべきだ。
>そうすると、政府が国債を自由に発行するようになれば金利が暴騰し
>ハイパーインフレになり円が暴落すると主張する馬鹿な識者がいる。
>中国を見ればよい。インフレ率も金利も為替も政府によっては
>見事にコントロールされている。中国にできて日本に出来ぬ事はない。

中国は、都合が悪くなれば人殺しも辞さない政府であるから可能なんだよ。


03. 2011年2月12日 16:55:30: 5OSV8Up776
まぁ要するに金融は政策的にコントロール出来るのであり、GDPを形成するのに必要な政府支出を支援するために政府はいくらでも中央銀行を使うことが出来る…と言うこと。
でも、これ、前にも投稿があって、その時に書いたんだけど、流動性過剰の日本では実はこれ以上通貨をバラまく必要は必ずしもない。
通貨の流通が阻害されているのが現状であって、通貨そのものが不足しているのではないから。
もちろん、通貨の流通速度がそのまま停滞しているなら、通貨量そのものをあげて単位時間、あるいは単位領域あたりの通貨の流通を加速出来る。
全体では流動性は更に過剰になるから、インフレが…と言う反対意見を思いつく人が現れる。
日本経済復活の会は、デフレ状態でインフレを心配するのはナンセンスだと言う人々の集まり出し、通貨過剰が意識される状態になっても支払い準備率を操作することで市中の流動性を安定させられると言いたい。その例として中国の実践を上げている。
こう言うことなんだろう。

ただし、この記事は日本経済復活会が言いたいことの半分しか書かれていない。
以前、この記事だけ読んで批判していた人がいたが、その人が心配している通りで、通貨供給を増やしても実際の仕事の発注が増えなければ何もならないのだ。
過剰貯蓄が増えて国外への投資として流出する。

実際、中国の場合、準備率操作で市中から資金を回収したのは良いが、有り余った金で為替操作をせざるを得ない状況になっている。意図的な人民元安は貿易と言うよりインフレ対策の準備率操作が原因なのだ。
これはこれで経済の不安定要因となる。

日本経済復活の会には亀井さんも出入りしているし、自民党内の反谷垣(反小泉・竹中路線)の人もいる。
彼らは、大規模公共事業の復活で内需を喚起しなければならないと言う点で一致している。
もちろん、そうでなければ通貨供給をふやしたって日本経済は復活しないのだから、当然だ。


04. 2011年2月12日 21:29:50: CF7sElSQf2
>>03
> まぁ要するに金融は政策的にコントロール出来るのであり、GDPを形成するのに必要な政府支出を支援するために政府はいくらでも中央銀行を使うことが出来る…と言うこと。

その通りだと思う。

> 通貨の流通が阻害されているのが現状であって、通貨そのものが不足しているのではないから。

「通貨の流通が阻害されている」と言うよりも、大規模公共事業を大きく減らしたために需要が大きく減って、通貨の必要量が減少した。

> 彼らは、大規模公共事業の復活で内需を喚起しなければならないと言う点で一致している。
> もちろん、そうでなければ通貨供給をふやしたって日本経済は復活しないのだから、当然だ。

全くその通り。

政府が国債を発行し、民間が国債を購入しても経済の活性化には繋がらない。
民間が国際を購入すれば、その金の分だけ民間が使う金が減ってしまって、国全体の経済規模は拡大しない。

政府が国債を発行し、日銀が国債を購入する、その購入資金分を日銀券発行でまかなえば、その発行分だけ経済規模は拡大し、その拡大分だけ失業者を減らせる。

大規模公共事業として、都市部の鉄道と道路の平面交差を立体交差にする、交通量の多い全ての都市に地下鉄を建設する、電線の地中埋設を進める等、社会インフラの整備等やるべきことは沢山ある。

小泉・竹中路線で単に公共事業を減らしたために、仕事の減少、失業者の増大のデフレを招き、日本は世界唯一過去10年間GDPを減らし続けた。

小泉純一郎のように経済を理解できない者が首相になると、日本は崩壊する。
菅直人も経済を全く理解していない。
民主党は子供手当を世界中(本当は韓国・北朝鮮)にばらまくことしか頭にない。


05. 笑い男 2011年2月12日 21:41:38: KYowwl.h0yhsM : mGbbAw9IDE
う〜む、デフレ・ギャップの正確な計算方法が分からんので
何ともだが、丹羽氏のデフレ・ギャップ400兆説には疑問がある。(笑)
本当だったら100兆分の政府紙幣を発行するなり、無利子永久国債を
日銀に引き受けさせても全然問題ないし、
好き放題に財政政策ができるので、子供手当どころか
大人手当〜老人手当、果ては猫手当まで捻出できる。
ホンマかいなと思わない人はいないだろう。

しかしまあ、現在だって日銀は毎月1.8兆程度は長期国債を
買ってるわけで、これを3.6兆にしても誰も困らないだろうと思う。
これだけで21.6兆の財政政策の原資はできてしまう。
波及経路の問題があって金融のみのマネタリズムでは駄目だし
あくまで金融+財政のポリシーミックスが正しいので
電柱埋蔵工事でも、リニア新幹線でも、減税でもやって
政府支出を増やせば良いだけである。
穴掘って与謝野を埋めるだけでも良い。

日銀には銀行券ルールなんて社内規があって
日銀が引き受ける長期国債の総額が、日銀銀行券の流通残高以下に
しなくてはいけないという決まりがあるが、
別に日銀法で規定されてるわけではないから
無視してもかまわない。亀井先生にシバキ上げて貰って
ガンガン購入させれば良い。

民主がダメなのは結局、財源論が明確じゃないから。
仮に減税を柱にするにしてもリフレ政策と組み合わせないと
行き詰まるのは目に見えてる。
行き着く先はポリシー・ミックス !


06. 2011年2月13日 02:26:31: 5OSV8Up776
>民間が国際を購入すれば、その金の分だけ民間が使う金が減ってしまって、国全体の経済規模は拡大しない。

教科書的なクラウディングアウトは日本では起きませんよ。
市中金融が融資できずに死蔵してしまっている金は年間50兆円です。国債を購入した後の金ですので念のため。
民間が金を借りないのは、大企業は圧倒的に金を溜め込んでいるから、中小企業は具体的な仕事の注文がないからです。
この状態では、もっと国債を発行して公共事業バラマキを行い、中小零細にまで具体的な発注をしなければなりません。民間同士の取引が増えれば市中金融からの借入も増え始めるので、金利上昇にあわせて国債の新規発行額を減らすことになります。

ここだけちょっと違う。

なお公開市場操作で通貨供給が行われている現在では、国債の大量発行も日銀引き受けも政府通貨発行も同じことになる。
途中の流れが異なるので通貨の流通速度はそれぞれ違うはずだから、みっつをすべて組み合わせて適正をはかれるんじゃないだろうか?
難しそうだが公式化も出来るだろう。
問題はどこの役所がやるのかってこと。財務省は緊縮だからね。人員を一新しない限り信用できない。

05
俺もあれは驚いたけど、あれって70年代以降の累積額でしょ。
一年あたりのそれじゃない。

>好き放題に財政政策ができるので、子供手当どころか大人手当〜老人手当、果ては猫手当まで捻出できる。ホンマかいなと思わない人はいないだろう。

所得税をアメリカ並みにするだけで、今現在10兆円の歳入が生じる。
子供手当て程度なら政府通貨の増発は必要ないんで無いですか?
政府通貨の増発はやはり日銀購入分の国債を買い上げるために使うのが良いんじゃないだろうか?
国債はどうせ日銀が買った時点で循環終了だし、日銀がうけとる利子は結局政府の収入になる。だったら相殺して消滅させていいだろうと思う。

現時点でも歳出に占める国債費の割合は大きい。こいつが減るだけで10兆の一般歳出増をはかれる。
これに累進課税の強化と消費税廃止で20兆。
最近分かってきたけど、消費税ってのは法人税・所得税の先取りだから、消費税を廃止すれば取引の回数が増える分、GDPはあがるんだな。いきおい所得税収は増える。法人税収も増える。
やっぱり消費税はGDP縮小、歳入減の原因みたいだね。

政府通貨を市中にばらまくなら、気をつけなきゃいけないのは通貨の回収法だね。
やっぱり増税ですかね? それとも中国みたいに支払い準備率を上げる?
政府通貨のバラマキで景気を良くしても良いんだけど、今のままだと大企業はやっぱり金を借りないから通貨は滞留するよ。
大企業をしぼりあげて赤字状態に追い込まないと市中の金は十分動かない。

次期政権には、為替介入だの派遣労働だの大企業への保護政策は片っ端からやめてほしいね。


07. 笑い男 2011年2月13日 07:53:46: KYowwl.h0yhsM : mGbbAw9IDE
>>06
"政府通貨を市中にばらまくなら、
気をつけなきゃいけないのは通貨の回収法だね。"

つまりそれはインフレを抑制するため
市中から貨幣を回収するために、日銀に民間に売却する資産が
十分なければ困るという話。
これに対する回答は政府に国債刷って貰って贈与
(あるいは増資)すれば良い。誰も困らない。

また、インフレになって価値が低下する資産を買うのが
嫌なら上がる資産を買えばよろしい。たとえば外貨はインフレになって
円安になれば価値が上がるから売却すれば購入時に
散布した以上の貨幣を回収することができる。
ETFなど格式関係資産でも同じ。
それも嫌なら物価連動国債を買えば良い。
これはインフレに連動して価値が上昇することが保証されている。

だが、そんなことしないでも、必要準備率あげる
(今は異常に低くなっている)とか、
付利準備預金の金利を上げてしまうとか、
方法は色々ある。半分は某氏の受け売りだがね。


08. 2011年2月13日 11:37:19: N8OYQhRpZk
>>06. 2011年2月13日 02:26:31: 5OSV8Up776
>> 民間が国際を購入すれば、その金の分だけ民間が使う金が減ってしまって、国全体の経済規模は拡大しない。
> 教科書的なクラウディングアウトは日本では起きませんよ。
> 市中金融が融資できずに死蔵してしまっている金は年間50兆円です。国債を購入した後の金ですので念のため。

「市中金融が融資できずに死蔵してしまっている金は年間50兆円です」はその通りのようだ。

例えば、生産性が年に3%上昇すると、3年間で約10%になり、GDPは500兆円x10%=50兆円増える。
この50兆円が紙幣として民間銀行に眠っていると、供給が50兆円増えたのに、需要は増えず、50兆円の需要供給のギャップ、つまり、デフレギャップが起きる。

このデフレギャップを解消するのは極めて簡単。
世界中で行われているインフレターゲット政策を行えばよい。
例えば年に1〜3%のインフレ政策を行えば、個人も民間銀行も50兆円の金を死蔵することは無くなる。

そもそも上の例で言うと、政府が毎年3%=15兆円の国債を発行し、その金を日銀が買い入れれば、需要供給のギャップは起きない。
20年では、300兆円となるが、日銀は過去20年間に300兆円の国債を買い入れていない。それが、現在の日本の不況の根本原因である。

世界のインフレ率(消費者物価指数)は下記のサイトで見られる。
先進国では世界で日本だけが100%以下になっているが、これが日本のGDPの低下になっているのは明らかである。

世界のインフレ率(消費者物価指数)ランキング
http://ecodb.net/ranking/imf_pcpie.html

アメリカ 217%
中国 127%
韓国  114%
イギリス 112%
ドイツ 108%
フランス 107%
日本 99.6%

アメリカが217%のインフレなのに、日本が99.6%では対ドルレートが上がるのは当然。
対ドルレートが上がれば、輸出は困難になる。
日本も欧米先進国並みのインフレ率にすれば、対ドルレートの変化は少なくなる。

世界で日本だけが需要供給のギャップを解消しようとせず、日本だけがGDPを減らし続けるのは日本政府は世界一愚かであると言うこと。
日本政府の愚かさのために、日本国民は塗炭の苦しみに喘いでいる。


09. 2011年2月13日 19:18:30: 5OSV8Up776
>世界で日本だけが需要供給のギャップを解消しようとせず、日本だけがGDPを減らし続けるのは日本政府は世界一愚かである

まったくです。
これだけ工業力、技術力、知的文化的コンテンツをもっている国の経営ってのは、目をつぶってやっても、そんなに悪くなるはずがない。
この10年の経済衰退は、わざとそうなるようにやったとしか思えない。

>世界中で行われているインフレターゲット政策を行えばよい。

国債本位制通貨の場合、おそらくインフレはコントロール可能だと思います。
潜在的な生産力は概数で計算可能ですから、それに合わせて通貨供給をするだけ。
超低金利状態では景気が完全回復して金利が上がらない限り、民間同士の信用創造はあまり働かない。当初の通貨供給を増やす以外にGDPを引き上げることは出来ないでしょう。
GDPの主な変動要因がデフレで政府支出に限られている状態ではインフレ圧力のコントロールは可能だと思います。

GDPの主な変動要因を純輸出だとして輸出関連大企業を保護するネオ重商主義では巨大な日本経済を上昇させることは出来ないと思います。実際、出来ていない。
大企業へのこれ以上の保護はやめるべきです。

深刻なデフレ下ではGDPの主な変動要因は政府支出しかない。
国民はこの辺を合意すべきです。テレビくそ食らえ。


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