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イスラム原理主義=テロリストと解釈するのは間違いであり「原理主義」という言葉も正しくない。英語では「Islamic Fundamentalism」であり、キリスト教の「Christian Fundamentalism」というキリスト教根本主義と同じ意味を持つ。その意味するところはイスラム教の理念に基づく社会の実現である。その始まりと言われるものはイラン革命に見られる、第二次世界大戦後の米国などの西欧各国の石油利権のための民主化という名前のもとの経済の自由化を求めた政権の腐敗に対して、イスラムの基本に帰れというイスラム法学者の言葉のもとに発生した民衆革命にある。イラン革命は決してテロリスト革命ではなく、民衆が行った改革であり、国民投票に基づいてイスラム共和国の樹立を宣言し、ホメイニーが提唱した「法学者の統治」に基づく国家体制の構築が行われたものである。
エジプトにおける今回の民主化を求める民衆の蜂起は、ムスリム同胞団というイスラム原理主義組織によるものが大きいと言われている。エジプトではムバラクの独裁により宗教政党が禁止されているので、ムスリム同胞団は選挙では無所属として活動を余儀なくされている。むしろムスリム同胞団などのイスラム原理主義の問題は、エジプトを主体に世界で5千万人以上もいると言われているキリスト教の一つであるコプト教徒との対立にある。イスラム原理主義国家になるとコプト教信者の迫害が起きるのではないかという心配が現実になる恐れがある。その意味ではイランと同じ革命になるとは考えづらいと言えるだろう。現在はムバラクという独裁者の追放で一つになっているが、今後どのように誰が国内をまとめるのかと言う事は、我々が考えている以上に複雑な動きになる事が予想される。
米国は、イスラエル問題を抱えてかなり慎重な対応をせざるを得ないし、エジプト以外にも民主化を求める周辺諸国の動きも活発化しているので、今後の動きは混沌としている。世界が大きく動いているのに、わが国ではこの事に対する議論はほとんど起きていない。民主党が外交、安全保障に疎いのではなく、他の政党も含めて国民が蚊帳の外に置かされているというのが、情報を独占する、いつもの官僚たちのやり方なのである。マスコミは依然として表面的な事しか報道しない、騙されてはならない。昨日のタハヒール広場の集会は「Day of Departure」と言われているが、新聞の翻訳は「追放の金曜日」などと変に意訳されている事からも別の意味にそらす意図が透けて見えて仕方がない。自分で考える事が大事なのだ。
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