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2011年02月05日(土) 07時02分36秒
エジプト革命について思うこと。そして日本も。
アラブ世界の民主革命の動きは止まらなくなってきた。
東欧革命の頃は、テレビ映像がもたらした革命の連鎖とされたが、今度の革命は、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアによるもの。
チュニジアのジャスミン革命の成功が、このエリアの盟主を自認するエジプトに飛び火し、ついに30年もの専制に及んだムバラク政権が今、倒れようとしている。
また、私たち日本人にとっても、情報のとり方が大いに変わってきていることを実感する。
20年前の東欧革命や、天安門事件の頃は、ニュースステーションでその衝撃的な映像を目にして、世界が変わりゆくことを実感したが、今はテレビをつけても、これほど世界の流れが変わるかもしれないニュースに際しても、日本のテレビはろくに報道をしてくれない。
トップニュースはまだプロ野球で活躍した経験もない斉藤祐樹の生出演などをのんきにやって、市川海老蔵の謝罪会見は生中継したとしても、革命前夜であるエジプトの模様は生中継をするつもりもないのだ。
いかに視聴率があがらないとしても、テレビも報道の一端を、公共の電波を借りて行うのであれば、その義務があるはずだろうに。
それに、報道した場合にも、内容についても、くだらなすぎて話にならない。
ある民放のニュースでは、数十万人のデモに対して、おそらくムバラク政権が謀略で起こしていると言われる数千人のムバラク支持派との衝突を、「エジプト国内は、親ムバラク派と、反はムバラク派で『二分』されています」と報道をしていた。
いったいどこが「二分」なのか。
どこまでいいかげんなのかと思った。
圧倒的に、エジプト国内は、ムバラクの圧制を倒そうとするのが、国民の意思であろうに。言葉の使い方が軽すぎて、適当な報道を、またしても視聴者に撒き散らしている。
さらに、その報道スタンスについても、目を覆うばかりだ。
たとえば、大越健介のNHKの21時のニュースを見ていても、その伝え方としては、「アメリカはどう考えているか」
アメリカにとってどのような影響があるか」という話が中心で、驚くことに、当の日本政府の反応には触れないのだ。まったく、属国根性まるだしの、どこの国の国営放送(公共放送)か、と思う。
結局、日本のマスコミにとっては、エジプトやサウジアラビアなどアメリカにとって都合のいい独裁政権は、「アラブ穏健派国家」と報じて、それに歯向かう民衆は「暴徒」として報じる。
しかし、もしこれがミャンマーや、イランののように、アメリカに都合の悪い国であれば「軍事独裁政権」「イスラム原理主義の危険な国家」と報じて、民衆については「民主化革命を求める人たち」となるだろう。
そして、私たちは、アメリカや、マスコミの都合のいいように、視点を染められていくというわけである。
さて、話を戻すと、すごい時代になったなと思うのは、私たちはインターネットを通じて、世界各国の新聞社や、テレビ局が報じる内容に、簡単に触れることができるようになったということである。
なかでも、「中東のCNN」と呼ばれてきたアルジャジーラのエジプト革命における報道はすごい。ずっと生中継で、広場に集まった数十万人のデモの様子を中継している。
私はiPadで、「Aljazeera English Live 」の無料アプリをダウンロードしてみているが、リビングでソファーに腰掛けながら、アルジャジーラの生中継を見ると、つくづく、もうくだらない日本のテレビは要らないな、と実感する。
それにTwitter である。エジプトにいる邦人の方も、どんどんその模様を日本語でもtweet をしてくれるので、今、何が起こっているのか、ということがリアルタイムでわかってしまう。
なかでも感動をしたのが、
「エジプトの若者からのメッセージ 」と題した文章が、世界中を流れたことだ。
このメッセージの中では、エジプトの現実が今どうなっていて、そして民衆は何を求めているのか、ということがしっかりとまとめられている。そして、アメリカ、ヨーロッパ、そしてその他の世界の人たちに向けてのメッセージが書かれている。名文である。
皮肉なことだが、日本はやはり事実上、アメリカの属国なので、アメリカ国民に向けられたメッセージが私たちには、一番向けられているものかもしれない。
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親愛なるアメリカの仲間のみなさん
あなたがたの政府は30年にわたり、ムバーラク大統領に最大の支援を提供してきました。武器と催涙ガスで国家安全保障体制を支えています。米政府は、私たちの国に毎年 16億ドルに及ぶ資金を与えていて、それは腐敗したエジプト政府の中で主にさまざまな形の賄賂として使われています。あなたがたの「民主的な」祖国はイスラーム主義者を恐れるあまり、我々の政府を支援しています。いいですか、怖いものなどないんです。イスラーム主義者についてのあなたがたの見解は事実に反し、間違いだらけですが、その話はまた後日。私たちのリーダーを選ぶことは私たち自身の権利であるという一点において、あなたがたの支援を望みます。私たちを支援し、上院議員や下院議員にエジプト政府を支援するのをやめるように言ってください。私たちを支援し、自由はパンよりも重要である と世界に伝えてください。私たちを支援し、30年続いている政府を追放するのを手伝ってください。もしもあなたの孫たちが、いまと同じ支配者を目撃するとしたら、あなたがどのように感じるかをぜひ想像してください!
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そして、今、ネット上で話題になっているエジプト人タレントのフィフィのブログである。
彼女は、ロバ顔ということで、バラエティ番組でいじられて人気者になっているが、しかし、そんな人気者であればこそ、マスコミは彼女がブログで伝えている重要なメッセージをなぜ取り上げないのかが、不思議でしょうがない。インタビューをすればいいじゃないかと思う。彼女は今、エジプト国民のデモに呼応するように、必死になって、連日、日本の人たちに向けて、エジプトの人たちの思いをブログに書いてくれている。
・エジプトの夜明け 〜新たな一頁へ
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野党であるムスリム同胞団の事が度々メディアで紹介される際に、この同胞団を過激派とイコールに誤解して解説する人がいますが、ちゃんと勉強した上で話をしていただきたい。それに足元すくわれて知識の無さが誇張されてしまいますよ。日本語でもアラブの政治の本を読めば書いてあるが、ムスリム同胞団は孤児院や病院などを設立し古くから民衆をサポートしてきた団体、組織であって、過激派とは全く異なる。むしろムスリム同胞団をアルカイダなどのように扱って世界にその誤解を広めたのはアメリカ。その方がアメリカに取って都合がよかったから。イスラムはテロだ、アルカイダなどとゆう単純かつ幼稚な思想をメディアを駆使して無知な人間に植え付けたことで、アラブの立場を窮地に追いやり、中東での立ち振る舞いを世界に納得させてきたんだから。 まぁ、でもそんなアメリカのパワーバランスももう崩れてきているわけで、その証拠にいまアラブの火薬庫から次々に噴煙が上がっているにもかかわらずそれを消火できずにいる。わたしはまさに世界地図が描き変えられる瞬間を目にしているようで身震いの連続なわけだが。
<中略>
最後にエジプトに旅行にきたにも関わらず観光もできる状態ではなく、さらにはホテルに缶詰、空港で足止めとなった方々には大変心を痛めています。帰国されたあるご婦人が、『またしばらくして落ち着いたらエジプトに行きたいです』と空港でインタビューに応えてらっしゃいました。その言葉はエジプトにとってどれだけの勇気と励ましであるでしょう。感謝の気持ちで涙がこぼれました。
エジプトを愛して下さる方々のためにもエジプトは生まれ変わって自らの力で立ち上がりもう一度みんなが訪れたい国にならなきゃなと思うわけです。エジプトを愛して下さる日本の皆さんほんとに有難うございます。
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私たちも情報をネットを駆使してとるのか、またはテレビや新聞が垂れ流す情報のみを受け取るのか、ということで、エジプト革命の話についても、理解度の差は雲泥の差がある。
もちろんエジプト革命は、ノーベル平和賞受賞者でもあり、欧米とのパイプもあるエルバラダイあたりが、暫定大統領となって成功すればかなり良いシナリオだと思うのだが、これがどういう方向に転ぶかで、アメリカやイスラエルとの問題もあるだろうし、これからの世界平和にとって、大きな影響がある。
なんといっても、中東戦争をイスラエルとずっと戦ってきたアラブ世界のリーダー格の国はエジプトである。
そのエジプトが今変わろうとしている。そのことだけでも、これは大変なニュースなのであるが、しかし日本では十分の伝えられてもおらず、また国民の関心も薄いことが歯がゆくもある。
さて、最後に、このソーシャルメディアを介した革命というのは、実は日本でも、昨年、尖閣問題や、検察・マスコミに抗議するデモが都内でも数千人規模でそれぞれ行われていて、マスコミが報道をしないだけなのだが、やはり日本でも変わりつつあるな、ということを感じている。
日本人はおとなしいから、デモや革命なんて起こらない、という人もいるが、私は必ずしもそうは思わない。
もともと、日本人は刀狩の前は、土一揆だの、倭寇だのと、民衆レベルの蜂起は起きていた国だ。
それが江戸自体は治安も安定していたので、大塩平八郎の乱など、散発的ではあったが、明治時代に変わるにあたっては、西南戦争のような士族蜂起はもちろんだが、自由民権運動が全国各地で盛んになって、中には騒乱にまでなったこともあって、結局、国会の開設を政府が約束する事態に及んでいる。
戦後も、60年安保の時は、主催者発表で33万人の人たちが、反対運動で国会を取り囲んでいる。
それが現在のようにおとなしくなっているのは、やはり国民が「食えている」からである。
世界的にも、歴史的にも、なぜ革命やデモが起きるかといえば、もちろん圧制に対する反発もあるが、やはり若者の失業問題や、国民生活の窮状がその要因として大きい。
今回のチュニジアや、エジプトの革命でも、アラブ世界での若者人口の増加と、失業問題というのが、その背景としてあげられている。そして、既得権益をむさぼる体制側を打倒しようということなわけだ。
やはり日本でも、既得権益による搾取は続いていて、法人税は減税しても、内部留保を溜め込んでも、企業は若者の雇用を守らずに、史上最低レベルの内定率に今年もなっている。
さらに、公務員改革はいっこうに進められないままに、所得税も住民税も相続税もどんどんあがっていき、消費税を10%に増税するだの、15%に増税するだのという議論が続けられている。
結局、国民が食えなくなって、若者に仕事がまわらなくなって、官僚にしろ、企業経営者などの富裕層にしろ、一部の既得権益に富が集中する不公平な社会が進めば、いずれ日本人も立ち上がる日が来ることになると思う。
そのために、前回は、「政権交代」という平和的なプロセスでの権力の交代を国民は選んだ。
しかし、民主党が変節して、結局はコイズミ政権の劣化コピーとしての菅政権が、居座りつづけるのであれば、国民は今度は、政治に対して希望を失い、違う方法で、権力交代をするしかないと考え始めるわけだ。
もちろん、そうならないように、平和的なかたちで、日本は既得権益の打破が行われるべきではある。
しかし、長い目で、今起きているこの国の様子を、冷静に見つめていると、だんだんと、国民が実力行使で立ち上がらざるをえない方向に向かっているのだなと、思う。
今はまだ国民が「食えている」から、日本では革命や、数十万人単位でのデモが起きないだけで、これ以上、締め付けが進むと、どこがで国民が爆発する沸点に、いよいよやってくるのではないかと思っている。
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