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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20110210-OYT1T01109.htm
対陣する双方の大将が武器を持たず、単独で馬に乗って出て行って話をする。古代中国では「交馬(こうば)語(ご)」と呼んだらしい。中国文学者、高島俊男さんの『三国志きらめく群像』(ちくま文庫)に教えられた◆政権党内に大将が二人いるのがそもそも奇天烈(きてれつ)な話だが、きのうの菅首相と小沢一郎・民主党元代表の会談もいわば「交馬語」に違いない。民主党の代表でもある首相が自発的な離党を促し、小沢氏はこれを拒否した◆「刑事被告人」となる前も、なった後も、国会で疑惑の説明を拒みつづけた小沢氏は、離党うんぬんの以前に、議員でいる資格があるかどうかさえ疑わしい。首相は首相で、証人喚問に煮え切らない態度をとりつづけ、小沢氏に好き勝手を許してきた責任がある◆多事多難のときに何をグズグズ…と、誰しもあきれよう。馬から降りるべき“灰色大将”と、どうやら馬術も初心者の“仮免大将”は、手を携えて国を傾けていることに気づいていない◆木を見て森を見ない政治を、何と表現するのだろう。たしか、頭に「馬」の付く漢字2文字の言葉があったような。度忘れして、思い出せない。
(2011年2月11日01時47分 読売新聞)
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