http://www.asyura2.com/11/senkyo105/msg/321.html
Tweet |
21日の毎日新聞の一面トップ記事は「政倫審小沢氏招致を断念」であった。前日、首相が行った「年頭外交演説」の記事は一面左下で、危うく見落すところだった。普通なら、自国の宰相が行った演説が一面トップ記事だろう。演説の中身が無いからか、読売を除き各紙は一面トップ記事にしなかった。そう云うことなのだろう。
毎日の一面トップ記事の中身は、「小沢氏が通常国会冒頭での政倫審出席を事実上拒否したので、岡田幹事長が政倫審招致を断念した」である。小沢氏は予ねて「政倫審には出る」「政倫審に出ることで、予算審議がスムーズに進むのなら、国会冒頭に出る。そうでなければ、予算審議の後にする」と、昨年末から終始一貫している。先日テレビでも同じことを語った。それがどうしてトップニュースなのかも分からない。
これを一面のトップにした、毎日の報道姿勢もおかしいが、記事の内容もおかしい。
先ず、「民主党単独でも実施する構えだった政倫審招致議決を一転して断念する方針を表明した」とあるが、政倫審議決が出来ないことは初めから分かっていたことだ。野党が反対する政倫審招致議決をすれば、国会は止まる。だから、他紙では、招致議決を止めてくれと言ったのは、安住国対委員長だと報道しているではないか。
それにも拘わらず、岡田氏が「国会で説明する機関は二つしかない。政倫審を封じてしまえば残された一つ(証人喚問)と言うことになる。党の中の議論が必要だ」と語ったとの記事だ。政倫審を予算審議の後にすればいいだけの話だろう。これだけではない。二面(=政治欄)トップでは、「小沢氏起訴時の処分焦点」等、小沢氏が「政倫審に出る」と言っていることを無視し、離党を煽る記事であった。
さらに加えるなら18日の一面トップは、「離党勧告視野に」であった。毎日はそれ以外にも、ここに来て小沢氏の離党を図りたい民主党執行部に協力し、小沢氏離党を煽る記事が目立ってきた。少し穿ちすぎかもしれないが、その遠因はジャーナリストの鳥越俊太郎氏が書いた10日の毎日新聞コラム「ニュースの匠」にあるのではないかと推測している。このコラムは13日の本欄でも紹介した。(下記URL)
鳥越氏は、小沢氏に対する「『政治とカネ』の問題」という、定義の不明確なレッテルを貼る報道は、「言葉のファシズム」だと書いていた。処が、この鳥越氏のコラムに対して、毎日新聞の岩見隆夫客員論説委員が「鳥越俊太郎さんは間違っている」と噛み付いたのである(18日発行のサンデー毎日の「サンデー時評」)。岩上氏は、鳥越氏の論調に同意する社内意見を、ある事情*から封じこめたかったのだろう。
岩見氏は、小沢氏の不起訴処分が決定した日、東京地検の特捜部長が「検事の数ほど意見があった」と言ったのは、検察内部に起訴論があったからだと言う。そして、鳥越氏が言う「小沢氏の不起訴=検察の虚構論」はとんでもないと言うのだ。検事総長が「小沢氏を起訴する証拠はない」と言ったことも、西松事件の公判で、検察が公判維持を出来ずに訴変更したことも全て無視しているのだ。
それだけではない。毎日新聞は石川氏が逮捕された時、その虚偽記載金額を20億円と報道した。だが、訴因にそのような金額は書かれていない。もっと酷いのは、石川氏の訴因をまともに報道したことは一度も無い。土地取引に関して農地法のことも全く報道していない。それでいて、検察内部に起訴論があったからだと、自分の想像したことだけで以って、鳥越氏の真っ当な意見の封殺を図ろうとしている。
政倫審に「出る」「出ない」だけを新聞の一面トップ記事とする。「政治とカネ」という言葉だけが「言葉のファシズム」ではない。このようなマスコミの報道が、当に「言葉のファシズム」なのである。新聞の一面トップ記事は、新聞の「顔」である。
その記事内容で、新聞のクオリティが分かる。毎日に限らず、日本の新聞のクオリティの劣化は、その一面トップ記事で分かる。
*注:「ある事情」とは12月23日に菅首相と、毎日・岩見、朝日・星、読売・橋本の3氏が会食した事実とその後の各社の報道内容から、筆者が推測していること。
筆者の推測なのでこれ以上は書けない。読者が自身で考えて頂きたい。
昨年の1月13日に何があったか(鳥越氏コラムの一部)
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=102691
http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=103060
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK105掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。