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河北新報 1月22日(土)6時13分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110122-00000002-khk-l04
宮城県の「女性と子どもに対する暴力的行為の根絶対策」の一環として、県は、性犯罪で服役した前歴のある県内在住者について、再犯リスクが高いと判断される場合、警察が日常行動を常時監視できる条例制定の検討に入った。本人の意思にかかわらず対象者に衛星利用測位システム(GPS)の常時携帯と定期的な行動記録の報告を義務付け、必要に応じてDNA提出も求める。
GPSを使った行動監視は韓国で行われているが、国内には例がない。人権問題と指摘される可能性もあり、波紋を広げるのは必至だ。
監視対象とするのは女性や13歳未満の子どもへの強姦(ごうかん)、強姦致死傷、強制わいせつ、強盗強姦、わいせつ目的誘拐などの罪と各未遂罪で懲役、禁錮刑を執行され、刑務所を出所した20歳以上の県内在住者。
ドメスティックバイオレンス(DV)防止法に基づき、裁判所から被害者への接近禁止や退去など保護命令を受けた加害者には、GPSの常時携帯のみを義務付ける。
詳細な制度設計は今後検討するが、GPS携帯の場合、専門家でつくる審査委員会が再犯リスクを検証。知事が性犯罪前歴者には10年以内、DV加害者には保護命令期間内の携帯を命じる行政処分が行えるようにする。
GPSは自宅を含め、原則24時間の携帯を義務化する。県警がGPSから発信される電波をとらえ、対象者の居場所を常時把握する。携帯せずに外出すれば罰金を科すが、県外に移動すれば条例は適用されない。
県は性犯罪の前歴に応じて、幼い子どものいる学校には接近させないなど、対象者の県内での行動範囲を制限することも視野に入れる。逸脱すると、最寄りの警察署員が駆け付け、警告する仕組みなどを検討する。
対象者には日常の行動記録の提出も求める。県内の各警察署ごとに保護司、弁護士らによる「地域行動支援委員会」(仮称)を設置。提出された行動記録をもとに対象者と定期的に面接を行う。
DNA提出は、県警本部長が採取必要と判断した者を知事に通知。知事の決定により提出を要請し、県警で管理・保管する。県内で性犯罪事件が発生した場合、現場に残された体液などと照合、容疑者特定につなげる。
県は近く条例制定の検討を表明し、性犯罪根絶対策を話し合う有識者懇談会にも説明するとみられる。3月末までに条例化の可否を判断し、具体的な検討に着手する。
女性や子どもへの暴力的行為の根絶対策で、県は児童ポルノの「単純所持」を禁じる条例の検討も進めている。
[宮城県の女性と子どもに対する暴力的行為の根絶対策] 2010年11月、村井嘉浩知事が本部長の対策推進本部を設置。性犯罪、ドメスティックバイオレンス(DV)の被害根絶に向けた規制条例の制定、県民運動の展開などの検討に入った。既に児童ポルノの単純所持禁止、女性や子どもに不安を与える威迫行為禁止の検討を表明。専門家による懇談会も発足させ、議論を始めた。11年3月までに実施の可否を判断し、施策大綱に取りまとめる。
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