http://www.asyura2.com/11/senkyo105/msg/676.html
Tweet |
ここにきて、サラリーマン家庭の老後に暗雲がたれ込めてきた。与謝野馨経済財政担当相(72)が、原則65歳となっている公的年金の支給開始年齢の引き上げ検討を表明したのだ。もし2歳引き上げられて67歳になった場合、「平均的なサラリーマン世帯で約600万円の損失になる」と専門家は指摘。家計への打撃は極めて深刻なものとなる。
引き上げ発言があったのは、21日に行われた政府の新成長戦略実現会議(議長・菅直人首相)の席上。与謝野氏は、財界首脳や労働組合幹部も参加した同会議で、「人生90年を前提にすると、定年延長も考えなければならない。年金支給年齢の引き上げも検討できる」とぶち上げた。
年寄りを働かせ、年金の支給開始年齢を遅らせようという魂胆だ。
同会議は元気な日本を取り戻すために設置された組織。年金などの社会保障については、これとは別に政府が6月に社会保障と税の一体改革案をとりまとめる予定だが、与謝野発言は「遅かれ早かれ支給開始年齢の引き上げが(政府案として)浮上してくるのは間違いないだろう」(シンクタンク研究員)との印象を強く植え付けた。
年齢が引き上げられた場合、私たちの生活にどんな影響があるのか。
まず、公的年金の支給開始年齢について軽くおさらいしておくと、自営業者など国民年金(基礎年金)にのみ加入している人は1961年の制度開始当初から原則65歳からの支給となっている。ただし、繰り上げ支給を請求すれば、減額された年金を60歳から受給することもできる。
一方、サラリーマンが加入する厚生年金は1940年代に制度が誕生。支給開始年齢は男女とも55歳だったが、男性は54年に、女性は2000年までに60歳に引き上げられた。
その後、94年の改正によって、基礎年金に相当する定額部分について、支給開始年齢を2018年度までに段階的に60歳から65歳に引き上げることが決定。
さらに、00年の改正により、加入期間に受け取った報酬に応じて支給される報酬比例部分についても、30年度までに段階的に60歳から65歳に引き上げることが決まった。
男女で引き上げの時期に違いがあり、男性は定額部分が13年度(報酬比例部分は25年度)、女性は18年度(同30年度)にいずれも65歳からの支給となる。
公務員などが加入する共済年金も同様だ。
そこで、65歳からさらに年齢が引き上げられた場合の影響だが、野村証券やみずほフィナンシャルグループなどをへて独立系ファイナンシャルプランナー事務所「バリューマネジメント」を設立した中浜祐士氏はこう指摘する。
「ざっくりいうと、平均的なサラリーマンと専業主婦の世帯の場合、年金支給額は月25万円程度で年間だと300万円になります。開始年齢が2年引き上げられた場合、あなたの預金から600万円が消えるのと同じことになるんです」
3歳引き上げられ68歳になれば計900万円、70歳になれば実に計1500万円が消えるのと同じことになる。
与謝野氏は年齢の引き上げにあたって、平均寿命90歳(09年は男性79・59歳、女性86・44歳)の実現や、定年延長を条件に掲げてはいる。
しかし「すでに世界一の長寿国である日本で、大幅に平均寿命が延びるか疑問」(中浜氏)だ。定年延長についても「企業が雇用を絞ったり海外移転を進めるなかでは非現実的。結局、年齢の引き上げだけが先行するのではないか」(前出の民間シンクタンク研究員)とみられている。支給開始年齢の見直しについては、自公政権が04年に年金保険料の負担増や給付水準抑制の仕組みを導入したときでも、有権者の反ま発を恐れ慎重だった。
■老後に備え「毎年50万円、15年間ためよ」
民主党内でも、昨年夏の参院選マニフェストの作成にあたった研究会で「65〜75歳の間で選択制に」との声も出たが、主流意見にはならなかった経緯がある。
一方、10年度の社会保障給付費(予算ベース)は105・5兆円に達している。内訳は、年金53・2兆円(全体の50・4%)、医療32・1%(30・4%)、介護7・5兆円(7・1%)、その他福祉12・7兆円(12・0%)。
前出の中浜氏は「支給開始年齢の引き上げはとんでもない話だが、11年度予算案でも社会保障給付費は100兆円を超えており、収支のバランスを考えるとそういう方向性になるのは避けられない」としたうえで、こうアドバイスする。
「いかに自助努力でカバーしていくかが重要。毎年50万円ずつ15年かけてためるなど、今から地道に老後資金を作る必要があります」
年金の支給開始年齢をめぐっては、仏政府が昨年、満額受給できる年齢を65歳から67歳に引き上げる年金改革案を提出したところ、労働組合のストや学生のデモが過激化する事態となった。
増税や控除の廃止、厚生年金保険料の引き上げなどでサラリーマンの家計負担は増えるばかり。一方で、民主党政権は、公務員の削減やムダの排除などでなんの工夫や努力もなく、安易に国民のフトコロに手を突っ込んでくる。日本のサラリーマンも怒らないと、つけ込まれるばかりだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110127/plt1101271643004-n1.htm
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK105掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。