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2011年2月2日 掲載
【田中康夫 にっぽん改国】日本の河川行政にコペルニクス的転回を
日本の河川行政にコペルニクス的転回を
去る1月27日に衆議院本会議で代表質問に立った僕は、平成23年度予算編成過程で国民新党・新党日本が提言し、計上に至った2つの新規事業、木製ガードレール設置を促進する国土交通省道路局「木の香る道づくり事業」と、同省河川局が調査費を計上の「鋼矢板を用いた堤防補強」を紹介しました。
信州で誕生し、鋼鉄製と同じ強度を有する木製ガードレールは、間伐、製造から設置に至る全ての工程を地域の企業が担当可能。製鉄会社系列の4社が製造を寡占化する鋼鉄製に比べ、1キロメートル辺り5倍の雇用を地元に創出します。
米国や韓国では、堤防の両肩から基礎まで、鋼の矢板を2枚打ち込み、仮に越水しても破堤しない補強を行っています。
他方で日本では、土と砂だけの土堤。コンクリート壁から水が浸潤し、堤防内部は液状化現象を起こしています。
膨大な費用と歳月を要するダム建設と異なり、地域密着型公共事業として即時、実施可能なのが鋼矢板を用いた堤防補強。「土堤原則」を謳(うた)っていた日本の河川行政が“コペルニクス的転回”へと踏み出すのです。
何(いず)れも、事業採択した内閣総理大臣の「英断」に敬意を表した上で、宅幼老所の設置、「休眠口座」の活用等に関して、質問を行いました。
2万6000人もの待機児童解消に向けて200億円投入、と彼は胸を張ります。が、多くの国民は、ハコモノ行政に終わり、天下り団体が創設されるだけではないか、と疑念を抱いているのです。
商店街の仕舞(しも)た屋、集落の空き家を改修し、介護士と保育士を配置し、ひとつ屋根の下に老いも若いも集う、老保一体化の福祉が、知事時代に県下で300カ所余り設置した宅幼老所です。
他方、へそくり預貯金者が他界し、親族も知り得ぬ内に全国銀行協会の“お手盛り”内規で金融機関の“不労所得”と化している「休眠口座」は毎年1000億円にも上ります。こうした預貯金を英国では政府へと移譲し、新しい公共施策を行う原資としています。が、日本の首相は、「なかなか難しいという答弁書が出て来ています」と議場内から失笑が漏れる「官僚主導」の科白(せりふ)を吐きました。
う〜む、「決断」する気概と覚悟が無ければ、ニッポンは改国どころか壊国まっしぐらです。
【田中康夫】
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