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2011.01.28 Friday 23:59
通常国会の政策論議をどう進めるか
Category : 週刊金曜日 政治コラム
Author : 山口二郎
http://yamaguchijiro.com/?eid=901#comments
<引用開始>
通常国会の政策論議をどう進めるか
いよいよ通常国会が始まった。自民党は党大会で菅直人政権打倒を鮮明にし、政策をめぐる話し合いには応じない様子である。また、この国会は四月の統一地方選挙をはさんで続くので、地方選挙で民主党が敗北すれば、野党だけではなく、与党の内部からも菅降しが起こるかもしれない。まさに、首相にとっては前門の自民党、後門の小沢グループという構図である。細い尾根道を歩くような政権運営を迫られるに違いない。
仮に菅政権が一年も持たずに崩壊という展開になれば、次に誰が首相になっても早期の解散総選挙という展開は不可避であろう。そのときに、国民が自民党政権の復活を望むということは考えにくい。今はとりあえず政党支持率で両党は並んでいるが、自民党が何か前向きのメッセージを出しているわけではない。したがって、早い段階の選挙があれば、再編含みの展開となるであろう。そうなると、みんなの党や減税を売り物にしている怪しげな地方首長など、ポピュリストやデマゴーグの出番となる。投機的再編論議に賭けるということは、日本の民主主義にとっては実に不毛である。
長年の付き合いだからというわけではないが、菅にもう少し政権を続けさせることが現状では最善の選択だと、私は考えている。丸山真男を持ち出すまでもなく、政治とは悪さ加減の選択である。今よりもっと悪いものが出てくることが確実なときに、わざわざ最悪を引き寄せるべきではない。
もちろん、だからといって菅政権を無条件で支持しようといいたいのではない。方向を見失いつつある菅政権に対しては、厳しく注文をつけなければならない。今最も必要なことは、菅首相が「生活第一」という理念を堅持し、この理念を社会保障や雇用政策の根本にすえることを約束するという言明である。TPPや法人税減税など、菅政権は経済界の言いなりになっているのではないかという疑念がつきまとう。しかし、雇用の拡大や社会保障の強化に対する首相の思いは本物だと思う。国民負担を増やす議論をするときにも、自分こそが国民生活を支える社会保障を守るのだと叫び続けて、少しでも誤解を解く努力をすべきである。
もちろん、ねじれ国会という厳しい現実の中では、いくら雄弁を振るっても政策は実現できない。こういうときには腹をくくって戦うことが必要である。自民党は政局第一で政府与党の足を引っ張ろうとする。与党は衆議院の三分の二を持っていないので、野党は完全な拒否権を持つ。ならば、野党が拒否権を振るって予算関連法案を否決し、予算の執行が停止するという事態が起こってもやむをえないと覚悟を決めるしかない。
昨年の通常国会は、議論なしの強行採決ばかりが目立った。今年の国会は、与党が政策を実現する理由を訴えるだけでなく、野党がそれを葬り去る理由を国民に訴えなければならない。野党の拒否権があるという状況は、野党自身にとって厳しいものである。民主党が覚悟を決めて論争を仕掛ければ、下野した後、政権復活のための政策論議を怠ってきた自民党の体力不足が露わになるのではなかろうか。
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Comment:
2011/02/11 11:37 PM, のんぽり wrote:
減税党の河村や阿久根市の前市長に危うさを感じているのはおいらも同じだ。
しかし、国民の所得が減り、公務員と民間の給与格差が拡大している中、国民負担は確実に拡大している。
国民負担はごみ処理の有料化、医療費負担アップ、自動車への課税強化やリサイクル課金・・・等々枚挙に暇が無いほど、そして低所得者への相対的負担増となっている現実がある。
一方、新たな公益法人をつくっては天下り先を増やしている現状をどのように考えているのだろうか。
そんな中、自民党時代にも画策されていた法人税減税と消費税アップをを推進しようとしている菅政権をそれでも支えようとするあなたの意図がよく理解できない。
今の日本の政治は政局に明け暮れるばかりで政策が語られることは無く、TPPを初めとして打ち出されるものは、政党の理念との整合性があるのかも疑われるものばかり。
政治学者としてのあなたにはもっとアカデミックな視点からの論文を期待したいのだが・・・。
<引用終了>
上記コメントはおいらのものだが、最近の山口二郎氏のコラムは政局にドップリ浸かっていてしまっていて呼んでいても詰まらない。
もっと優れた政治家や政治哲学を援用してアカデミックに政治のあり方を論じて欲しいものだ。
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