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文藝評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』
2011-01-25 12:40
政権交代後の組閣人事で「藤井裕久問題」が焦点だったことをご記憶だろうか。小沢一郎幹事長が、政府人事には一切介入しないと公言していたけれども、藤井の閣内入りにだけは頑強に反対していたが、結局、最後は鳩山首相の抵抗で藤井は閣内入り、そして重要ポストであった財相に就任した。ここから、政権交代、そして民主党政権の迷走と崩壊が始まったと言っていい。鳩山が、この時、小沢一郎の心理を忖度して藤井を閣内に入れなかったら、おそらく鳩山政権は長期政権となり、本来の念願であったはずの政権交代の数々の果実を手に入れることが出来ただろうと推察する。しかし、鳩山は、小沢一郎の心理を無視・黙殺して藤井裕久を重要閣僚として優遇し、そして結果的に財務省、官僚組織、マスコミに足元をすくわれ、自滅することになったというわけである。その後の藤井は、財務相辞任後、渡部恒三や石井一等と組んで、さかんに個人的な恨みつらみに基づく、つまり小沢一郎の政治的資質と能力へのルサンチマンに満ち満ちた、ピントはずれの「小沢一郎批判」を繰り広げてきたが、それを見た「米政府と政界の空気を読みすぎて鬱病になった総理」(笑)菅直人が、性懲りもなく藤井を内閣官房副長官に取り込み、今度こそというわけで小沢追放の鉄砲玉にしようと画策し始めたというわけである。しかし、繰り返すが、鳩山も菅も、藤井の「ささやき」に耳を傾け、小沢一郎と距離を取り始めたことに政権運営の大きな失敗の始まりがあった。鳩山は、今、菅直人に裏切られ、そして信頼していたはずの藤井裕久にも裏切られ、やっと小沢一郎という政治家の読みの深さと深層心理がわかり、目覚めたかもしれないがもう遅いのである。菅直人もまた、小沢一郎切りに邁進することによって自分で自分の首を絞めているわけだが、しかし菅直人は、残念ながら、まだそれを自覚できていない。鳩山にしろ菅にしろ、女房の浅知恵に振り回され、女房に頭の上がらないような男は、総理であろうとなんであろうと、遅かれ早かれ、国民の厳しい批判と嘲笑にさらされて、自暴自棄になり、自爆していくほかはあるまい。渡部恒三、藤井裕久、石井一。いずれも小沢一郎の「子分」だったような男である。その時点で政治家としては、小沢一郎には手も足も出ないような、二流、三流の政治家であったということである。言い換えれば、秀吉のように堂々たる一流の「子分」にもなれなくて、「親分」を敵に売り、自分だけが生き延びようとする後ろ暗い「裏切者」の道を選ばざるをえなかったような愚物たちである。所詮、裏切者は裏切者である。菅直人に大事なことを相談すると、翌日には秘密が敵側に漏れ、即、殺されるか逮捕される…と言われているが、菅直人もまた生まれつきの「裏切者」である。類は友を呼ぶ。しかし、明智光秀ではないが、敵側に寝返った裏切者たちが栄えたためしはない。
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