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朝日新聞は、社説で、小沢一郎元代表の離党を求めていながら、予算関連法案成立に必要な衆院の「3分の2」の議決確保に不可欠な数に小沢一郎元代表と石川知裕衆院議員を当然の如く含めて計算をしている。何か変ではないだろうか。
朝日新聞は2月9日付けの「政治面」(4面)で、「カギは社民6氏−『衆院3分の2』政権あと5人」「予算案に普天間 党二分」との見出しをつけて、以下のように書いている。「与党の議席は313。『3分の2』に相当する318議席を確保するには、社民党の6人のうち5人の賛成が必要だ」確かに欠員2人なので、480人−2人=478人、このうち「3分の2」は、319人(正確には、318.7人)であるから、与党6人不足している。
現在のところ「与党の議席は311」(民主党307人+国民新党・新党日本4人)である。無所属で民主党と同調するとみられる鳩山邦夫、石川知裕、中島正純の3人を加えると「314人」となるが、5人不足する。しかし、朝日新聞が、与党の議席に小沢一郎元代表と小沢支持派(鉄板は約70人)を当然の如く「賛成票」に含めているのは、取らぬ狸の皮算用に似ている。また、身勝手な計算である。
また、無所属で民主党と同調するとみられる鳩山邦夫、石川知裕、中島正純の3人を勝手に加えてもおかしくなる。少なくとも石川知裕衆院議員は、小沢一郎元代表と行動を共にするとみなくてはならない。そもそも、朝日新聞は、たとえば、1月5日付け社説で「首相年頭会見 指導力を発揮して有言実行を」と題して「小沢一郎元代表の政治とカネの問題で首相は、強制起訴された段階で『出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであればそうされるべきだ』と語った。
小沢氏の議員辞職まで想定しているのなら、党代表として、離党勧告などの手順をためらうへきではない。ここでも、首相の『有言実行』が試される」と述べている。また、2月1日付けの社説は「小沢氏起訴 市民の判断に意義がある」と題して、「小沢氏は、検察による強制起訴との違いを強調して離党などを否定した。その時どきで都合のいい理屈を持ち出し、国民に正面から向き合おうとしない姿勢には失望を禁じえない」と述べている。
小沢一郎元代表は早い時期から、予算関連法案が衆院で再可決できなければ、菅首相は、衆院の解散総選挙に追い込まれることを見通していた。ところが、菅首相は、行き当たりばったりの国会運営、政局運営を続けてきた。朝日新聞も、国会が権力闘争の場であることを忘れて「熟議国会を」と菅政権に都合のよい論説を繰り返してきた。
ところが、「3分の2」による再可決の必要性が現実化してきたいま、与党議席に小沢一郎元代表と小沢支持派の数を当たり前の如く「賛成票」に加え、しかも石川知裕衆院議員も「賛成票」として勝手に計算に入れている。しかし、こうなると、もはや菅政権が「追い込まれ解散」により、総選挙に突入した場合、だれの目にも崩壊を免れない。
さりとて、いまさら小沢一郎元代表に離党されると困るとは言えない。朝日新聞は2月2日付けの「オピニオン・声面」(16面)の「ザ・コラム」欄で、朝日新聞社コラムニストの若宮啓文氏が「小沢氏の強制起訴 墓穴掘った国会証言の回避」と題して小沢一郎元代表をこき下ろしていた。だが、「墓穴を掘った」のは、朝日新聞論説委員と若宮啓文氏の方であろう。
小沢一郎元代表は、自ら離党するつもりでいる。それ以上に菅首相から斬られるのを待っている。「3分の2」による再可決が不可能と決まったとき、朝日新聞は、どんな論陣を張るのか、見ものである。この点、反小沢の論調に立ちながら、読売新聞は、朝日新聞よりはましである。
2月9日付け「政治面」(4面)で「民主、多難の再可決戦略」と横凸版を張り、「社民に再接近」「普天間など依然対立」との見出しで、「「執行部はダッチロール状態だ」という声が上がっている」と述べている。その一方で、「小沢グループ『処分反対』−『採決時に腹痛かも』けん制する声も」と小沢支持派の動きをきちんと計算に入れている。
こちらは、「3分の2」に対する「引き算」になる。そのうえで「菅政権が2011年度予算関連法案で立ち往生した後の首相交代や衆院解散が取りざたされているだけに、処分の影響は小さくない」と結んでいる。極めてまともな報道である。傑作なのは、この読売新聞の記事には、ど真ん中に「支援者稲盛氏 民主の体たらくてに落胆」という記事を据えている。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken
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