http://www.asyura2.com/11/senkyo107/msg/110.html
Tweet |
池田信夫 blog
2011年02月02日 23:11
八百長は日本の伝統
相撲の八百長が問題になっているが、「相撲界の存亡の危機」などという相撲協会のコメントに「何を今さら白々しい」と多くの人は思っているだろう。昔から週刊誌では何度も報じられたが、調査もしないで「証拠不十分」で逃げてきた。今度は警察が携帯のメールという証拠を握ったから、白を切れなくなっただけだ。
賭博罪になる野球賭博と違って、八百長は違法行為でもないし、当の関取が悪いとも思っていない。八百長や談合は、当事者にとってはwin-winゲームだからである。人間関係でも商売でも、こうした「貸し借り」でお互いに困ったとき、助けあうのが日本の美しい伝統だ。電波利権をめぐる総務省と通信業者の八百長も、構図は同じである。損するのは、談合の輪の外にいる納税者だ。
2.5GHz帯の美人投票では、「継続的に運営するために必要な財務的基礎がより充実している」という項目で、A社(ウィルコム)だけが評価Aとなり、B社(NTTドコモ)を上回った。これはVHF帯をドコモに渡すのとバーターで、最初からKDDIとウィルコムに免許を出すという結論の決まっている八百長だった。
その財務的基礎が充実しているはずのウィルコムは経営が破綻したが、ソフトバンクが出資して「支援」することになった。常識的には、XGPなどというガラパゴス規格には何の未来もないが、ウィルコムが清算されて免許が宙に浮くと、2.5GHz帯の美人投票は何だったのかという批判を浴びる。無謬性の神話が崩れるのを恐れた電波部が「ウィルコムを助けてくれれば900MHz帯はソフトバンクに渡す」という取引をした、というのが業界の見方だ。
ところがドコモが八百長でもらったはずのVHF帯で、クアルコムが「ガチンコ」で粘ったものだから、電波部はパニックになり、何度もヒアリングを繰り返して外資を落とそうとした。これに対してオークションを公約していた民主党が圧力をかけたが、電波部は土俵際で電監審の御用学者を使って八百長を守った。その結果、ドコモは泥船のマルチメディア放送をやらざるをえなくなった。
そして「光の道」にあれだけ大騒ぎした孫正義氏は、周波数オークションには反対して電波法の改正を骨抜きにした。これで総務省に大きな恩を売ったわけだ。これで900MHz帯が予定通り美人投票でソフトバンクに割り当てられたら、孫氏は日本の国技である八百長を見事にマスターした、と電波部にほめられるだろう。
これは相撲よりはるかにスケールの大きな、1兆円以上の国費をだまし取る八百長だが、相撲の八百長をトップで報じる新聞もテレビも、電波の八百長はまったく報じない。八百長にとって何よりも重要なのはばれないことであり、マスコミが協力する限り、それは続けられる。日本は官民・マスコミの組んだ「八百長国家」なのである。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51672987.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
- 緊急提言! 池田信夫先生を中心にした周波数オークション導入のデモを ‐ 多田光宏 pochi 2011/2/10 08:51:56
(0)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK107掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。