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《第1回》陸山会事件公判傍聴記 ── 水谷建設からの5000万円は断じてありません!
2月7日晴れ。公判初日ということで、東京地裁前にはたくさんのメディアが集結。門の前では傍聴者へのインタビューも行われていて、テレビレポーターに呼びかけられて傍聴を希望する理由を聞かれる人も。ちなみに、筆者が耳にした50歳代の女性の回答は、
「西松事件にはじまる一連の東京地検特捜部の捜査は何も証拠がないと思う。そのことをたしかめるために、傍聴にきました」
との旨を、レポーターに話していた。冷静で説得的な回答だったけど「放送では使われないのかなあ」と心配になりながら、傍聴の列に並ぶ。ちなみに、最終的に傍聴希望者は452人、開放された傍聴席は55席だった。
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10時に開廷。石川知裕衆院議員、大久保隆規氏、池田光智氏の3人が入廷。
最初に罪状認否で発言したのは大久保氏。以下のように述べる。
「会計事務やその内容についてはまったく知りませんでした。西松建設の事件では会計への関与を認めていましたが、それは石川や池田に捜査が及ぶのを避けたかったためです」
そして、水谷建設からの5000万円を受け取ったとの疑惑については、
「断じてありません」
と力強く答え、発言を終える。
続いて石川氏。
「収支報告書には正しく報告したつもりです。陸山会の収支だから、小沢氏の4億円については、身内の間のやりとりにすぎず、寄付という認識はありませんでした。大久保さんとの共謀もありません。大久保さんは陸山会の経理に興味はなく、言っても関心はなかったと思います」
と語った後、
「水谷建設からの5000万円は断じてありません」
と強く主張して、発言終了。二人とも水谷建設に関する部分に語調が少し強くなったことが印象的だった。
最後に語った池田氏も大久保との共謀を否定。3人そろって無罪を主張する。
■前田元検事の取調べが批判される
続いて冒頭陳述。こちらはすべてを記述すると膨大になるので、要旨は下記のリンクでご確認を。
検察側の冒頭陳述要旨
弁護側の冒頭陳述要旨
注目点は、大久保氏の冒頭陳述を朗読する弁護士が、大久保氏の取調べをした元大阪地検特捜部の前田恒彦氏の取調べ方法を批判したところ。
「大久保氏の供述の任意性には問題がある。大久保氏は、前田恒彦元検事から長時間の取調べを受けた。前田元検事は書記官を取調べに同席させず、時には号泣したり、《逆らえばどんなことになるかわからない》と脅したり、釈放をほのめかしたりするなど、脅迫・誘導的な取調べをした。また、《石川さんはオヤジ(小沢元代表のこと)を助けるためにしゃべり始めている。あなたが話さなければ石川さんも困るし、池田さんも困る。大久保さんも認めてください》とも大久保氏に話した。これらの調書は誘導であり、信用できない」
続いて、
「水谷建設の5000万円は本件とは関係なく、立証の対象とされるのは問題だ。検察側はその5000万円が(土地購入の担保を受けるために)りそなに入金した金だと主張するが、この件は期日間整理手続では《そうであるとも、そうでないとも主張しない》としたものだ。検察の主張は証拠にもとづかない空中楼閣だ」
ちなみに、前田元検事が大久保氏への聴取で取った5通の供述調書は、すべて証拠採用が検察によって取り下げられている。
ここで午前の部が終了。休憩へ。
■あなたの子どもは保育園でどうなるんだろうね
13時15分に午後の部が開廷。石川氏の冒頭陳述がはじまる(要旨はコチラ)。
大久保氏の冒頭陳述に続き、供述の任意性について主張するところで、弁護士の声が少し強くなる。
「石川氏の供述は、田代検事から《特捜部はおそろしい組織だ。何でもできる》と言われて恐怖し、調書にサインしてしまった。吉田正喜特捜副部長(当時)には水谷建設から5000万円を受け取ったと認める調書にサインするよう繰り返し迫られ、その際に贈収賄で別件逮捕できるんだぞ》と脅された。また、石川議員の女性秘書は民野健司検事から事情聴取を受けたときに《あなたの子どもは保育園でどうなるんだろうね》と言い、13時から23時まで拘束した」
続いて池田氏の冒頭陳述。ここでも取り調べの手法が批判される。
冒頭陳述終了後、裁判官が公判の争点を提示する。
(1)収支報告書の不記載・虚偽記載について
(2)被告人の認識および共謀
これらについて弁護側は供述の任意性を否定し、検察側が不記載の背景としている水谷建設の裏金についてもその事実性を否定し、今後の公判で争うことが確認された。
■石川氏が録音した再聴取の内容が朗読される
裁判長による争点の整理も終わり、第1回公判も終盤へ。検察側と弁護側がそれぞれ用意した証拠資料の概要を一つずつ読み上げる。検察側の証拠の読み上げ終了後に15分程度の休憩をはさみ、弁護側の証拠の読み上げから再開。
10時から公判が行われているので、傍聴者や記者にも睡魔に襲われる人がチラホラ。かくいう筆者もさすがに眠い。ところが、証拠を17〜18ほど読み上げたとき、突然、裁判長が発言する。
「その証拠は長くなるから、最後にしましょう」
一瞬にして頭の上に「?」マークが点灯する傍聴席の人たち。その後、「そうか。ICレコーダーの録音資料で、何か重要な説明があるんだな・・」ということがわかり、傍聴者の頭の上の「?」マークが、徐々に「!」マークに変わる。もちろん眠気もさめる。
そして、録音資料以外の証拠がすべて読み上げられた後、裁判長が指示する。
「それでは、28号証(=録音資料)をお願いします」
弁護団の一番後ろに座っていた女性が、5時間半の録音資料のうち、弁護側が抽出したICレコーダーの中身を朗読しはじめる。
朗読の内容は下記の通り。
※画像をクリックすると拡大します。PDFをダウンロードしたい方は →コチラ←
弁護側の朗読終了後、検察側が抽出した部分を裁判官が読み上げる。検察側が抽出したものには、石川氏が検事に対して「無罪になるとは思っていません」と語ったことなども含まれている。が、それでも一方的に弁護側に不利になるような内容に感じさせないほど、様々な手段を使って調書を誘導しようとする検事の姿が再現されていた。
以上で第1回公判が終了。第2回公判は7日に開かれる。
(注)記事内にある発言部分は、傍聴時のメモから再構成したものです。
(構成・文責:《THE JOURNAL》編集部 西岡千史)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/02/1_5000.html
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