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フリージャーナリスト上杉氏の刑事事件解読力
2011年02月05日11時53分 早川忠孝の一念発起・日々新たなり
http://news.livedoor.com/article/detail/5323119/?p=1
皆さんのご指摘があったので、上杉という記者の書かれた記事を読ませていただいた。
鳩山邦夫氏の秘書を務めたことのあるフリージャーナリストで、記者クラブに対して一貫して批判的な見解を持ってられ、大手マスコミとは独自の立場で取材をされており、一部の週刊誌や夕刊紙によく登場する有名な方のようである。
どうやら小沢事務所や小沢弁護団との情報交換は容易に出来る方のようで、上杉氏の見解は小沢事務所側の見解とそう違わないようだ。
この方は文章の字面はよく読めても、刑事手続きそのものには明るくなさそうだ。
大手のマスコミの方は色々な方のチェックを受け、自分で意識しないうちに大変な教育訓練を受けているから、あまり断定的な物言いをしなくなるものだが、上杉氏の文章にはあちこち論理の飛躍があり、しかもその記述が一方的でおよそガードが出来ていない。
そこは違った考え方が成り立ちますよ、とうことについてまったく検証がなく、吟味した形跡がない。
外部から批判を受けるような立場にいない人が、自分の認識した範囲で、かつ様々な推測を交えて、特定の誰かにプラスあるいはマイナスになるような記事を書こうとするとこうなってしまう、という見本のようだ。
売れる文章ではあるが、長続きはしそうにない。
読者の方から、これを読むべし、というアドバイスがあったので読んだ記事について若干コメントを書いておく。
上杉氏は、水谷建設事件、西松建設事件、陸山会事件の3つとも消えた、と主張されているが、いよいよこれから本格的に始まるのだから、そもそもの認識が間違っている。
政治資金規正法に基づく収支報告書に正しい収支の報告がなされていなかったことについて、同じ年度内に処理され、二通の収支報告書を通して読めば全体の収支の通津妻が合っているのだから、単なる記載した日時が違うだけの期ズレの問題だ、という趣旨の主張をされている。
修正の範囲内のことで違法性がない、ということだろう。
この問題を単なる期ズレに矮小化したくなるのは当事者や当事者に近い人たちの心情としては分からないでもないが、毎年毎年政治資金収支報告書を書いて提出しなければならない担当者にとっては実に重い問題である。
万一何らかの違法行為摘発の端緒となるような記載が残らないように、精査に精査を重ねて作成するのが収支報告書である。
預金通帳や請求書、領収書との照合はもとより、入出金について合理的説明が出来るかどうかも検討し、専門家のチェックもしてもらって作成、提出するのが収支報告書である。
当然マスコミ関係者やライバルの陣営からチェックされることも覚悟して、周到に作成するのが収支報告書である。
こんなことが分かっていると、簡単に期ズレ処理などは起きない。
事務所の責任者が何度も厳しくチェックしていると考えるのが自然だろう。
毎日スタッフと丹念に打ち合わせをしている厳しい事務所では、一人の事務担当者レベルでこういう事務処理を進めることはない。
鳩山邦夫事務所に勤めていた上杉氏はそういうことを知っておられるはずだが、何故、これは単なる期ズレ、などと言われるのだろうか。
検察官が二度にわたって無罪(不起訴)にした、とも書かれている。
検察官の不起訴処分はすなわち無罪の判定だ、という趣旨のご意見のようだ。
なんで小沢氏擁護派の人たちが小沢氏は無罪だ無罪だとプラカードまで掲げて行進するのか、と不思議に思っていたが、どうやら上杉氏の主張が根拠だったようだ。
裁判の結果、立証不十分で無罪判決になることはあっても、今の段階で検察官が二度にわたって不起訴にしたから無罪、というのは明らかに論理の飛躍である。
まだ、そこまでの材料はありませんよ、もう少し冷静に物事を見られた方がいいですよ、裁判というものは結構重く厳しいものですよ、というのが、これまで私があえて指摘してきたことである。
陸山会に対して水谷建設が平成16年10月と平成17年の4月の二度にわたって各金5000万円、合計金1億円を献金したと言われている事件について、上杉氏の記述によれば、捜査段階では渡したと明確に供述していた水谷建設の元会長が現在は「記憶がない」と述べているようだ。
上杉氏は、このことを捉えて、これで検察の虚構が明らかになった、と大上段に振りかぶったものの言い方をされているが、私の見るところ、これは大変な論理の飛躍であり、かつ事実誤認のようだ。
捜査段階での供述を公判廷で証人が覆してしまうことはよくあることで、だからと言って裁判所が公判廷での証人の証言をそのまま真実だと受け入れるわけではない。
法廷での証人の証言はなんだったんだ、と地団駄を踏むことが多いのが現在の裁判の現実であり、現時点での「記憶がない」証言で捜査段階での供述の信用性が否定されることは殆どない。
検察の虚構、というのであれば、重要証人の証言がないのにあるように装ったとか、重要な証拠を改竄したといった具体的事実を指摘する必要があるが、上杉氏は検察の虚構だ、と極めつけるだけでその論拠を示していない。
西松事件についての記述もおかしい。
西松建設の部長や小沢事務所の人たちは陸山会に対して献金した当時、政治団体からの献金だと認識していたから事件化できない、と上杉氏はいう。
現実に検察庁が起訴しているのだから、事件化できないはずだと第三者がいくら大声で言っても何の役にも立たない。
なお、ダミーの政治団体を利用しての迂回献金の見方、考え方は一つの重要な論点であるので、改めて述べることにする。
いずれにしても、上杉氏の所説は上杉氏の独特なご意見である。
上杉氏の見解を引き合いに出して私の感想なり意見を批判されても困ってしまう。
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