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2011年1月22日3時6分 朝日
http://www.asahi.com/politics/update/0121/TKY201101210550.html
菅政権は21日、B型肝炎集団訴訟で札幌地裁の和解案を受け入れるのに伴い、患者らの救済に必要な3兆円規模の財源について、所得税を増税してまかなう方向で調整に入った。数年程度に限定して増税する案が有力だ。近く、自民党など野党と具体的な協議に入る。
対象の患者は3万3千人、感染しているが症状が出ていない人は40万人おり、政府の試算では、和解案に沿って救済する場合、30年間で最大3兆2千億円が必要になる。歳出削減で捻出するには財源の規模が大きいため、増税で国民に広く負担を求めたい考えだ。社会保障分野に使われている消費税の活用は見送る。
具体的な増税の仕組みや導入時期はこれから詰めるが、5〜40%の6段階ある所得税率を一律1%上げると、年1兆円程度の増税になる。この場合、3年程度で必要な財源を確保できる。ただ、税率引き上げは高所得者の負担額が多くなるため、所得にかかわらず、国民に等しく一定額の拠出を求める案も検討する。このほか、社会保険料の増額と組み合わせる選択肢もある。増収分で救済のための基金を創設し、申請に応じて和解金などを支払う。
参議院の過半数を野党が占める「ねじれ国会」でも患者らを救済する法案を成立させるため、菅政権は自民党、公明党などとプロジェクトチームを立ち上げ、与野党で救済の具体案をまとめる意向。原告以外の患者も幅広く救済する「特別措置法」を与野党合意で制定したい考えだ。
各地の原告は、22日に和解の受け入れについて意見集約する。B型肝炎の患者らに対する救済措置とはいえ、増税という形をとることに与野党内から反発が出ることも予想される。
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