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三井環氏の講演会に参加して(良人の部屋のブログ)
http://d.hatena.ne.jp/asuka200/20110131
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昨日は、三井環氏(元大阪高検公安部長検事)の講演会に行ってきました。
三井氏のことを存じ上げない方のために、ここで三井氏の略歴を紹介しますと、検事に任官したのが1972年。1999年には大阪高検公安部長に着任し、2000年頃には組織に属しながら検察の「裏金問題」を内部告発ようになりました。そして、2002年4月には現職のまま、実名でテレビのスクープ番組に出演し告発をしようとした矢先、テレビ収録の当日の朝に詐欺容疑で大阪地検特捜部に逮捕されました。その後、収賄罪・公務員職権濫用罪にも問われ、起訴されることになり、それをきっかけに同年5月には検察を懲戒免職になるに至りました。
裁判では無罪を主張して争いましたが、最終的に懲役1年8ヶ月の実刑判決を受け、2008年8月から2010年1月まで刑務所に収監され、同年1月18日に満期出所となり、現在ではご自分の体験を活かしながら、精力的に本の執筆や全国各地での講演会などを通して検察権力の改編に取り組んでいるところです。ここで誤解のないように申し添えておきますが、三井氏は検察そのものに対して、根本のところでは、自著の中でも述べておられるように、「検察は国民から信頼されなければならない」とのお考えを抱いているということです。ですから、その深い造詣を検察組織の健全化に役立てようとしているのが、「検察への闘い」の動機になっているといえます。
既に述べたように、三井氏はご自身が検察組織に属しておられたことから、その当時の体験談を交えながら、何冊かの本の執筆を行なってもいます。この生き証人とも呼べる貴重なご意見を生で拝聴してきたわけですが、その第一印象としては、肌で実感して掴んだ体験を、ご自身の力で知識の中に融合させ得ることのできた人の語りだというのが伝わってきました。(言葉の端々から、覚悟のようなものを感じました)
三井氏のお話は多岐に渡りましたが、その中で特に重要と思われたものを紹介しますと、組織的な腐敗を醸成しているところでもある「けもの道」の話や、冤罪を作り出して行く検察組織の構造的な欠陥。すなわち、組織内部に暗黙の了解事項として、そうしたものが存在していることを、元検察関係者として赤裸々に述べておられたことなどでした。
最後に三井氏が体験した検察の「裏金問題」について、私なりの拙い感想を述べて終わりにします。
いうまでもありませんが、世の中では、「本音」と「建て前」があり、それを上手に使い分けて生きていくのが社会の在り方だとも申せます。
検察の「裏金問題」が事実だと仮定していえば、「建て前」が公衆の前で堂々と闊歩し、誰もが「本音」をひた隠しにしていて、まるで白昼に「裸の王様」が演じられているような感覚を持ちました。なぜなら、裏金があったという告発があるのにもかかわらず、誰もそれを咎めるものがいないし、むしろそれを告発した人間を叩くような風潮が支配するとでも申しましょうか。つまり、「本音」としては、裏金(領収書の偽造)の存在は、関係者ならほとんどの人間が知っているのに、それを公然と認めようとしないのが、検察の最大の過ちになっているのだと思います。
また、こうした問題は検察以外の組織でも往々に見受けられることだと、三井氏も講演の中で指摘していましたが、三井氏によると、ほとんどの組織が同様の問題を抱えた時、謝罪に至るのに、こと検察に限っては、なきものであったと、その事実さえもみ消そうとする体質があると、このことを声を大にして警鐘を鳴らしていました。
さて、テレビドラマのヒーローものや推理小説の探偵役などは、得てして正義の使者は悪を挫く役であり、その正義は絶対的なものとして描かれることもありますが、単純なシナリオ通りに事が進まないのが現実の妙でもありますから、既にシナリオにもひと捻りの工夫ぐらいは加わっていて然りなはずです。
秩序を維持する側が秩序を犯したということを公然と認めると、一時的に社会が不安定化することも危惧できましょう。それをひた隠しにしようとする力が一方で作用するのは、世の必然かもしれません。ゆえに、組織は腐敗化する危険を孕みますから、時代劇にもあるように悪代官が最後には裁かれることになっているということで終止符がうたれ、お茶の間はそれで安心を得ることができます。
ドラマではない社会の安定化を図るためには、現実世界での考察は欠かせないものと思います。(権力を監視するために、憲法があります)そして、その上で健全な社会になるために、「建て前」に支配されないよう、ひとり一人が志向し続けることが大切であり、これが大きく育つことを願わずにはいられません。
ですから、自身も「建て前」に染まることのないように用心しつつも、稀な望みは棄てないで残しておきたいと決意を新たにしました。
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