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本日のテレビ・新聞の一面を飾っているニュースの中に「スタンダードプアーズが日本国際を格下げ、民主政権を不安視」とある。不思議な事にどのメディアも全て同じ論調なのだ。なぜこのように同じ論調になるのか理解に苦しむ。これだけ読むと、いかにも日本の財政は悪化しており、民主党政権に対する不安感を煽っているように見えるではないか。
実際に書かれている記事はどうなのか、抜粋すると、
長引くデフレも日本の債務問題をさらに深刻化させている。物価の下落は、1992年以降の日本のGDPの推移と一致しており、名目ベースで経済規模が同年以降変わっていないことを意味する。加えて、急速な高齢化が日本の財政・経済見通しを悪化させている。社会保障関連費は国の2011年予算案の31%を占めており、2004年度の社会保障制度改革を上回る規模の改革を実施しなければ、この比率は上昇する見通しである。生産年齢人口の高齢化と減少を踏まえ、S&Pでは日本の中期的な成長率を約1%と予測している。(・・・ここでの指摘は一般会計の事しか述べていない。ここにも情報操作されている中でのコメントになっている事に注意が必要である。)
民主党率いる連立与党が参議院選挙で過半数議席を確保できなかったこともあり、民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けているとS&Pは考えている。また、政府は2011年に社会保障制度と消費税率を含む税制の見直しを行うとしているが、これにより政府の支払い能力が大幅に改善する可能性は低いとS&Pは考えている。国債発行額の承認を含めた、2011年度予算案と関連法案が国会の承認を得られない可能性さえあるとS&Pはみている。したがって、国内には引き続き国債に対する強い需要があり、それに対応して超低金利環境が続いているものの、日本の財政の柔軟性はさらに低下するとS&Pは予想している。
とはいえ、日本のソブリン格付けは、高水準の対外純資産残高と比較的強固な金融システム、多様化された経済により「AA-」の水準で下支えされている。加えて、日本円は世界の主要準備通貨である。
日本の2010年末の対外純資産残高は、概算で経常取引受取額の254%と世界最大である。また、外貨・金の準備高は1兆ドルを超え、中国に次いで世界第2位である。加えて、金融部門と、企業部門と家計部門をあわせた非金融民間部門も対外純債権者である。経常黒字が続いていることから、対外純資産は今後数年さらに増加するとS&Pはみている。
厳しい財政状況と経済成長見通しの弱さを、高水準の対外純資産と円の国際通貨としての役割によってもたらされる柔軟性に照らし合わせて考慮し、アウトルックは「安定的」とした。2000年代前半のように政府が財政再建と成長見通しの改善に向けた施策を実行できれば、格上げを検討する。一方、S&Pが日本の財政見通しを再び引き下げた場合には、格付けへの下方圧力が再度強まるだろう。
これを読めば、何のことはない「安定的」という格付けに下げたに過ぎない。そして後段では日本の巨額の対外債権と外貨準備高などの保有があることを冷静に指摘している。日本のマスコミがここまで詳しく報道をしていない事と、全ての報道が同じ論調である事に、太平洋戦争中の大本営発表のような意図的な世論操作があると考えざるを得ない。もはやここまで来ると現状の大手マスコミは国民にとって害悪でしかないのではないだろうか。
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