http://www.asyura2.com/11/senkyo107/msg/291.html
Tweet |
北方領土領有に正当性はあるか
現在、前原外相がロシアを訪問して、最大の交渉眼目である“北方領土領有権問題”において、
かたくなに『北方4島は日本固有の領土である』と強く主張しているようだが、
しかし、前原はその主張の正当性を疑ったことはないのだろうか?
過去の日本の北方領土領有のイキサツはどうであれ、
ハッキリしていることは、日本は1951年のサンフランシスコ講和会議において間違いなく“千島列島”の放棄を認めているのである。
そしてその千島列島には、北方4島すべてが含まれているのは講和当時の世界と日本の地図の表示からも自明なことである。
しかもご丁寧にも、その直後になされた日本の国会答弁において、当時の条約局長(西村熊雄)が、その放棄した千島に〔国後・択捉〕の2島が含まれることを明確に述べている。
また、残りの〔歯舞・色丹〕についても、日本は自らそれまで千島列島の一部(南千島)と見なして来ていたのであるから、本来、千島を放棄するにあたり日本が以後もその2島の領有を主張するためには、「その2島を、“千島列島”に含めない」と講和条約中で明瞭にしておく必要があった。それをしていなかたのは日本側の手落ちと言える。
国際法上、日本がすでに放棄した“無主の地”を、当時のソ連が占拠・占有したところで、日本はそれに異議を申し立てることは一切できないのである。
(たとえ、日本の放棄宣言の場にソ連がいなかったとしても)
したがって、国際通念の上からも、日本が北方4島を堂々主張できる根拠はまったく無いと言える。
しかし、ロシアは返還交渉における過去のイキサツから4島のうち2島(歯舞・色丹)の返還を容認して来た(1956年 日ソ共同宣言)。
これはひとえに、すでに4島を完全占有しあえて他国に返えすイワレのないロシア側の善意としか言いようがないであろう。
日本の国益に及ぼす影響
前原外相は、これ以上、意味の無い「固有の領土」感を捨て、2島返還で早急に決着を着けるべきであろう。
4島を日本固有の領土との強引な主張は、ロシアからのみでなく、国際社会からも道理の通じない国と日本はみなされ、国益を損なうことになろう。
この日露の領土返還交渉において、すでにロシアには日本に領土を返還しても左程のメリットはなくなっている。かつて期待した日本の資金と技術は、すでに中国と韓国で代替できると分っているからだ。
もしここで日本が、首の皮一枚でつながっている領土交渉において、2島返還で決着しないと、
もう1島も日本に返って来ない可能性が高い。そして今後、それが日露の経済・文化交流において足かせとなり、日本の対外発展そのものを阻害することになろう。(すでにシベリア・極東開発に強い意欲を見せている中韓に大きく遅れを取ることになる)
三面楚歌を避けよ
そして今日本は、ロシア以外にも中国と韓国とも一種の領土問題(正確には、日本にとっては領土問題ではないが。尖閣は中国が一方的に揉ましているだけ。竹島は韓国による単純な主権侵害)を有しており、古来、このように国土の三面で紛争を抱えることは、対外国策上非常にマズイ状況である。
ここは、一刻も早く、その内の一つ「北方領土問題」だけは解決しておくべきことであろう。しかも、それは日本の考え方一つで可能なのであるから。
もしそれを今、行わなければ、結局100年に渡る悔いを日本の国に残すことになるだろう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK107掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。